6年くらい前の話だが、ある投資不動産セミナーの後の飲み会に参加した。隣に座った50歳くらいの男性の投資家と話をしていた。彼は言う。「自分は、本当は、今日の飲み会代3,500円を借金返済に充てたいのだ」

 

どうも彼は、カードローンで金利12%のお金を借りて不動産投資をしているらしい。一方で、彼が投資する先の物件は、15%の利益が出る。イールドギャップ3%。彼に言わせれば、だから無茶な投資ではない。利益は出る計算である。と言っても、12%の借入は、やはり不安だ。のんびり飲み会に参加する気持ちになれない。

 

2000年以降、一時期を除き、日本はゼロ金利である。したがって、2000年以降の不動産投資家は、基本、金利が高くて苦労することはない。もちろん、借入額が大きければ、低金利でも返済額が膨らむとか、ローン比率が高ければ、月次返済が重く、家賃収入から得られる利益が減るなど、全く金利リスクがないわけではない。他のリスクに比べ、金利リスクは小さいという意味だ。ゼロ金利時代なのだから。2000年以降の投資家は、一般に、金利意識が希薄である。なぜなら、それが大きなリスクでないからだ。

 

1980年代後半のバブル期は、10%以上の借入金利で不動産投資をする人が少なくなかった。高金利の時代だった。金利10%のフルローンとすれば、だいたい月次赤字だ。その代り、キャピタルゲインが狙えた。

 

いつの世代の不動産投資にもリスクがある。ただ、より重いリスクが時代により違う。今の低金利時代の投資家には意外かもしれないが、世界の不動産投資の常識では、キャピタルゲインが狙えない不動産投資はあり得ない。この見解では、10%以上の金利で借り入れた1980年代後半こそ、不動産投資すべき時代だった。キャピタルゲイン狙いの投資が成立したからだ。あの頃は、キャピタルゲインを疑わず、10%で借りてもゆっくりお酒を飲めた時代だった。