こんばんは、サバイバル大家です。
いつもコラムを読んで頂き、ありがとうございます。

前回の続き(第34話)

上限いっぱいの20件と急激に戦闘力を上昇させた留守電件数。

ギリシャ神話にあるパンドラの箱のように全ての悪と災いが封入された留守電。あらゆる不吉を孕ませる留守電を再生するサバイバル大家

しかし

それは光の届かない深淵へ沈み込む序章に過ぎなかった

 

背景音と無言が佇む10件以上の留守電
突如、暗闇から飛び出すような大声の留守電
黒魔術か、闇のポエムが封入された留守電
サバイバル大家に偉人の言葉がこだまする

 

 

深淵をのぞく時
深淵もまた
こちらをのぞいているのだ

by ニーチェ

 

 

心の奥底に楔のように刻み込まれる呪い…
心に漆黒の闇を抱えるメンヘラ入居者との距離
計り損ねたことに気づき恐怖するサバイバル大家

しかし、

それはパンドラの箱底に残っていた●●契約のプロローグに過ぎなかった。

 

パンドラの箱に残っていた最後の欠片…それは定期借家契約だった

続く留守電

「ごめんなさい。すいません、今までのことは全て忘れてください」

 

 

 

 

お気遣いありがとうございます

 

 

ただ…もう

 

 

忘れらんないッス

 

 

管理会社の皆様

 

入居者の審査フィルター
いつもお疲れ様です。
心からありがとうございます。

 

こんなの自分には無理です
(いい匂いにつられるし…)

 

 

何か…心に漆黒の闇を抱えるメンヘラ入居者から
自分の心を守る手立てはあるのか

 

 

サバイバル大家

「だ、だめだ。こんなのに付き合っていたら自分がおかしくなってしまう…(((;゚Д゚)))ガクガク」

 

 

これから外回りだというのに…全身が重たい。頭の片隅に常につきまとう言いようのない不安。

いま沈黙している携帯電話が…不気味で仕方なかった。

 

 

(…その日の夜)

 

 

外回りの途中から仕事に集中できてよかったが、
その後は留守電の叫び声や、意味不明の言葉が頭を離れなかった。

 

 

サバイバル大家

「裁判も抱えているのに、、、これ以上、トラブルを抱えたら身が持たないぞ」

 

 

会社からの帰り道にサ●ゼリヤで、
ワインデキャンタをチビチビと飲みながら考える

 

 

サバイバル大家

「(家賃が入るのはとても重要だけど、毎日精神的に追い込まれる代償としては安すぎる)」

 

 

辛●チキンをほうばって、399円の赤ワインデキャンタがなくなる頃
ようやくお腹も落ち着いて覚悟も決まった

 

 

サバイバル大家

「よし、あのいい匂いのする黒魔術女性には出ていってもらおう!」

 

 

何かトラブルが起きるのではないかと不安がよぎったが、
これからの継続的なトラブルに比べれば一時的だ。

そう思ったら気持ちが随分と軽くなった

 

 

(…帰宅後)

 

 

いい匂いのする黒魔術女性との契約書を読み返した

 

 

サバイバル大家

「そうそう、定期借家契約っていうのにしていたんだよな」

 

 

ルームシェア、シェアハウスのサイトに記載のあった教えだった

 

・最初の契約は3ヶ月以内
・信頼関係が構築できたら6〜12ヶ月以内
・徐々に定期借家の契約期間を延ばしていく

 

というものだった

 

 

サバイバル大家

「当初契約期間は3ヶ月以内にしていたから、理由をつけて
【契約更新しない】って通知をすれば問題なさそうだな」

 

 

とはいえ、自分だけが出ていって欲しいだけでは少し弱い気がした。

第三者の意見もあるなら良いかもしれない。同居しているヒサシ(30代の建設エンジニア入居者)さんはどうなんだろう?

善は急げだ

 

 

…ブルブル…ガチャッ(携帯)

 

 

サバイバル大家

「夜分に申し訳ありません。今お電話少し宜しいでしょうか?」

 

 

電話口では相変わらず挙動不審感が満載だった

 

 

ヒサシ(30代の建設エンジニア入居者)

「あ!あ!はい、だ、大丈夫です」

 

 

この電話で黒魔術女性に退去してもらう
十分な理由を見つけたい

 

 

サバイバル大家

「ありがとうございます。お電話したのは同居している女性についてなんですが
…ご一緒に住まわれていて何か問題はありませんでしょうか?」

 

 

少し電話口が不穏な空気になった。
何かためらっているような感じ

 

 

サバイバル大家

「お話いただくことで、ヒサシ(30代の建設エンジニア入居者)に不利益がないことはお約束します」

 

 

少し不安感が払拭されたのか
ポツポツと話し出す

 

 

ヒサシ(30代の建設エンジニア入居者)

「ほ、本当ですか…は、はい。実は色々とあって
自分が別の住まいを探そうと思っていたところでした」

 

 

突如の転居予告に驚く
電話口で話は続く

 

 

ヒサシ(30代の建設エンジニア入居者)

「あの女性、一人でブツブツ言っているのが壁越しでも聞こえるんです。

 

夜中に突然大声あげたり

 

こないだは突然、ノックもせずに部屋に入ってきて

 

「大家さんから私のことを聞いていないか!?」

 

とか一方的に話をしようとするんです。

 

まあ、鍵をかけてなかった僕が悪かったんですけど…やっぱり、一緒に住むのは怖いし、不安だなって思って」

 

 

や、やっぱり…
っていうか夜中に突然大声あげるのも怖いが

 

 

 

 

ノックもせずに部屋に突然入ってくるとか

 

 

母ちゃんとかでも充分トラウマになるのに

 

 

タイミング悪く…赤の他人に入られたら

 

 

男子は社会的に抹殺レベルだわ!!

 

 

入居して1ヶ月弱で転居したいなんて

思わせてしまうとは本当に申し訳ない

 

 

サバイバル大家

「ヒサシ(30代の建設エンジニア入居者)、ありがとうございました。実はあの女性には退去いただこうと思っていたんです。正直なお話を聞けて助かりました。」

 

 

少し挙動不審なところはあるものの礼儀正しく、きちんとした職業であるヒサシさんには住み続けてもらいたいと思った

 

 

サバイバル大家

「ヒサシ(30代の建設エンジニア入居者)、先ほどの転居の話ですが少しお時間を頂けませんか?ヒサシさんには長くお住まい頂きたいので。」

 

少しホワッと温かな雰囲気に
安心したのか電話口から返答があった

 

 

ヒサシ(30代の建設エンジニア入居者)

「そ、そうなんですか…解決するなら住み続けたいです。

ただ…

また空いた後は別の方が入居されるんですか?」

 

 

少し言葉をためらったが嘘を言って
引き延ばすわけにはいかない

 

 

サバイバル大家

「そうですね…女性が退去されれば新しい入居者を探すことになるかと思います。」

 

 

少し無言が続いたが、
意を決したようにヒサシが返答した

 

 

ヒサシ(30代の建設エンジニア入居者)

「あ、あの!も、もしできればなんですけど
…僕がその部屋も借りることはできますか?」

 

 

突然の申し出に少しビックリしたが
嬉しい申し出に浮かれないよう自制した

 

 

ヒサシ(30代の建設エンジニア入居者)

「や、やっぱり部屋に自転車置くと狭くて、もう一台買おうと思っていたし…
ただ2部屋を借りると少し高いので何とかできませんか」

 

 

もちろん家賃は少し安くするつもりだった。
女性の部屋はヒサシの部屋より1.5畳ほど狭い
喜んで即答したい気持ちを抑えて、、、静かに答えた

 

 

サバイバル大家

「じゃあ、もう一部屋は

▲5000円

でどうでしょう?」

 

 

明るい雰囲気が
電話口から聞こえた

 

 

ヒサシ(30代の建設エンジニア入居者)

「あ、ありがとうございます!全然大丈夫です!ぜひ宜しくお願い致します」

 

 

ホッ!よかった…何とか条件は成立した。
これで契約だけできれば女性が退去しても満室状態の保険ができた。

 

 

サバイバル大家

「契約書は改めてお送りしますね。また、女性の退去については調整しますので少しだけ辛抱願います」

 

 

少し長くなってしまった電話を切ると、
ホッとした気持ちとヒサシに感謝する気持ちを感じた

 

良い入居者さんに恵まれると何て心が穏やかになるんだろうか
…そう思い黒魔術女性に退去いただくことを強く誓うのだった。

 

しかし、この時はまさか入居者と電撃作戦をすることになるなんて思いもしなかった。

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