こんにちは

実践大家のメッシといいます。私は自分で不動産投資を行いながら、賃貸管理会社で10年以上実務を担当していたサラリーマンでもあります。私は大家でもありながら、管理会社の内情、不動産業界の内情を知る立場でもあります。そんな立場から、不動産投資に少しでも役に立てればとコラムを書いています。

管理会社が宣伝する高入居率は嘘くさい!

今回は、管理会社が宣伝している入居率について説明させていただきます。

良く管理会社が「独自の空室対策により、弊社入居率98%!」などと、高入居率を宣伝しているのを見かけます。果たして、管理会社が宣伝する高入居率は本当なのでしょうか?

 

実際に管理会社に勤めて、高入居率を宣伝する立場だった私が真実を明かします。

 

ズバリ、大部分は正確な数字ではありません!

 

今回は管理会社の入居率について説明します。管理会社によっては稼働率などと表していたりしますが、入居率とは管理会社が管理している部屋のうち、入居中の部屋(空室でない部屋)の割合です。

「弊社の入居率は98%以上! 空室対策や営業手法が優れているため、弊社に管理をお任せいただければ空室の心配はありません!」と、各管理会社が管理受託を促進するため、高入居率を宣伝しています。

 

しかし、多くの管理会社の宣伝する、「入居率98%以上!」は、大いに怪しいと感じます。その根拠を説明します。

高入居率の宣伝が怪しい理由

根拠①

業界として、入居率の計算方法に決まったルールがない

 

入居率 = 入居中部屋数/管理部屋数

 

上記が入居率を計算する式となります。とても単純ではありますが、実は管理会社により基準がバラバラです

 

・ある会社では、賃貸契約解約後、原状回復工事が終了して入居できる状態になるまでは、(実際には空室にも拘わらず)入居中部屋としてカウントしている

 

・ある会社では、新築物件は満室になるまで時間がかかることがあるため、完成後3カ月は(実際には空室にも拘わらず)入居中部屋としてカウントしている

 

・ある会社では、新たに受託した物件のうち、空室が多い物件は3ヶ月間は(実際には空室にも拘わらず)入居中部屋としてカウントしている

 

・ある会社では、漏水が発生し貸せなくなった部屋は(実際には空室にも拘わらず)入居中部屋としてカウントしている

なぜ、管理会社により計算方法がバラバラかと言えば、宅建業法にも、不動産の宣伝方法を定めた不動産公正競争規約にも、入居率の計算方法を定めるルールは存在しないからです。

 

そもそも、賃貸物件の管理業務は宅建業法規制の範囲外です。良く知られている不動産宣伝ルールに、

例えば「駅から物件までの徒歩を表示する場合には、直線距離ではなく道のりで、80メートルを1分として計算すること」というのがあります。

これは、不動産公正競争規約に定められているルールですが、不動産公正競争規約は宅建業者が宅建業で定められた業務を行う場合に守らなければならないものです(不動産公正競争規約・第4条3項)。

 

管理業務は、宅建業務の範囲ではないですし(宅地建物取引業法・第2条3項)、不動産公正競争規約も関係ないのです。賃貸管理会社の業務を規制する法律やルールなどは存在しません。そのため、各管理会社が自社に都合の良いように、勝手な基準で計算をしているのです。

 

もっと言うと、実際には入居率の計算を行っていないのに、高入居率を宣伝している会社もあると思います

 

ちなみに、私が勤めていた管理会社では、規模の大きな高級マンション2棟で長期に渡り半分くらいの部屋が空いている物件がありました(入居率50%!)。2棟は同じオーナーでしたが、

(高い建築費を払ってるので)相場よりも2割以上高い募集家賃を絶対に曲げない

(工事費がもったいないので)原状回復工事は申込が入らないとやらない

(仲介会社を儲けさせるだけなので)絶対ADは出さない

(滞納は許せないので)ガチガチの高属性の申込以外は審査を通さない

こんな条件でしたが、マンションは一等地にあるため、申込が全く入らないわけではありませんでした

などという方針でした。相続したマンションで暮らしており、生活に困っていないお金持ちの大家さんでした。

 

こんな物件を入居率にカウントしていたら、管理会社の実力を疑われることになるので、このマンション2棟については、入居中部屋数は実際の数字を使っていませんでした。

 

管理会社が宣伝する高入居率が疑わしい理由は、計算ルールが存在しないことだけではありません。他にも理由があるのです。

その理由は次回で説明します。

つづく