私は2017年末に個人名義で1棟目のアパートを購入しました。この1号案件は失敗だったと思っているのですが、2年間の収支状況をまとめてみたので、ご紹介したいと思います。

 

物件の購入時の基本スペック

 数字は大体です。

 

物件価格:4500万円

満室想定家賃:380万円

表面利回り:8.4%

築年:5年未満

土地:200㎡

延床:130㎡

物件タイプ:木造ワンルーム、3点ユニットバス、ロフトあり

立地:神奈川県内中規模駅から徒歩20分の高台

前面道路:細い市道(再建築は可だが、車両は進入できない)

入居状況:満室

家賃:安め(周辺の築古物件と同程度)

(融資:30年2%フルローン、返済比率:52%)

 

 ・・・これだけを見ると、そんなに悪くないように見えないでしょうか?一般的な仲介業者が示してくる収支計算表なら、大体以下のような数字になると思います。普段から実践大家コラムを読まれている方には釈迦に説法ですが、業者の収支計算は鵜呑みにしてはいけません。

 

(業者による収支計算例)

家賃収入:380万円

運営諸経費(管理費と固都税):40万円

ローン返済:200万円

キャッシュフロー:140万円

出口:長期譲渡となる5~6年後に残債以上の4200万円(利回り約9%)で売却

 

実際の収支

 以下、左側の数字が1年目、右側が2年目です。

 ※入居率の代わりに「家賃回収率」(=実際の家賃収入/購入時の満室想定家賃)としました。

 

a.家賃収入:370万円・326万円

b.家賃回収率:97%・86%

c.運営諸経費:85万円・126万円

d.経費率(c/満室想定家賃):22%・33%

e.借入金利息:89万円・87万円

f.元金返済:110万円・112万円

g.キャッシュフロー(a-c-e-f):86万円・1万円

h.純資産増加額(f+g):196万円・113万円

 

1年目と2年目で大きな差が出た理由

 まず、1年目はほぼ満室で推移しましたが、2年目は3室退去が出たことが大きいです。1部屋は半年、2部屋は3カ月ずつ空きました。空室損と修繕費はキャッシュフローを大きく圧縮します。

 物件は、駅から20分延々と坂道を上った後、駄目押しに心臓破りの階段30段くらいを上った先の高台にあります。家賃は安く設定していますが、それで本当にこんな所に入居が付くものなのか、経験がないのでよく分からず、自信もありませんでした。

 そんな中、一気に空室が出たため恐怖しました。そこで、各部屋とも、募集広告費3カ月分(!)とフリーレント1カ月分(!)もの経費をつぎ込んでしまったのです。。空室期間が長引くよりは、最初に金をかけて早く空室を埋める方が(精神衛生上)よいと考えました。

 

 また、募集期間中、少しでも物件の競争力を高めるため、宅配ボックスと無料インターネット設備を導入しました。工夫して最小限の費用で導入しましたが、これらも2年目の収支を圧迫しました。

 

3年目以降の予想

 どちらかと言うと、今後は2年目に近い数字(キャッシュフロー10~20万円くらい?)で推移していくと思います。平均入居期間を3年と仮定すると、毎年2~3室で退去が出る計算になるからです。募集広告費やフリーレントにここまで経費をかけなければ改善しますが、ここまでかけても平均4カ月の空室期間があったというのも厳然たる事実です。今後、金をかけない募集方法を工夫しなければなりません。

 

なぜこの物件を買ったのか

 弱点は兎にも角にも立地です。購入時、私にもその認識はありましたが、それでも購入したのは以下の要素をプラスと見たからです。

 

築浅なので信用棄損にならず、今後の規模拡大に有利

周辺に競合する築浅物件がほとんどない

家賃設定が低い

過去に全室が一斉に契約期限を迎えた際、1カ月以内ですぐに満室(一部は更新)になった実績があった

 

 物件購入後、運営面は努力次第で工夫や改善の余地はありますが、立地だけは逆立ちしても変えられません。それに対して、上記4つの要素はいずれも可変的なものです。最後の要素などは今思えば、まさに私が2年目にやったように、無理やり入居付けしていたのかもしれません。

 立地はもっと重視しておくべきだったと思います。

 

これは「失敗」なのか?

 キャッシュフローは非常に重要です。手元に現金がないと不測の事態に対応できないリスクが高まります。また、4500万円もの投資をして、年間10~20万円程度のキャッシュフローしか出ないのでは、実感としても旨味がありません。

 しかし、それだけなら「失敗」は言い過ぎです。ローン元金返済による含み益は着実に増えていますし、売却するまで最終的な損益は確定しません。そもそも、「失敗」の定義をどこに置くかは、人によって異なります。

 

 それでも、私の中ではこの1号案件を「失敗」に分類しています。それは、当時の私がある重要な要素を見落としていたからです。次の記事でご紹介させていただきたいと思います。

 

 本日もお読みいただき、ありがとうございました。