おはようございます。!FP大家です。

4月に入ると、上場企業の業績が新聞紙上を賑わせますね。

株式投資をする場合、基本的に私はCF計算書を概観します。

CF計算書は、営業CF±投資CF±財務CF=1年間の現金の増加額という構成になっています。

先日までの債務償還年数のコラムは、あまりウケないのですが^_^;、ウケないヤツをもう一発ぶち込みたいと思います!

 

キャッシュフロー計算書から見る、使ってよい現金とは?

債務償還年数を簡単に示しますと、借入金残高÷1年間の営業CF=年数です。この分母となる営業CFは、キャッシュフロー計算書で示される3つに分類されたCFの内の「営業CF」と同義であり、本業のキャッシュ獲得能力を示しています。

具体的に、キャッシュフロー計算書のCFは端的に、以下のような感じです。

営業CFは、本業で得られる現金です。(債務償還年数の分母)

投資CFは、設備投資や設備売却で増減する現金です。

財務CFは、借入の増加や、借入の返済により増減する現金です。

債務償還年数は、本業で得られた営業CFで借金を完済するのに、最短で何年かを示しています。

営業CFのプラス(儲け)を、財務CFのマイナス(返済)に使いきるということになります。

一般的に企業は、本業で得たCFで将来の利益に繋がる設備投資を行い、その残りが自由に使えるお金になります。この考え方を端的に示したものがFCF(フリーキャッシュフロー)です。つまり、営業CF±投資CF=FCFです。

このFCFが、本来の債務の返済原資であったり、株主への配当余力であります。

そのため、設備更新をせず、営業CFを全額借金の返済に充ててしまう債務償還年数は、返済能力を数値化するオーソドックスな指標ですが、示される年数は現実的な完済可能年数とはいえません。

事業を継続するために必要な再投資を実施し、その上で余った現預金こそが、債権者への返済あるいは投資家への配当にまわすことができるということです。

事業というのは、「問題児」の事業がやがて「花形」になり、提供コストが下がると「金の成る木」になり、そこに依存し続けると最後は負け「負け犬」になります。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの考え方ですが、企業は本業の「金の成る木」で得た営業CFを、問題児の新事業に投下することで外部環境と内部環境の変化への適合性を得ます。

理想的なCFの使い方は、営業CF(儲け)を投資CF(再投資)に使い、その差し引きであるFCFを財務CF(返済)に使うという流れになります。

ちなみに、破綻する企業や個人は、営業CFのマイナス(損失)を財務CFのプラス(借入)で賄い、延命しようとします。

CF計算書はそんな台所事情であるマネーの動きを端的に示した「現時点の実力」です。嘘がつけませんね。

CF計算書から視点を貸借対照表に移すと、そのようにして増加した借入金残高が貸し方に計上されることになります。そして、その借金が何に使われたかは、借り方の資産勘定の膨らんだ勘定科目に着目すると分かるものです。

それが、棚卸資産か、売掛金か、固定資産か。その企業が語らない隠れた問題点や課題、または弱点を見つけ、融資判断や投資判断することになります。

私の仕事では、財務諸表を見た上で、企業を実査しています。

小売業や卸売業で棚卸資産の金額が大きい場合、倉庫に行けば真相が掴めます。商品価値のない在庫があったり、商品そのものが無かったり。。

財務諸表は、業態が映す影。影を見ることで業態のイメージを持ち、実際に訪問した時に得られる違和感を大切にしています。

少し話が脱線しました。。。

 

キャッシュフローの使い道が、事業の持続可能性を決める。

話が脱線しましたが、債務償還年数の分母である営業CFは、キャッシュフロー計算書の「営業活動によるキャッシュフロー」と同義です。

そして、債務償還年数は投資CF(再投資)を度外視している点が指標としての弱点かと思います。

その弱点故に、築古の不動産で得られる営業CFは疑問を持たざるを得ません。築古は、将来の大規模修繕といった再投資(▲投資CF)が不可欠なので、現状の債務償還年数で将来的な返済能力を測定することはとても難しいです。

そこに、金融機関ごとの解釈の違いがあるようです。(スルガ銀行の引受先に近隣の地銀が手を上げない理由が、ここにあるとか、ないとか)

ところで、融資をするには、債務超過でないという点よりも、返済能力があるかの点の方が重要です。

理由は、資産超過(=債務超過ではないこと)だから融資するというのは、資産を売却すれば返済できるということですが、これは本来の融資の在り方ではありません。

営業CFで返済できることがより重要ということです。

もし、資産売却で返済させるとしたら、極論を言えば債務者を潰して任売か競売で回収することを肯定していることになりかねません。

資産は沢山あるけど、返済財源がないというパターンが、稟議しづらいものです。分かりやすい例は、更地へのローン付けでしょうか。

ストックとしての価値はありますが、フローがないので返済財源の画が書けないというやつです。

営業CFを枯渇させず、つまりフローを絶やさないことが、事業資金としてプロパー融資を引き出すポイントということでしょう。

フローを絶やさないためには、再投資が必要。その再投資がちゃんと回収できるかの判断が、更に重要。

不動産投資家のコアな実力というのは、そのあたりに出るのかと思います。

 

 

本日もお読みいただき、ありがとうございます!