みな様、根本伸之のコラムをお読みいただき誠にありがとうございます。

 既に大家さんになっているみなさんは、不動産賃貸事業の経営者としてどのような指標を定期的にチェックしていますでしょうか?

もちろんキャッシュフローについては定期的にチェックしているとは思いますが、その他にもチェックすべき指標があります。

不動産投資家が見るべき重要な指標

 筆者は、不動産事業の経営者としてさまざまな数字を定期的にチェックしています。それはキャッシュフローだけではありません。例えば、当月の不動産融資の残高の合計、所有金融資産、不動産簿価、不動産積算値、純資産、自己資本比率などです。

 不動産を始めた当初から、毎月ほぼ決まった日に記録をとり、EXCELを使って記録しており、当時に比べてどれくらいの変化が起きているかもチェックしています。

 どの指標も重要ですが、みなさんにお勧めしたいチェックすべき指標について記事にします。

 本コラムの指標を定期的にチェックすることによって、「不動産投資で破たんする確率がほぼ0%になる時期」が分かります

 不動産投資による破たんは、ローンが支払えなくなった時でかつ、物件を売却してもローン残債を返済しきれないときに発生するものと考えます。

 ローンが全額支払い終わった時期以降(例えば、30年ローンなら30年後)になると絶対に破たんは起きませんよね。

 でも、実は、多くの場合には、ローン完済前に「破たんする確率がほぼ0%になる時期」が来るのです。

これを知る上で必要な数字について示します。

1.借入金残高の合計とその減り具合  
 複数物件を所有する投資家さんは、全借入金額の合計です。   

2.所有する不動産の価値(積算と簿価)の合計とその減り具合。
 所有する不動産の価値は、実際には売値で算出するほうが良いのかもしれませんが、売りに出さなければわからないので、毎月チェックするのは無理があります。そこで出てくるのが積算値と簿価です。これらは比較的簡単です。
 簿価は、土地価格は購入時から変化なしで、建物価格が毎月減価償却分減っていきます。
 積算値は、土地価格は路線価を用いて、建物価格は、構造と法定耐用年数および再建築価格を用いて計算します。(ここでは実際の計算方法については割愛します)

真の意味での自分の所有物になっている価値が分かる。

 さて、この2つの数字が計算できたら、EXCELを用いて、今後毎月(毎年)どのように変化していくのかが分かるようにしましょう。

 その上で以下の計算をして見ましょう。それは、所有不動産の価値と借金残高の差です

 重要な指標 = 所有する全不動産の価値 - 全借金残高

 誤解を恐れずイメージで言えば、仮に撤退した場合の手残り価値です。
 別の言い方をすると、ローンを使って購入した収益不動産が真の意味で自分の所有物になっている部分の価値(金額)といえます。

 なお、全不動産の価値については、積算値を使った場合と簿価を使った場合の2種類ですが、積算値版を使って計算した際のこの重要な指標は、物件を叩き売った場合の手残り価値と考え、簿価で計算した際は、金融機関が投資家を評価する際の不動産の資産価値と考えることができます。

 この数字(需要な指標)がプラスであれば、全不動産を売却し全借金を返済した場合に手元にお金が残ります。逆にマイナスの場合には、撤退するとお金を支払わなければなりません。

キャッシュフローから貯蓄するべき金額が分かる

 そして、併せて重要なのがこの数字の減り具合(増え具合)です。

 もし、毎月(毎年)この重要な指標が減っている場合は、純資産が目減りしていることを示します。その投資家は、その減っている分だけの現金を家賃収入から貯蓄することで純資産の目減りを防ぐことができます。

 逆に増えている人は、キャッシュフローを全額使ってしまっても毎年純資産が増えていくので大きな問題にはなりません。

破たんする確率がほぼ0%になる時期が分かる

 この需要な指標は当初はマイナスであっても、ある時期が来ればプラスに転じます。EXCELで将来予測を管理するとその時期が分かります。

 積算版でこの重要な指標を計算してプラスになるということは、全物件を叩き売って借金を返済してもお金が余るということになるのです。
 この状態になると不動産投資で破たんすることはまずないと言えるでしょう。完全に安全圏に入ったと考えて問題ありません

 その時期まであと何年必要か知っておくことは非常に重要であると考えます。逆に言うとその時期が来るまではあまり無茶な散財などせずに家賃収入を貯蓄(または投資)していくことで堅実な経営ができます。

 ちなみに筆者の場合、まだ最長で約28年のローンが残っていますが、積算版でこの重要な指標がプラスに転じるのは約8年後です。
 8年後には全物件を叩き売って撤退しても、お金が残ります。

それまでは、あまり贅沢せずに貯蓄や投資に励みたいと考えています。

最後までお読みいただき誠にありがとうございます。

根本 伸之