今月も株式相場が大荒れですね。大家さんや不動産投資家の中には株式投資をされている方も多いので、そこから不動産マーケットの下落を示唆したり連想したりする方がいてもおかしくないですが、ちょっと考えてみませんか(もちろん、銀行の融資スタンス変更の悪影響とは別枠で考えています。)?

 

株式相場の現状

 株式相場が大荒れ、だからと言って、それで即、不動産マーケットに影響することはないと思います(あくまで私見ですが。)。

 現在の大荒れは、マクロ的には米中貿易戦争や米国利上げ(利上げは株価に結構織り込み済みだと思いますが。)などにより、これまでの株高原因となる枠組みが崩れつつあることが原因でしょう(注意すべきは、中国に対しては、トランプさんだけでなく米国自体が本気だと言うことですね。)。現在、確かに、株式相場から債券相場へと資金が流入し始めています。ただ、それはあくまで、金融資産の中での資産配分のリバランスの動きで、不動産マーケットにすぐ波及すると言うのはちょっと考えにくいかなと。

 

分散投資

 ところで、ご存知の通り、リスク分散の一手段として分散投資と言う考え方があります。これは、異なる複数の資産に投資することにより、ある資産価格の下落を、別の資産価格の上昇で緩和して、複数の資産全体の価格変動を抑えることです。

 金融商品間で資金が動く結果、株価が下落して債券価格が上昇する(日本国債は日銀の政策により、ちょっと動きが鈍いですね。)ことから、金融資産運用においては、株式と債券との組み合わせは有名だと思います。

 

債券の存在

 では、不動産についてはどうか?株価とはプラスの相関がある(同じ動きをする。時間軸は異なります。)と言われています。債券は、分散投資として、不動産とも組み合わせ可能な金融商品でなんですね(一般にはなかなか扱い難いところもありますが、現在はETFもあります。)。もちろん、現金を忘れてはいけませんが。

  また景気を先読みする一つの指標として逆イールドがあります。これは、一般に米国債の利回りの長短逆転を言います。先月は久しぶりにそれが発生したおかげで相場が大荒れしました。

 特にリーマンショック時の逆イールドは恐ろしい程で、このレベルになれば、銀行が大混乱に陥るので、不動産マーケットへの影響はいずれあると考えるのが良さそうです(と言ってもリーマンショック後でも不動産価格自体に影響が表れるのには半年以上のタイムラグがありました。)。

 ですから、昨今の株式相場の様子から不動産がどうなるか気になる方は、融資関連に加えて、債券利回りを介して、銀行の事業への影響を考えるのもアリではないでしょうか。株式等の金融商品投資に興味のない方にとっても、景気をチェックする意味で、債券(利回り)は注目してもいいと思います。

 

海外資産を考えるなら

 また、他の資産との組み合わせで言うと、海外不動産(日本とは値動きが異なると言う意味で)を考える人もいそうです。

 ただ海外不動産まで守備範囲を広げるのは外国株式や外国債券を考えるのと同様の視点、つまり、海外の経済成長を取り込もうと言う視点があると考えます。それからすれば、海外不動産の運用リスクを踏まえて、外国株式や外国債券との組み合わせを検討するのもアリだと思います。また、既にブランドとして確立された欧米地域の物件については、資産保全の一手段ですので別物と考えるのが良さそうです。

 

 なお分散投資は値動きが逆方向に動くモノ同士の組み合わせですが、不動産同士の組み合わせ(立地、用途(住居用の賃貸物件、テナント物件、ホテル、倉庫など)構造、築年数、規模など)も収益を安定させる点から興味深いですね。

 次回もヨロシクお願いします。