こんばんは!地主の婿養子大家です!

 

買い替え特例

 

今は売り時のピーク。。。リーマンショックから10年以上経過し、読者の中にもこの特例を活用される人がいると思って、今日はずっと前に書き上げていたクソ小難しいコラムをアップいたします。汗

 

今日のテーマは『事業用不動産の買換え特例における恩恵を深く考える!』です。

実は過去のコラムを読んでいない人がいたらアレなので、読んでいない人は、

2019年3月12日コラム『必見!?買い替え特例の用法』を必ず!お読みください。でないと頭ウニで終了となりますので。苦笑

尚、そのコラムでは間違えた記載をしたと後から追記を入れました。間違えたと思った部分は、

譲渡益(不動産譲渡所得)のうち繰り延べられた80%(エリアによっては70%・75%)に対する不動産譲渡取得税が『無くなる』という表現ですが、

これは買換え物件の簿価をそのまま圧縮することで、その税金の支払い義務は

一旦は無くなる

とも言えます。

それが結局どういう意味を持つのか?

今日の主眼はそこになります。

 

構成は、

1.私の例でしっかり計算してみた件

2.この特例を利用時の注意点!

3.どうなるのか追いかけてみた件

以上で書いてまいります!

 

皆様の(僕の)苦手な数字が一杯出てきますが、逃げずに追究したいと思いますので、どうぞ温かい目でご覧いただけますと幸いです。

 

 

特例の適用要件の概略は、

・一定期間内の買換え

※事業用資産の買換えの特例を受けるには、資産を譲渡した年か、その前年中あるいは譲渡した年の翌年中に買換資産を取得することが必要。

・10年を超えて保有

※売却した年の1月1日において計算

・個人も法人もオケ

・買換え物件の土地面積300㎡以上

・売却額以上の買換えで恩恵最大

・売却物件の土地の5倍の面積まで

最大で譲渡所得税の8割を繰延できる

・買換え後1年以内に事業の用に供する

などなど。詳しくはネット検索エンジン『事業用不動産買換え特例』へGOして下さい。

 

1.私の例でしっかり計算してみた件

僕より頭ウニな人の為に、超絶砕いた言い換えを⇒以下で書きながらにします!

<私の事例>

譲渡資産の譲渡額:23,000万円

⇒売買価額のこと

譲渡資産の取得費:18,000万円(土地及び減価償却後の建物価格の合計)

⇒売却時の簿価のこと

買換予定取得価額:23,000万円(11,500万円×2物件)

⇒買換えで購入する物件の購入額のこと

 

【買換資産取得簿価の計算】

※買換え資産の簿価のイメージ図

 

譲渡資産の取得費18,000万円×80%=14,400万円

⇒売却物件の売却時簿価に8掛けをする

 

買換額23,000万円-譲渡額23,000万円=差額0万円

⇒売却額より高い低いで面倒な計算が出てくるので、今回は同額買換えにします。尚、繰延べの恩恵を最大限活用するには、

買換物件購入額≧売却額

である必要があると思います。

 

譲渡資産の譲渡額23,000万円×20%=4,600万円

合計:19,000万

ネットで調べた結果、このようなややこしい計算式になっていますが、上図を参考に、単純計算をすれば、

譲渡不動産における(図の青い部分

不動産譲渡所得額は、

売却額23,000万円-取得額18,000万円=5,000万円

このうちの80%を繰延べするイメージだから、

5,000万円×80%=4,000万円

この4,000万円をもって

買換え物件の簿価を縮記帳しなければならないため

買換え資産の購入金額23,000万円-4,000万円=19,000万円

これが、

圧縮後の簿価

になるかと思います。

実際上のややこしい計算式の意味が理解できない程の頭しかございません!

 

【譲渡所得金額の計算】

収入金額:

譲渡資産の譲渡額×20%=23,000万円×20%=4,600万円

 

必要経費:

譲渡資産の取得費+譲渡費用(今回は便宜上なしで計算)×20%=18,000万円×20%=3,600万円

 

課税される譲渡所得金額:

4,600万円-3,600万円=1,000万円

⇒要は、不動産譲渡所得は23,000万円-18,000万円=5,000万円だから、その20%に対してだけ、今回は税金を納めればよいでしょ?と。

 

【不動産譲渡所得税の計算】

不動産譲渡所得税額:1,000万円×20.315%≒231万円

買換え特例を使わない場合:

5,000万円×20.315%=1157万円

 

【買換え特例による繰延メリット】

1,157万円-231万円=926万円

 

しかし!

ここで終わってはいけません!

 

忘れてはいけないのが、

 

この買い替え特例の

落とし穴

の確認ですね?

 

2.この特例を利用時の注意点!

現時点で私が思う、注意点は二つ

 

①買換え物件は購入時点から簿価が△圧縮記帳が入るので、その物件を売却したら、相当な確率で不動産譲渡所得税がかかる

むしろ!

不動産譲渡所得税がかからない売価で売却するとなると、

相当な損切案件になります!汗

 

これについて思うことが何点かあります。

※勿論、様々なハードルはありますが(汗)

■個人⇒法人への簿価売却(もしくは出来る限り簿価に近づけ売却)

■抱き合わせ売却:2+2=4だが1+3=4である。※ここでは多くは語れませんね

■持ち切りからの建て替え戦略

ここではこの辺にしておきます。

個人的に大事だと思っているのは、相続人(私でいう子供たち)までこの対策が続くような長丁場すぎると、むしろ相続人に迷惑になりかねない。

つまり、

自分の代で決着をつける

ことを前提に目標を定めたい。

 

②買換え物件の建物の簿価を圧縮する場合には、毎年の減価償却費も減少する。すると、所得税がアップするため、トータルで損をする可能性すらある

例えば、

23,000万円の買い替え物件を購入した場合の

土地・建物の金額を

土地簿価:13,000万円

建物簿価:10,000万円

と設定した場合、

1.土地のみ▲4,000万円圧縮する

2.土地建物を各▲2,000万円圧縮

3.建物のみ▲4,000万円圧縮する

 ⇒ 2 ⇒ 

の順に減価償却費が減少し、所得税がUPする

そして、

この

所得税UP合算が特例の譲渡税繰延額を超える時点まで

繰延べの恩恵を享受できるタイムリミットになってしまいます。

 

上の章で算出した譲渡税の繰延額は

926万円

この金額を念頭に、タイムリミットの確認が必要になる気がします。

 

ただし!

1.

の土地のみ▲4,000万円圧縮の場合は、

特例を使おうが使うまいが、減価償却費は変わりません。

つまり、

この振り分けが可能であれば

これが理想の振り分けかと。

ちなみに、この場合に、減価償却20年になるような築年の物件(RCで築25年、重鉄で築15年程度)で、

毎年の減価償却費は

10,000万円÷20年≒500万円

※定額法など正確な算出はしていません。

 

次は、

2.の半々の場合です。

建物簿価は

10,000万円-2,000万円=8,000万円

8,000万円÷20年≒400万円

 

最後に、

3.の建物のみ圧縮。

建物簿価は

10,000万円-2,000万円=6,000万円

6,000万円÷20年≒300万円

 

上から順に100万円ずつ減価償却費が減ります。

この意味は、

所得税率が

50%で年間50万円の所得税UP

40%で年間40万円の所得税UP

30%で年間30万円の所得税UP

を意味します。

 

ちなみに、義父の税率は現在は40%なので、

1.では変化ありませんが、

2.では年間40万円の所得税UP

3.では年間80万円の所得税UP

に直結します。

 

つまり、特例による繰延の恩恵926万円から逆算するに、

1.では問題ありませんが、

2.で減価償却しきった20年後では、

926万円-800万円=126万円

節税メリットになるだけです。

ここで更に注意なのは、

ここで言う、節税メリットとは、

繰延べによる時間を得るメリット

      と

126万円分の繰延べのメリット

があっただけのことです。

 

どういうことか?

 

この物件を売却した時には、減価償却に関わらず、繰り延べられた圧縮記帳分の土地への▲2,000万円は譲渡所得に乗っかってくる可能性が高いわけです。

 

簡単に言えば、

国からすれば、

・所得税を多く貰え

・将来的には譲渡所得税ガッツリ

で二度おいしいわけですね~。

 

3.は計算するまでもないですが、

毎年80万円所得税がUPするので、12年所有すれば、

その時点で

特例を使った方が損

をするわけです。

勿論、

時間を買う意味ではメリットがないわけではありませんが

イメージ1,000万円の税金を繰り延べることで12年間にその現金1,000万円をどれだけ増やせるのか?

という、勝負になります。

そして、やっぱり、

繰延べられた1,000万円の税金は譲渡所得税に上乗せされるため、

12年間に繰り延べられた現金1,000万円を使って2,000万円以上(12年間の所得税UP分約960万円と繰延べた1,000万円)儲けることが出来て初めてメリットがあることになる感じがします。

つまり、

特例を使う意味がないに等しい?(汗)

 

なるほど~。よくできた制度ですね。(国にとって)

先日のコラムの火災保険給付金の計上と同様に、

税理士丸投げで

うっかり、特例使って、税理士が建物へいっぱい圧縮記帳しようものなら???

OUT~!

と思ってよい気がします。

 

長くなりましたが、

私の事例で数字を並べてみましたが、

特例を活用し買換えをし、譲渡所得税の80%を繰り延べるなら、

圧縮記帳は土地のみへ!( ..)φメモメモ

これが、可能な物件でなければいけませんし、

それが、税法上許されなければいけませんね!

 

実は、この実践を今年2月に完了したわけですが、私の出した結論は、買い替え特例を使う購入案件でバルク購入し買換え特例を使う名義で、

土地だけを購入

しその上に第三者の法人名義で建物を保有する形をとることで、圧縮記帳される部分を土地のみにし、圧縮した簿価を将来売却時に言い方は悪いですが、

無くしてしまえるであろう

買い方をしました。

ここについては、

2022年2月2日『買替計画完了(泣):世代で異なる購入物件の特徴!!【1日目】』のシリーズで詳しく書いておりますのでコメントを含めてお読みいただきますと幸いです。汗

 

冒頭ではそろそろ買い替え特例を活用される人もいるだろうと読者の為に書いてます偽善者アピールしてましたが、実は、ある案件に買付を入れたのですが、売主が買い替え特例を活用するから買いが見つかるまで待って欲しいって言われてこのコラムをアップする事に決めました。涙

 

一言だけ叫ばせて下さい。

買換え戦略について無料コンサルするから頼むから俺に激安で売ってくれ!!笑

あわよくば僕の物件高値で売却もします。爆笑

 

本日もクソ長いコラムにお付き合いいただき本当にありがとうございました。m(__)m

 

冗談はさておき、凄く活用可能性の高い特例なので、頭の片隅に置いておいてください。ここで勉強を頑張っている読者のほとんどが10年長期保有、譲渡益に悩む局面はあると思うので。。。願