最近、不動たたみが何度か連続して対応した案件。
超高齢の一棟賃貸マンション物件オーナー相続案件。
所有者が超高齢(90代)で死亡(子供などが複数あり。3~5人などが世代的に多い。)
このパターン。本当に揉めます。
基本的には、30代、40代のお孫さんから相談を受けます。
相続人も60代か70代だったりするため、相続人でガンコな人が一人ぐらい混じるんですよね。
あと、兄弟姉妹でも、60代か70代だったりすると生活状況がそれぞれ大きく違って、価値観がかなり違います。
とりあえず相続が発生すると、まず第一に揉めるのが、相続人が複数名(特に3人~5人程度)いる場合などに、相続割合決定までの家賃収入の取り扱いが結構問題になります。
特に、問題が大きいのが親族の一部が賃料や管理を自主管理している場合におおいに揉めます。
だいたいの場合、遺産分割調停などが行われるのですが、かなり長期間家賃が宙に浮いてしまうことになります(しかも、親族の一部で管理している側で、使い込まれることが多い)。
その対策として、国が用意しているのは・・・供託という制度
で、この供託という制度が超めんどくさいんです。
けど、供託するべき人は入居者または、賃貸管理会社または、自主管理の親族オーナー。
入居者はなかなかやってくれない。
賃貸管理会社は案外、供託を受け入れてくれたりします。
自主管理の親族オーナーは相手次第ですが、無視する人も多いです。この場合は別途仮処分などの裁判が必要になったりします。
で、この供託を賃貸管理会社お願いするタイミングは
・自分にお金に余裕があること(相続財産がなくても裕福に暮らせている人)
賃貸管理会社に供託が実行される場合は、そもそも、毎月の現金が管理している親族などに入ってこなくなります。
で、その流れから、他の相続人でお金が無い人が、焦って相続分割交渉の結論を急ぐようになったりします。
そのため、時間を急ぐ人が出ると、お金に余裕がある側に裁判などの判決よりも有利な和解案を引き出せる可能性が高まります。
相続の遺産分割交渉は、時間とお金に余裕がない人が不利になるので、遺産相続でもめたときは、状況によって、まわりの人たちの現金の流れを止めるために、供託って言うカードをうまく使いましょう。
基本的には、賃貸管理会社が家賃の集金など全部やってくれているケースぐらいしか、この方法は使えません。
相続の遺産分割交渉は、その他相続人は素人であることが多いので、弁護士が入ってかき回される前の初期段階で、先手必勝でいろいろ策を練るのがおすすめです。ほかの相続人に弁護士が入ると、自分も弁護士を用意するのが得策です。
あとは、認知症の相続人がいる場合は、成年後見人の申し立てをすると、相手の動き(孫などが相続人の代わりに動いている場合)を封じることができたりします。なお、逆に成年後見人の申し立てをされてしまった場合は、弁護士は申し立て取り消し不可能って言うかと思いますが、成年後見人の申し立てを無かった事にする必殺技もあったりします(それはここではかけない・・・)。
外野の私なんかがみていると
「ああ、こういうところで身内同士の殺人事件が起きるんだな・・・」
と思いながら、この手の案件を対応しています。
いろんな人の思惑が交錯して、実際その対応次第で、数千万円~億の単位で入ってくるお金が変わるわけで、みんないろいろやってきます。
経験上、揉めるのは被相続人(死んだ人)が90代、不動産のなどの相続財産が1.5億~4億円ぐらいの人。
相続財産が5億円を超えてくると、なんらかの対策を事前にしている人が多いので、案外揉めないです。
みなさん、相続トラブルは案外身近です。ご注意を!
プロフィール画像を登録