楽待実践コラムをご覧の皆様、元ポスドク理系大家です。

前回のつづき

今回のコラムは、前回お話した業者面談時にコンサルタントさんが紙(前回のコラムをお読みください)に書いて説明してくれた内容について読み解きたいと思います。もちろん、当時は略語の意味すら分からず、慌ててそのコンサルタントさんが書かれている本を読みました(笑)

 

まず、略語ですが、CPM(Certified Property Manager=米国公認不動産経営管理士)の資格を持っている方が良く使うものです。読者の中には、釈迦に説法の方もいらっしゃると思いますが、復習だと思ってお付き合いください。

 

紙にかかれているものだけ取り上げると、

 

E (Equity) 自己資本
GPI (Gross Potential Income) 潜在総収入
OPEX (Operating Expense) 運営費(運営経費率)
NOI (Net Operating Income) 営業純利益
ADS (Annual Debt Service) 年間返済額
CF (Cash Flow) キャッシュフロー
K% (Loan Constant) ローン定数
FCR (Free and Clear Return) 実質利回り
DCR (Debt Coverage Ratio) 負債支払安全率
CCR (Cash on Cash Return) 自己資金利回り

 

となります。日本語訳は、絶対的なものではなく多少異なる場合がありますが、
重要なのは、もちろん用語そのものではなくそこに入れるべき数字ですね。
コンサルタントさんが示した数字を入れてみます。

Loan Constant を K% と略す理由はよく分かりませんでした。ご存知の方は教えてください💧一応、私なりの解釈はありますが、自信はないです。

業者説明の投資指標を計算してみる

右側から行きます。E は、手元の自己資金から入れる頭金ですね。特に説明不要ですね。

 

E = 160 万円

 

次に購入総コストは諸費用と物件価格で 880 万円となっています。諸費用が物件価格の10% で済むのか甚だ疑問ですが、ここではそいうものとして飲み込んでおきます(笑)。

実質利回り FCR が 5.2% の区分を購入するという想定なので、儲けに相当する NOI は

 

NOI = 880 × 0.052 = 45.76 万円

 

となります。ここでは簡単のため 45 万円としているようです。年間返済額 ADS は、720 万円を金利 2.5% で30 年で借り入れるので、元利均等返済で考えると、

 

ADS = 34.14 万円

 

となります。ここも簡単のため 34 万円とし、キャッシュフロー CF を計算すると

CF = NOI − ADS = 11 万円

 

となります。ローン定数は年間返済額を借り入れ額で割り算したものなので、

 

K% = 34 ÷ 720 = 4.7%

 

と計算されます。自己資金利回り CCR は、160 万円の自己資金とキャッシュフローから

 

CCR = 11 ÷ 160 = 6.8%

 

と求められます。負債支払安全率 DCR は、儲けを年間支払い額で割り算して

 

DCR = 45 ÷ 34 = 1.32

 

となりました。一般にレバレッジが効いているというのは、

 

K% < FCR < CCR

 

の状態のことを言いますので、このケースではレバレッジが効いていることに
なります。また、儲けが変わらなければ金利が上がって、返済額が 1.3 倍に
なっても儲けから負債を返せることが分かります。この計算上は。

 

次に左側ですが、これは 22 戸分の想定です。儲けである NOI は、空室率と
運営経費率 OPEX から

 

6 万/戸 × 22 戸 × 12 ×(100 − 空室率)×(100−運営経費率)

 

と計算できて 1200 万円となります。先程は、実質利回りから儲けを計算してい
ましたが、こちらでは空室率と運営経費から計算しています。

 

年間返済額 ADS は、ここでは 22 戸分を一度に全額借りたとして計算して 920 万円となっているようです。乱暴な計算ですね。キャッシュフローは先程と同じように計算できるので省略します。まあ、好意的に解釈すれば、この計算は 22 戸も購入するのは大変だと言うためのものなので、適当なのでしょう。

ここからが大事です。

 

投資シミュレーションは、これでメデタシメデタシでしょうか?

 

当時の私は勉強不足で、指標を自分で計算できてそれで満足していました。今思うとアホですね。

 

この計算の問題点

22 戸分の乱暴な計算は論外なので無視します。

 

まず、計算した結果として求まるはずの実質利回りを入力値にしてしまっていることが大きな問題です。今回ケースでは不動産投資の儲けの仕組みを簡単に説明するためのものですので、そのようにしたものと考えられますが、投資分析ではインプットとアウトプットの関係を逆にして見せかけの利回りを演出しているものがありますので、注意が必要ですね。

 

次の問題は、入れるべき数字がこれで本当に正しいかということです。簡単に思いつくだけでも

 

GPI(潜在総収入)は、満室時の賃料で正しいですか?

 

退去後も同じ賃料で貸せないなら、家賃を引き直しておく必要がありますね。

 

相場となる賃料は把握していますか?

 

融資期間中、ずっと同じ賃料で貸すことはできますか?

 

できないなら、家賃下落率を考える必要がありますね。

 

空室率はずっと同じですか?

 

経費もずっと同じで済むでしょうか?

 

長期入居後の退去だと経費が大きくかかる可能性がありますね。

 

広告宣伝費を経費に考慮しなくて大丈夫ですか?

 

区分の場合、管理費・修繕積立金も経費に入れなくて大丈夫ですか?

 

そもそもその額は一定ですか?

 

金利の上昇リスクは大丈夫ですか?

 

固定資産税を経費に入れるのを忘れていませんか?

 

これだけあります。もちろん、業者が出してきた投資分析に対して、疑問ばかり
ぶつけていたら、嫌われてしまいますので、自問自答することが大切だと思います。

 

自分で計算したい方は、楽街さんの CF シミュレーションを利用すると良いですね。先程の疑問点もある程度考慮できますし。個人的には、投資指標も一緒に表示してくれたらさらに嬉しいですが、投資指標なんかなくても良いです。

 

ただし、シミュレーションは机上の空論ですので、過度に依存してはいけません。実際に現地を調査して、本当に想定どおりに運営できるか見極めることの方がはるかに重要で、それができる人は、そもそもシミュレーションに依存していませんね。

 

数字をこねくり回す時間があるなら、現地を見ましょう。見極める能力がない人はタカボンのパパさんのように能力がある人と一緒に現地を見ましょう

 

計算だけで安心して買ちゃったり、フルローンが出るからと買ってしまうと酷い目に合うかもしれませんよ私のことですが💦💦ちゃんとコラムで紹介しますね。

 

次回は、検討した区分マンションについて書こうと思ったのですが、GW の初日に初めて信金さんを訪問したので、そのときのことを書きたいと思います。