こんばんは!FP大家です。

先日は、銀行目線で、審査に耐えられる債務償還年数を把握して、経営に役立てようというコラムでした。

本日は、銀行目線ではなく、債務償還年数を投資家がどのように考え、アクションを起こすかについてお話したいと思います。

投資家目線で、債務償還年数を役立てる。

債務償還年数は、全身全霊で返済した時に何年で債務を返済できるかの年数を示しています。

つまり、得られたCFで再投資をせず、全額返済に充当した場合に、何年かかるかということです。

これを賃貸経営に役立てようということです。

実は、①投資家の年齢や、②収益物件の築年数、③ローンの残存返済年数により、投資家ごとに適切な債務償還年数は異なります。

①の年齢ですが、債務償還年数と投資家の余命とを比較。相続対策で敢えて債務を残すケースや、どちらかというと債務を残さず資産を遺してあげたいケースに役立ちます。

②の築年数ですが、現在築30年の木造物件で融資を受け、債務償還年数30年だとすると、完済可能時点で築60年ですね。この実現可能性を検証し、運用と売却のタイミングを検討する際に役立ちます。

③のローン残存返済年数ですが、債務償還年数とローン残存返済年数とを比較。ローン残存返済年数の方が短い場合、約定完済は厳しいということになりますので、家計を含めたコスト構造の見直しを考えるのに役立ちます。

上記のような個別要因ないしこれらの複合的な要因で、投資家毎に適正な債務償還年数があるということです。

 

 

債務償還年数の弱点

この指標にはいくつかの弱点があります。

【内部環境面】

債務償還年数は、年度によってバラツキやすいのです。

①例えば、修繕費を大きく計上して営業CFが減少した場合。もし利益が半減すると、債務償還年数は2倍になります。

中にはバリューアップの修繕。資産計上すべき支出かもしれませんが、なるだけ修繕費の括りで今期の経費にしたいとか、いろいろあると思いますが、そういうことをすると営業CFは減少し、債務償還年数は大きく悪化するのです。

②物件購入も一時的にCF悪化に繋がります。例えば、決算月にお金を借りて物件を買うと、家賃収入は1か月しか計上されないにも関わらず、借入残高は1棟分増加し、債務償還年数は悪化します。

この場合、翌年の実績を見て次の融資を受けるなんてケースも散見されます。

③減価償却費の取り方もありますね。償却が終了して税金が増えるデッドクロスも、営業CFの減少要因になります。

このように、債務償還年数は内部要因でバラツキます。バラつくことを考慮に入れて戦略を立てたいところです。

【外部環境面】

債務償還年数は現時点の最大瞬間風速に過ぎないという点です。

①新築アパートの乱等による競争激化での家賃の減少。もしくは、経年による家賃の減少です。現状の営業CFは翌年以降減少していくのが通常です。

②また、景気が悪くなったり、上司とそりが合わずに転職して給与収入が減少すれば、りーまんCFが減少し、債務償還年数が長期化します。

③外部環境とまではいえませんが、親の介護費用の増加や、子どもの教育費増加などの生計費の増加も、CFを減少させる要因になり債務償還年数は長期化します。

つまり、今年の債務償還年数が「正常先」だからといって、来年もと安易に考え、油断することができないのです。

 

債務償還年数とわたし。

上記の点から、私は債務償還年数は参考程度にしています。決算期時点の体温計みたいなものです。

債務償還年数が短いから成功していると考えてはいけません。

今年の確定申告で債務償還年数を計算して私が思うことは、

レバレッジをいつまで保有しないといけないのか。

そして、この保有期間中コントロールできるのか。

自分のモチベーションは続くのかということです^_^;

債務償還年数が10年ならば、うまくいけば10年後には実質無借金になれるということになりますが、再投資していないので相当物件は痛んでいるはずで、長期的な事業とはいえません。

長期的な視点で、物件の入れ替えなどで今後ローンを使えば、債務償還年数は長くなるでしょう。

そうなるともっと長い期間レバレッジとお付き合いすることになります。

自分の今の年齢と、サラリーマンの年収が下がる時期と。子どもの教育費が増える時期と。

そういうことを考えながら、平成最後の確定申告書を眺めております。

本日もお読みいただき、ありがとうございます!