3.私の防衛ライン -建築需要が得られる物件の見極め方-
前回のコラムで、売却損が大きく発生しない物件(土地)の見極め方として、私は収益商品としての視点ではなく、建築需要が広く得られる物件か否かで判断すべきで、その詳細は下記であると申し上げました。

 ・長期的に人気のある土地か
 ・100㎡(30坪)以上の広さがあるか
 ・間口が8.2m(4間半)以上あるか

今回は、これらについて細かくみていきたいと思います。

(1)長期的に人気のある土地か?
これは、言われてみれば当然のことと思います。
よって、日本では都心が最高の立地かと思いますが、私は土地勘のない場所を購入することにどうしてもためらいがあります。
普段の生活の中で、解体や新築、人通り、車両通行量、夜間の様子などを目にし、それを何年も肌で感じてきた場所でないと、どこか不安が残るのです。
そして、私が購入を検討する土地は、結果的には繁華街かその近隣のみが多数です。


つまり、繁華街やその近隣の土地であれば、その都市がどんなに衰退しようとも最後まで残ると踏んでおります。

地方では、自動車社会により郊外に人気が移っている都市もありますが、今後、人口減少が進み、自治体の財政が厳しくなった際には、公共インフラの整備は選択と集中が実施され、再開発なども繁華街、言いかえれば、商業地域を中心に形成されていくものと考えます。
よって、私は郊外で人気を得ているエリアには敢えて手を出さず、少し閑散としていても繁華街を中心に検討を重ねています。

(2)100㎡以上の広さがあるか?/
間口が8.2m以上あるか?
この2点は、言いかえれば「最低限、住宅が建てられるか?」という基準です。
つまり、土地の広さが100㎡(30坪)以上あり、間口が8.2m(4間半)以上あれば、住宅は自由設計が可能となり、テナントビルや事務所・店舗なども建築可能となるため、世のほとんどの土地需要を網羅できると考えます(ただし、土地の形状は正方形か長方形であることが重要です)。
よって、私は土地面積100㎡以上、間口8.2m以上を購入か否かの判断基準としています。

ただ、そうは言っても立地が良くなればなるほど、このような土地に巡り合うことが少ないのが現実です。
そんな時、私は事情を正直に説明し、ハウスメーカーや建築士事務所に下記のような設計図を描いてもらいます

そして、設計が厳しい場合には絶対に買いませんし、設計が可能であったとしても土地の形状により建築費が膨れ上がる場合には深く検討いたします。

価格が4千万円以上となる住宅はそれを購入できる層も高額所得者等に限られてくる。
しかし、彼ら・彼女らは住宅に対して逆にお金に糸目をつけない傾向を有するため、
形状や広さに不足がある土地は、建物代を含めて費用を4千万円以内に抑えられなければ
需要は非常に限られたものになると推測する。

また何より、その設計された家に住みたいと思えるか、その事務所や店舗で仕事がしたい・寄ってみたいと思えるか否かが一番の判断基準です。

 

4.出口を徹底管理することで不動産投資を楽しもう
上記の「建築需要を広く得られる3つの基準」が全て満たされれば、地価(取引価格)は、数ヶ月から数年のトレンドで実質価格に対して上下に振れるものの、結局は固定資産評価額を0.7で割り戻した金額を軸に推移していくものと考えます。

よって、怖いのは固定資産評価額の大幅な下落であり、しかし、その下落分をしっかりと賃料収入の積み立てからカバーできるのであれば、将来の売却時において「購入価格+賃料収入の積立分-売却価格」に損失は発生しないと私は考えます。
むしろ、収益商品などとして売ることができ、固定資産評価額を0.7で割り戻した金額よりも売却金額が大きくなるのであれば、それはありがたい利益で、しかし、それゆえに売り時に一喜一憂するのではなく、長期的な視点で不動産市場の盛衰をゆっくりと感じていくことも重要であると私は考えています。

この度の出口に対する私の考え方が、皆さんの投資活動に少しでもお役に立ちましたら幸いに存じます。