最近ではサラリーマンが会社を買うということが話題になっているようです。

 実は私も話題になり始める前、まだサラリーマンをしていた頃に知人の親戚から(株式100%を)1円で引き取った工房を1年半後に250万円で売却していました。

 1円と言っても会社規模として見るとすさまじい赤字だったので運転資金が必要で、結局は70万円くらい投入しました。さりとて、70万円が1年半後に250万円という話を不動産投資に関わっている人にすると、「すごい利回りですね!」と言われます。人によっては「できれば自分も関わりたい」と。

 

 

 不動産はだいたいのことが見えている

 

 私の場合、先に企業投資、後から不動産投資という流れでした。会社員をしながら両方経験する人がいるとするならば、普通は逆なのではないかと思います。そんな逆パターンを経験した私からすると、自分がまだサラリーマンをしていたとして、本業に次ぐものとして不動産投資をしていたら、副業として企業買収・投資をすることはなかなかに考えにくいです。(本業にするなら別です)

 頭では分かっていましたが体感して改めて感じたのは、奪われる精神的シェアで考えると、事業・会社に比べたら不動産は格段に軽いです。自分がその場にいなくとも、起こりうるリスクの種類がかなり限られていることや、出ていくお金のかなりのことが見えていることが大きな違いです。

 サラリーマンをしながら会社を買い取っていた頃は、会議中や昼食中にLINEがピコンと入ってきて「どうにももがいていましたが、月末の資金が足りないです。明後日までに30万円用立ててもらえませんか?」など書いてあったりすると、それまで何をしていてどんな良い気分でいたとしても、いっきにズドンと気分が落ち込みます。

 さらにこの例で言えば、単にお金を入れればいいという話ではありません。「なぜ(普段から**と言っていたのに)そうしなかったのか」「今後はどうするか」ということをきっちり腹落ちしてもらわないと、いつまた再発するかとビクビクしなければなりません。加えて、後日ちゃんとやっているかを確認しなければなりません。人間はそう簡単には変わらないからです。

 百歩譲ってお金で済む問題ならばまだいいですが、悪質なクレーマーに絡まれているとか、キーマンが辞めると言っているとか、そうした問題が出ると一筋縄ではいきません。

 自分がその場で社長なりリーダーをやっていれば矢継ぎ早に何かをできるとしても、勤め先の部屋にいますので、深いやり取りは夜や休日になりますので、段々と疲れが溜まっていきます。

 

不動産には相場がある

 

 「そんなもの、問題ない会社を買えば楽できるからいいじゃないか」と思う方もいるかもしれません。ただそれは不動産と一緒で、良い会社は高いです。

 さらに、その高さの変動幅は、まだ相場が形成されていないだけに、不動産の比ではないです。

 そうなると、果たして自分にとっての適正価格はどうなのかを考えなければなりませんし、そこからさらに、相手は適正価格よりも上を求めてきますので、粘り強く交渉しなければなりません。そうこうしているうちに、「とにかくこの事業が欲しい」という人が現れて高値を付けると、あっさり取られます。餃子屋があった時に、趣味で餃子が好きというサラリーマンから見た価値と、事業に一ひねり欲しいと思っていたラーメン屋さんから見た価値とは、大きく異なるからです。

 この、買う(仕入?)の場面において、不動産投資に取り組んだ時には相場があることのありがたみをかなり感じました。

 

 私自身、投資ファンドのサラリーマンの本業として企業投資・買収をやっていた頃にはそれ自体が仕事でしたので、企業投資はとてもエキサイティングな仕事で、独立した今も同じようなことをしています。(そしてささやかな不動産収入が下支えしてくれていることのありがたみも実感しています)

 ただ、大企業に勤めていてお金に余裕があるサラリーマンの友人にお金の使い方として企業投資と不動産投資を相談された場合には、即答で不動産投資を薦めています。