こんにちは、元資産税課職員KSです。

今回の話は比較的新しい手法である多法人だの消費税還付だのといったスキームを絡めた話ではなく、使い古された手法ともいえる話です。
それでも実は身近にこんなにたくさん不動産凍死家がいたという怖い話でした。

私は転職を何度かしていますが、辞めた後に元同僚に実は賃貸経営をしていたという話をすると、相手から実は自分も不動産投資をしていて・・・という話を聞く機会が増えました。
そして業者にカモにされたと思える人が多くなり、つい先日も新たな事例を聞いてしまいました。

今回はそんな人達の話を書きますが、全員がそれなりに親しい人の話なのが失敗談としては悲しいところです。

ちなみに特にカモにされたと思えるケースが多いと感じた区分マンション投資についての話に絞って紹介しますが、決して賃貸経営で区分マンションを買うことを否定するつもりはありません。
ちゃんと戦略を持っていれば、購入対象はその人の考え方次第だとは思っています。

一人目 2000万円前後の大勝ち(税抜)

彼は自分でビギナーズラックだと言い切っていました。
大学の同級生が妻とともに高給取りで高い物件を買える状態で、どうやらいい場所、いい時期に区分マンションを買い、一昨年に売り切ったようです。

すごいのは

「勝ち逃げしたいからもう買わない!」

といって、いわば悟りを開いていたことです。
正直うらやましかったですが、友人が不幸な結果にならないで本当に良かったと思います。

二人目 300万円前後の勝ち(税抜)

彼は以前に勤めていた会社の同僚で、私がアパート経営をしてなんだか儲かっているらしいというのを知って不動産を始めようとし、手軽なところからと中古の区分マンションを買うことにしました。
キャピタルゲイン狙いなのかインカムゲイン狙いなのかでいうとインカムゲインだったようで、相談された時にその狙いであればそのような物件はおすすめはしないとアドバイスをしましたが結局は買っていました。

ただ、本人はその経験をもって不動産に対する知識を深め、次の物件としては区分ではなく集合住宅を買っていましたし、

「昨年ギリギリ売り時だったので、短期譲渡所得の税率になってしまうのはもったいないけど・・・」

とスパッと売り抜けることができました。
税金が馬鹿らしいとは言っていましたが、うまい取引だったと思います。

三人目~六人目 負動産を抱えているように思える

ここからが本題の、カモにされたと思えた人達です。
全員の共通項目として、

・転職や出世を通して高給取りとなり、一般的には社会的成功者とみなされる
・住まいとして比較的人気のある場所の新築区分マンションを買ったらしい
・事業としてどうかではなく、自分だったら住みたいかで判断したように思える
・2015年~2017年ぐらいに買い始め、一つで飽き足らず複数物件買った
キャッシュフローがトントン程度またはマイナス、さらに深く聞いてみると単純な家賃とローン返済だけの話でそんな状態に思えた人もいる
・あえていいますが30代独身のくせに「保険代わりになる」ということを言う
「節税にもなる」と言う

という傾向がありました。
不動産で嵌め込まれた人が聞いたというセールストークの噂を、実際にこんなに聞いてしまうのかと思いました。

そしてちょっと話を聞いただけで、心の中では以下のようなツッコミをいれまくっていました。

新築時の家賃でそのキャッシュフローって、、、
修繕積立金は毎月いくらなんだろう、売り逃げスタイルの設定だったら今後上がるけど、、、
原状回復の費用は見込んでないのか、、、
・(新築軽減が効いている面積なら)固定資産税は新築軽減が切れたら2倍近くになるけど、、、
・え、売り時について、「高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に」ってやつなの(銀○英雄伝説的な、要するに行き当たりばったり)、、、

そんなツッコミが頭の中にありながら、私の状態がどうなのかを聞かれた時にどういうキャッシュフローでどう費用を見込んでとかを答えたら、これ以上は質問をしないでくれみたいな空気になり強くアドバイスはできませんでした。

個人的には彼らはカモにされた負動産凍死家に見え、負動産をさっさと処分して手を引いた方がいいと思ったのですが、

「キャピタルゲインを狙った、株やFXとは比べられないほど大きなレバレッジをかけられる博打」

ととらえるならば何年か経った時の正解はわからないので、強く言えなかったという経験をしました。

市場や業者の養分にならないよう

こういった失敗例に対して、株で生計を立てている口の悪いデイトレーダーの知人が普段言っていることを総合すると、

「株だろうと不動産だろうと、市場にそういった養分が現れ続けてくれるおかげでおいしい餌にありつけるチャンスが出る人もいるし、嵌め込まれたと言っても欲ボケしなければいいだけの自己責任なんだよ」

ということです。
しかし、損した人と対面しないですむ株の世界ならともかく、身近な人達がそんな状態になっているのを聞くとそうも思っていられません。

もし買う前に相談してくれたなら自分なりの持てる知識の伝達とアドバイスはできたかもしれないものの、買った後に知ったものとしてはどうすれば良いのかが難しく、現状では結論が出ておりません。

また、自分自身の話としても、不動産業界でたまに現れるコミュニケーション能力に特化した営業が自分が弱い部分をついてセールストークをしてきても大丈夫かといいきれるかと思うと疑問なので、自分は大丈夫と思わず明日は我が身と思うべきなのかもしれません。

少なくとも私は

・「自分は正しい判断ができる」という根拠のない自信は持たない
・欲にまみれない

ことは注意できるようにしたいと思いました。

古典的な手法でも嵌め込まれる人たちはいなくならないとともに、これからもいろいろと新しい嵌め込みスキームは出続けると思います。