こんにちは、元資産税課職員KSです。

もうすぐ固定資産税額が決定する時期なので、名寄帳というものについて紹介してみたいと思います。

一応は知っている人は多いかもしれませんが、税額の詳細を把握するのに活用してみると良いかと思うので紹介します。

名寄帳とは

「名寄せ」という言葉はいろんな業界によって少し違った意味の処理名として使われていて、いくつか違ったものを知っていますが、どれも「名義」で「寄せる」というような、集約させる意味でだいたいは使われているかと思います。

固定資産税の世界でも「名寄せ」が行われた「帳簿」ということで「名寄帳」があり、つまるところ納税通知書が送られた時に同封される課税明細書とほぼ同じが見やすくなったものです。
納税通知書は所有者が同じであればわざわざ物件ごとに別々の封筒が来たりはせず、所有者ごとにまとめて送られてくるので名寄せが行われているわけです。

役所の仕事で課税明細書を無くしたということで問い合わせがきた時に、必要な背景を聞きながら代わりになるものとして評価証明書や公課証明書とともに名寄帳の案内をしたものです。

4月1日と縦覧・閲覧

固定資産税は毎年1月1日時点での状態を元に、3月31日までに決定されます。
その納税通知書が送付される詳細な時期は自治体によって異なり、4月や5月に送られことが多いかと思います。

そして課税情報が適正かということを納税者が確認するための情報開示制度として、固定資産課税台帳の縦覧・閲覧という制度があります。

これは意外に知られていない制度ですが、納税義務者であれば近隣の土地や家屋の評価額を名前はふせられた状態で確認できますし(縦覧帳簿の縦覧)、所有資産に対する税額等の詳細な内容が記載された名寄帳を納税通知書が届く前でも発行できます(課税台帳の閲覧)。

この制度は決定した課税情報が適正かを確認という意図のもので、4月1日から2か月ぐらい無料で利用可能です(それ以降は名寄帳の発行は費用がかかります)。

本来の意図では使われない縦覧・閲覧

課税情報が適正かということを納税者が確認するための情報開示制度と書いたものの、実際の使われ方は違うのが多いなと思いました。

一例として最近は少なくなったことではありますが、怪しげな業者が何らかの営利目的でかたっぱしから縦覧台帳を書き写すこと。。。
納税義務者でなければ縦覧は活用できませんが、少しでも固定資産を持っていれば縦覧できますし、委任状という手もあるのでハードルは低いです。

他の例としては、企業が会計情報として固定資産の価額に固定資産税上の評価額として名寄帳を活用することです。
地方公務員より前の仕事でERPの会計領域の仕事に関わった時にそんなことをしているとある企業に聞きましたが、役所側としては結構いろんな会社でやっているんだなと知りました。
納税通知書についてくる課税明細ではなく名寄帳を取り寄せる理由は忘れましたが。

おすすめの活用法

不動産賃貸業をやっているものとしては、本来の役割である納税情報が適正かということを納税者が確認するための情報開示制度としてこの制度を活用するのがおすすめです。

名寄帳を発行してもらった後に確認しながら、一言一句用語について質問したり、数字の根拠を納得がいくまで細かく質問しても全く問題ありません。

そんなことしたら職員に迷惑をかけてしまうと思ってしまうかもしれませんが、この時期はどうせ固定資産税に関わる職員はヒマな時期ですし、メインの対応者の隣で異動直後の人がサブ対応者として一緒に対応していることが多いので、基本的なことから質問することが結果的に異動者への教育になったりもします。
そもそも、まっとうな質問であればそれは仕事としてしっかり対応すべきですし、その時期は制度にかこつけて半日ぐらい話が脱線する名物さんがよくいるぐらいなので、理不尽なことをいったりしない限りはほとんどの職員は親切丁寧に対応してくれるはずです。

細かい評価額、補正、軽減などの根拠を聞いていくと、まれに課税ミスが見つかったりすることがあり、私がいたとこでは毎年縦覧・閲覧がきっかけで何らかの課税ミスなどの問題が発生していました。。。

名寄帳を深く理解するとともに、縦覧台帳を確認して自分の固定資産と近隣の固定資産との差を確認すると、評価額の妥当性についてなんとなく確認できるかもしれませんし、税についての理解が深まるでしょう。

ただし、役所が開いている平日昼間しか対応してくれなく、保有資産が複数の自治体にまたがっていると全部の資産について確認していくのが大変なのが難点です。
名寄帳をもらうだけであれば郵送でも可能です。

納税通知書の課税明細より名寄帳の方が圧倒的に資産情報が見やすく、スキャンもしやすい形をしているので、情報整理のために私は名寄帳を欲しいのですが、自治体ごとにもらわなければいけないのが面倒なところです。