楽待会員の皆さま、こんにちは!

清陽通商株式会社の栗本でございます。

今回は関西独特の不動産用語と取引慣習についてお話ししたいと思います。

子供のころ、近所に「モータープール」という看板がありました。

皆さまはモータープールって聞くとどんなイメージがあるでしょうか?

当時、大阪のある遊園地に人工的に川のような流れを作った「リバープール」というのがあったのですが、僕はそういうのを想像していました。

ところがそこにはプールは無く、車が並んでいるだけだったので僕の疑問は膨らむばかりでした。

「どこにプールがあるねん!」

帰宅して父親に聞くと「駐車場のことをモータープールって言うんや」と教えてくれました。

宮本輝の代表作の一つである「流転の海」シリーズで主人公が昭和30年ごろ大阪でモータープールの経営をして成功するという描写がありますが、その頃に大阪では駐車場のことをモータープールと呼んでいたようです。

大阪では普通に使われる用語ですが、大阪以外ではほとんど使われないということを僕は不動産業界で働くようになってから知りました。

ただ、大阪でも最近はあまり使われなくなりました。
それでも大阪の繁華街を歩いていると駐車場にモータープールという表示をよく見かけます。

年輩の方の中には今でも駐車場をモータープールと言う人がいますので、大阪で不動産を探す時は覚えておいてくださいね。

「文化住宅」って何がどう文化なの?

文化住宅ってこんな感じ

モータープールと並んで関西独特の不動産用語に「文化住宅」があります。

「文化アパート」「文化荘」とか単に「文化」と言うこともありますが、同じものです。

楽待で関西の物件を検索していると築4~50年の木造アパートに、この「文化住宅」という表記があるのを見つけた人も多いかと思います。

文化住宅とは、風呂・トイレがついているアパートのことです。
昔の長屋やアパートは風呂なしが普通で、トイレやキッチンも共同なものが少なくありませんでした。

各戸に風呂・トイレがついているので、従来のアパートに比べ「文化的な生活が出来る住宅」という意味で文化住宅という名称がつけられたようです。

今でこそ単なる築古アパートですが、昭和40年ごろは最先端の共同住宅だったんですね。

これも関西では普通に使われる言葉ですが、東京の同業者に「文化住宅が・・」って話をした時、全く通じなかったので関西ローカル用語と知りました。

ただ、関西でも若い営業マンの中には文化住宅の定義をよく知らず、風呂なしの築古アパートを「文化住宅」と言ってる人もいますが、厳密には間違っています。

売買される時は、「空室率高いけど、入居付け出来れば高利回りでの運用可能」という価格で売りに出される事も多く、一部の投資家に人気があります。

古いアパートなので当然ながら急速に建て替えが進んでおり、やがては完全に死語になっちゃうんでしょうが。

他にも、やってはいけないことですが、銀行融資を通すため契約書の金額を書き換えることを関東では「ふかし」というそうですが、関西では「かきあげ」と言います。

このように地域によって使われる不動産用語は結構違います。
他にも違いを見つけたら教えてくださいね。

トラブルに注意!「敷金持ち回り(大阪方式)」

「モータープール」や「文化住宅」なんて言葉の意味を知らなくても特に困ることはありません。

でも取引慣習の違いは時として大きなトラブルに発展するので注意が必要です。

当社が関西の物件を他エリアの方に仲介する時に一番注意するのが「要返還敷金」の取り扱いです。

関西以外のエリアでは一般的に要返還敷金・保証金は入居者から預かっているものなので、取引時に次のオーナーに引き継ぐのが一般的です。

ところが関西の商習慣では「敷金持ち回り」といって次のオーナーには引き継がないのが普通です。
もちろん、返還債務は引き継ぎますので、その部分を収支に組み込んでシミュレーションする必要があります。

単身用マンションなどは、最近は敷金・礼金ゼロの部屋が増えているのでそれが問題になることは少ないですが、ファミリーマンションや店舗比率が高いものなどは要返還敷金が数百万円以上になることも多く、注意が必要です。

これは当社の事例ではありませんが、保証金1000万円預かっている店舗付きの物件で、決済1ヶ月後にそのテナントが退去、新オーナーはいきなり1000万円の返還債務が発生して大問題に発展したという事例もあります。

こういうことは東京の投資家の方などは想定していないので、取引時は事前に確認をきちんとしてくださいね。

関西の仲介会社はそれが当たり前と思っていて事前に説明しないケースも多いですから。

あと、当社で以前トラブルになったのが、大阪の宅建業者は保有している地方物件を取引した時の話し。

物件のある地方では、要返還敷金を次のオーナーに引き継ぐのが一般的、買主も地元の人。
ところが、売主が大阪の宅建業者で「要返還敷金の取り扱いは大阪ルールで行う」と言い張りました。
挙句の果て、当社に「そんなことも知らずに不動産屋をするな!」と逆切れされる始末。
当然買主も激怒し、その取引は破談になっちゃいました。
事前の価格交渉の時に確認しなかった僕が悪いんですが、売主、買主、仲介会社の誰かが、他の人と違うエリアの人の場合は事前に十分条件をすり合わせないと問題になることが少なくありません。

他にも細かいことですが、固定資産税の日割り清算の起算日が西日本の多くは4月1日起算ですが、東日本の方では1月1日起算のところが多いようです。

商習慣、取引慣習の違いはどちらが正しいとか間違っているという話では無く、その土地の習慣に合わせざるを得ません。

遠方の物件を買う時は細かく確認しながら商談を進める気構えが必要なのかもしれませんね。

ということで第2回目のコラム、いかがでしたでしょうか?

ご意見・ご感想をいただければ幸いです。

次回は「利回り7%の物件って誰が買うの?収益物件の価格設定の仕組み」について書きたいと思います。お楽しみに!