社会的な話題となっているスルガ銀行のシェアハウス融資トラブル。これは、シェアハウス投資をサブリース契約にて行った不動産オーナーが渦中にあるトラブルです。このような事態もあり、国土交通省は2018年10月26日、消費者庁・金融庁と連携して「サブリース契約に関する注意喚起」を公表しました。社会的にも、「サブリース契約を結ぶ際は、信頼できる事業者をきちんと選定すべきである」という風潮が高まってきているといえるでしょう。ここでは、サブリースにおけるトラブル事例やサブリース契約を結ぶ際のチェックポイントを紹介します。

1.事業者によっては、トラブルのリスクも

「知識がなくとも賃貸経営をする事ができる」「賃借人に対しての対応は全てサブリース事業者が行う」「空室分の賃料も保証され支払われる」など、不動産オーナーにとってはメリットの多いサブリース。しかし、事業者のサブリース業務に対する姿勢によっては、トラブルが発生するケースも少なくありません。

2.サブリーストラブルの類型

サブリースに関するトラブルは、次にように類型化することができます。

①勧誘に関するもの

例えば、「母に対してアパートの建て替えと“一括借り上げをするのでアパートを経営しないか”と何度断っても勧誘される」「祖母に相続税対策としてアパートを建てるようしつこく勧誘してくる」というものがあります。

②費用負担等の契約内容に関するもの

例えば、「12年前に建設業者に勧誘されてアパートを建てたことに始まり、一括借り上げ、特約システム等次々に契約や費用負担を強いられる」「シェアハウス一棟の建築契約とサブリース契約を締結したが、契約時の約束と異なる」というものがあり、中には「入居者が退去して空室が発生する度に、1~3ヶ月の免責期間を設ける」という事業者も報告されています。

③家賃の減額に関するもの

例えば、「サブリース契約を締結したが、納得のいく説明がないまま家賃保証額を下げられた」「両親が建てた賃貸アパートの賃料をサブリース会社が下げると言っており、ローンの返済も困難になっている」というものがあります。

④事業者の対応に関するもの

例えば、「アパート一棟を建てないかと誘われ土地購入と建物建築契約を締結、ローンも実行されたが事業者と連絡が取れなくなった」というものがあります。

3.主なトラブルは契約に関するもの

サブリースをめぐるトラブルの主なものは、その契約内容に起因するものです。ここで、サブリース契約に関するトラブル事例を紹介します。

-交換条件が出された家賃減額交渉-

千葉県在住、50代の不動産オーナーであるA氏はアパート建築費込みのサブリース契約をサブリース事業者B社と契約。この段階でアパート建築費のローンを組むことになるが、家賃保証により確実に一定の賃料が入ってくるため、返済の心配のなくサブリース契約による賃貸経営を開始しました。しかし、契約から10年目、B社との契約更新時にトラブルが発生します。B社がたびたび発生する空室期間の存在を理由に、A氏に支払う賃料を減額したいと請求してきたのです。この段階でローンの残債は4,800万円ほどあり、賃料が減額されてしまえばローンの返済がおぼつかなくなってしまいます。「一定の賃料を支払ってくれることを条件にサブリース契約を結んだのに、その額が変更されるのはおかしい」とA氏がB社に訴えると、B社は「光熱費の削減のために太陽光発電設備を設置すれば減額はしない」と交渉を持ちかけてきました。実はこのタイミングで、B社は太陽光発電事業を開始していたのです。

<トラブルの顛末>

A氏はサブリース契約に詳しいC社に相談。C社のアドバイスによって、A氏は太陽光パネル設置に関する合い見積もりをとりました。結果、他社の太陽光パネルは20~30%程度安いということが分かり、A氏はB社に対する太陽光パネルの値引き交渉を成功させ、家賃減額請求もなくすことができました。

4.サブリース契約のチェックポイント

ここで紹介したようなトラブルにならないために。不動産オーナーのサブリースにおける契約書のチェックポイントは次になります。

①免責期間

入居者がすぐに決まらないことを考慮して賃料金支払いを猶予する「免責期間」は妥当か。

②建物管理

清掃、保守などの管理方針はどうなっているのか。

③解約条項

契約途中に解約する際の条件はどのように記載されているか。

④条件変更

期間中にサブリース会社からの賃料の減額請求があった場合の対応について。

⑤修繕・リフォーム

建物の修繕金額の決定手順や原状回復の取扱はどうなっているのか。