こんばんは、サバイバル大家です。
いつもコラムを読んで頂き、ありがとうございます。

 

前回の続き(第35話)

クソ売主との裁判を抱えながら、
新たな係争の芽が育ち始めようとしていた。

留守電というパンドラの箱を開け…呪いのような心の深淵に触れた時、
漆黒の闇を抱えるメンヘラ入居者に心底戦慄するサバイバル大家

 

しかし

それは絶望の中に眠る唯一の希望を見出すための序章に過ぎなかった

 

 

いい匂いのする女性入居者→黒魔術女性(昇格)
彼女を封印する伝説の武器となる定期借家契約
伝説の武器を発動させるべく覚悟を決めたとき
サバイバル大家に偉人の言葉がこだまする

 

 

生命のあるかぎり、
希望はあるものだ。

by セルバンテス

 

 

挙動不審なもう一人の入居者ヒサシから内情を聞き出し
さらなる覚悟を決めたことで、想定外の満室オファーを獲得。

良い入居者のありがたみを実感し感謝するサバイバル大家

しかし、

それは入居者との電撃作戦のプロローグに過ぎなかった。

 

この共同戦線は、我々の置かれた理不尽な状況を脱するために必要な選択だった

よかった…何とか条件は成立した。
これで契約だけできれば女性が退去しても満室状態の保険ができた。

 

 

サバイバル大家

「契約書は改めてお送りしますね。また、女性の退去については調整しますので少しだけ辛抱願います」

 

 

少し長くなってしまった電話を切ると、
ホッとした気持ちとヒサシ(30代の建設エンジニア入居者)に感謝する気持ちを感じた

 

良い入居者さんに恵まれると何て心が穏やかになるんだろうか
…そう思いマキ(素敵な香り20代エステ黒魔術女性入居者)に退去いただくことを強く誓うのだった。

 

 

(…翌日)

 

 

月末に出す期間満了通知書を作成した。

 

 

サバイバル大家

「よし、これを出せば契約期間が終了=基本的には賃貸終了…後はマキさんが退去を素直に応じてくれるかどうかだ」

 

 

争いや揉め事なくスッと終わればな…
という甘い考えもよぎった。

 

しかし、クソ売主を巡る数々の戦いを経て不動産賃貸業においては

根拠のない性善説は命取り

になることを嫌というほど実感していた。

 

 

サバイバル大家

「まあ、多分ひと悶着はあるだろうから、期待しないで粛々と対応しよう」

 

 

期待値を下げておけばガッカリすることもないし、
問題が生じることへの覚悟も違うってもんだ。

 

 

メンヘラでも

 

基地外でも

 

黒魔術でも

 

何でも持ってくるがいい

 

 

後は翌月分の家賃(定期借家契約期間の最終月分)の入金を確認したら、
追い出し作戦をスタートするだけだ。

 

 

(…その月の下旬)

 

 

ヒサシ(30代の建設エンジニア入居者)とは一部屋を丸々通常の賃貸と同じように賃貸することになったため、普通賃貸借契約として契約を巻き直してもらうこととした。

 

 

サバイバル大家

「後は黒魔術女性の退去が確定すれば万々歳。最終月家賃をもらえるまでは丁寧に対応するしかない」

 

 

下旬までに黒魔術女性から何度か意味のない電話をもらいながらも、要件を端的に聞いていつもの調子なら

「忙しい、と断り電話を切る」

ことを徹底し自分の心を防御した。

 

電話には基本で続けたことが功を奏したのか、下旬には翌月分の家賃が振込まれた。作戦開始の合図である

 

 

サバイバル大家

「よし、追い出し作戦のスタートだ!」

 

 

(…その翌日夜)

 

 

家賃入金を確認した翌日の昼には、期間満了通知書を配達記録付書留で発送した。(内容証明郵便か迷ったが、最初からだと攻撃的すぎるかと思ったので)

 

 

サバイバル大家

「ヒサシさんにも現状の情報共有した方がよいかな」

 

 

…ブルブル…ガチャッ(携帯)

 

 

ヒサシ(30代の建設エンジニア入居者)

「あ!あ!こ、こんばんは!」

 

 

おそらくは心配性タイプであろう彼を、
キチンと安心させなければ

 

 

サバイバル大家

「夜分遅くにすいません。現状の状況だけお伝えしたくお電話しました。今よろしいでしょうか」

 

 

たどたどしい返事が聞こえたので話を続けた。

 

 

サバイバル大家

「はい、最初にヒサシさんの賃貸借契約書は管理会社とやりとり頂ければ大丈夫です。それとマキさんですが、本日昼に期間満了通知書をお送りしましたので契約期間満了である●月●日をもって退去いただく予定です。」

 

 

電話先でホッとした安堵の声が聞こえる

 

 

ヒサシ(30代の建設エンジニア入居者)

「そ、そうですか!でも、あと少しの期間ということですね。

最近はちゃんと部屋の鍵を鍵をかけているんですが、たまに

突然ドアノブを回す音がする

ので…あの人の足音が聞こえるといつも怖いんです」

 

 

 

 

また許可なく

 

 

ドア開けてんのかアイツ

 

 

ド●クエじゃないんだし!

 

 

住居侵入罪ですから!

 

 

 

サバイバル大家

「はい、色々とご不便をおかけし申し訳ありません。あと少しだけご辛抱ください」

 

 

厳密には退去するかの確約はないが、不安にさせても何もいいことはない

 

 

サバイバル大家

「以上が現状報告です。ただ、最後にヒサシさんに1点お願いがありまして」

 

 

電話越しに緊張感が高まるのを感じる

 

 

ヒサシ(30代の建設エンジニア入居者)

「え、え!な、なんでしょう!」

 

 

緊張感をほぐすように
一定のペースで柔らかに話をする

 

サバイバル大家

「はい、マキさんにスムーズに退去頂くことが…私にとってもヒサシさんにとっても重要です。

そのため、退去日までの間だけで構いませんので、マキさんの退去状況をお手間でない範囲で確認させて頂きたいのです。

私が直接確認すると色々と女性で感情的なものもありますので…お手数をおかけしますが」

 

期間満了通知書を受け取ったマキは、きっと感情的に不安定になるに違いない。

ゴネて居座ろうとするかもしれないし、さらにヒサシにストレスがかかるかもしれない。

 

 

ヒサシ(30代の建設エンジニア入居者)

「そ、そんなことであれば!も、もちろん!」

 

 

頻繁にヒサシとコミュニケーションできれば両方の状況を的確に把握できるはずだ。

 

 

サバイバル大家

「ありがとうございます。では、黒魔術女性の退去日まで2〜3日に1回ご連絡させて頂きますね。何かあれば、遠慮せず直接お電話でご報告頂けると幸いです。」

 

 

よし、これで入居者との共同戦線を展開する準備はできた。

 

 

(…翌日の夜)

 

 

ブーッ!ブーッ!(携帯)

 

マキ(素敵な香り20代エステ黒魔術女性入居者)の着信が攻殻機動隊2ndを見ている横で鳴り響く
…遂に戦いの火蓋は切って落とされようとしていた

 

しかし、この時は自分があれほど●●になれるなんて思いもしなかった。