さて、今回は、前々回の訳アリ高利回り物件の続きです。

 前々回のコラム掲載時点では、知り合いのBさんはその訳アリ物件をまだ購入する前でした。その後、Bさんと会う機会があったので、まだ間に合うと思って改めてBさんに、本当に購入するのかを問いかけてみました。

 

契約書案の見直し

 Bさんも少しは気にしてたらしく、売買契約書案を見せてくれました。

 

 そこで、契約書案を読んでいくと気付くことは多々あり。そのまま最後の特約条項までいくと、建物の問題点がズラッと記載されています。

 

 例えば以下の通り。

「土台部分のひび割れ、基礎部分の一部の著しいひび割れ・劣化、一部の柱の傾き、XXX号の床面の傾き・・・から、建物の構造耐力上主要な部分が基礎的な体力性能を有していない可能性アリ。」

「シロアリ被害が1階の各部屋フロ下中心に広がっている可能性アリ。」

「屋根・壁面の破損部からの水漏れが確認され、その被害は建物各部に及んでいる可能性アリ。」

 そして、最後に「売り主は買い主に対して、これらの瑕疵担保責任を負わないことを合意しました。」としっかり。当然でしょうね(*_*)。

 

 むろん、一番気になっている間口を確認しました。これが無ければ、訳アリ物件とまでは言ってないかも。

 重要事項説明書にはもちろん、この物件は間口70cm未満であって接道義務を満たしているものではないので、建替えや増改築といった再建築不可について記載してあります。

 

 この間口は現地で確認しましたが、やはり狭すぎ~(◞‸◟)。

 パッと見では、物件の敷地は、位置指定道路の一番奥の先端隅部と接しています。その位置指定道路は道路幅4.5m程から奥に2m弱進む間に先細りになっていき、最後に幅が0.7m弱となります。この幅0.7m弱と物件の敷地とが接している訳です。

 

 狭い!廃棄物の搬出・資材の搬入がどれ程大変か!人海戦術しかない(どれだけ修繕費割増しになるのか?)。

 

通行の承諾?

 さらに、契約書案をよく見ると利用条件の欄に、

 「私道の通行、上下水道およびガス配管の敷設のための私道部分の堀削については私道所有者の承諾を必要とする。なお私道の通行、上下水道およびガス管の敷設のための私道部分の堀削について、私道所有者の同意は取得していない。」ってあるじゃないですか?

 

 エッ!(‘Д’)

 

 と言っても、この私道(位置指定道路)は、これまでの経緯から日常生活に必要な範囲で通行する権利は認められているでしょうけど・・・。

 

 嫌な予感しかない。

 

 契約書に「私道の通行は私道所有者(不動産屋さん)の承諾が必要!」とハッキリ明記している状態。

 

 状況的に修繕工事が必須!そのためには、私道を通って、廃棄物、資材、機器を運ぶことになる。しかも間口が狭いため人海戦術の可能性大で、その修繕は延び延びになるかもしれない。その修繕って日常生活に必要な範囲で済むのか?

 

 そもそもお隣の敷地を一部使わしてもらえるなら、こんな問題も無いものの、お隣もこの物件を狙っている関係であからさまに非協力的な態度!その可能性はすでに無し!そんな関係のお隣が大人しく黙っているか?

 

 そこに契約書の「通行の承諾」と明記!考え過ぎかもしれないが、もしお隣ともめることでもあって裁判沙汰ともなれば非常に好ましくない。もめ事になれば、工事もその影響で延び延びになってコストがさらにUP?

 

 Bさんは「ボロボロなのはわかっている。補強して間に合わせればいい。」の一点張りだから、「瑕疵担保責任の免責を指摘する必要なし!」は当然。でも、「私道の通行の承諾」と明記していることをどう考えている?

 

 そこでBさんに訊いてみると、「え?そんなこと、書いてあるか?」。

 

 「ほらここに、書いてありますよ。」

 

 沈黙・・・。

 

助っ人登場!

 

 と、そこに、共通の知り合い業者Yさんが登場!Goodタイミング!

 

 Yさん;「例の物件、気になって見てきましたよ!知ってる物件でしたよ。」

そして、コソッとこちらに耳打ち!「物件購入を止めに来ました。ありゃ、あかんわ。」

 

 やっぱり、そう思うよね。

 

 そしてBさんに、物件状況および想定される修繕費を説明し、買値が安くてもトータルでは、とんでもない金食い虫になると主張。さらに、今、購入を急ぐ必要はない。同金額ならイイ物件を探せば出て来ると。Yさんって何ていい業者なんだ(^^)/!

 

 でもBさん、全然聞く耳なし。最後にはYさんも「買う気満々ですやん!」と諦めモード。ああ、やっぱり。

 

 ただ、(わざわざ来て忠告してくれる、こんな業者さんっている?)と密かに感動!これが今回の最大の収穫かも!!!

 

 そして、Yさんに先ほどの「私道通行の承諾」の話を伝えました。

 

 するとYさん、「うわぁ~、そりゃ、しんどい。Bさん、それは気分的にキツイわ!」

 

 さらに、こちらから、「Bさん、この私道の件、しっかり押さえとかないと、先々隣と揉めた時に不利ですよ。この利用条件の文言は削除・修正できるか確認しようよ!」(もし削除・修正しないなら契約中止を促そう!)と話してみる。

 

電話交渉

 Bさん;「確かになあ・・。分かった。連絡してみるわ!」と早速、スマホで仲介に連絡。早っ!その旨を伝えると、「え、できない。なんでや?」。やっぱり相手が一枚上手?何か、うまく逃げられそう。

 

 まあこれも成り行きかと思いながら、Bさんに、「ちょっと、電話代わろうか!」と言ってやや強引に電話を代わってもらい、利用条件の「私道通行」部分について削除・修正の必要性を相手側にトクトクと説明。

 

 「これができなければ、修繕工事に支障が出てBさんの契約目的が達成されないのだから、これ以上、話を進めるのは難しいんじゃないかな!

 そもそも、そっちで何かあったら責任を取る話でもないでしょう?

 ちょっと売り手さんにその旨話してみては?」

などと伝えてみました。

 

 結局、売り手側が了解してその箇所を削除・修正することになりました。Bさんも「よしよし。」と納得。

 

 Yさんは「Bさんが身内やったら絶対止めさせるけど。」とボヤキながら、

 「まあ、修繕のことを考えれば、気分的にはちょっとはマシかなあ。」と言った感じ。

 こちらも、たまたまの成り行きとは言え、気持ちは同じ。

 

 その後、「まずは屋根や外壁からの水漏れ対策から始めることになるな。」「あのまま瓦では重いからスレートでしょうね。」などと話してその日は終了。

 

 数日後、契約締結。Bさんも喜んでいるし、もちろん仲介業者も売り手側も喜んでいるでしょう。

 

 今後、訳アリ高利回り物件が、実は訳アリ低利回り未満物件だったと言う話を聞くことなりそうだな((+_+))と思いながら、Yさんが行う修繕に興味があるのでその工程を時々見に行くつもりです。

 

 しかし条件が悪くてもそのまま受け入れず何かできることを探すのって大事ですね。特に契約書なんて(メンドーって気持ちを抑えながら)何回読んで確認してもやり過ぎることはないなと思います。

 

 また、今の市況がこのような買い手によって支えられているなら、その投資結果が見えてくる(受け入れる)のは先でしょうから、まだまだ状況は変わらない。そこに、しびれを切らした新たな買い手が出て買い支えるのかなと考えてしまいます(ある意味、競争がどんどんシビアになっていく中で、もし良い条件の物件を見つけたら急がないといけませんね(^^♪)。

 

 次回もよろしくお願いします。