前回の記事「『高値掴み』とはこういうことです!」で、私の1号物件がいかに失敗しているのかについてご説明しました。

 

 再発防止のため、失敗の原因を分析することが重要です。と言いつつ、失敗と向き合うのは苦痛なので、これまでしっかりと整理したことはありませんでした。 

 自己分析の手法として、過去の自分を他者として客観的に見つめ、冷静に質疑応答をするというのがあります。せっかくの機会ですので、これを試してみたく存じます。

 

自己分析

今の私「やいやい過去の俺、何でこんな物件買うとんねん」

過去の私「いや、一都三県しかも国道16号線以内、築浅で利回り8.4%、良くないですか?」

(※私の認識では、2017年前半から2018年後半くらいが、不動産投資ブームで物件価格は高止まる一方、融資は出にくいという、もっとも過酷な環境でした。当時まさに2017年暮れ。そうした時代背景を念頭にお読みください。)

今「はぁ?あの立地で良い物件?どこにお目めのお玉をお付けになっていらっしゃるんでせうか」

過去「確かに、立地は少し不安でした。でも、賃料は周辺築古と比べても安い底値。実際、1カ月以内に全戸が一斉に申込みと更新になった実績があるので、賃貸需要は問題ないと考えました」

今「1カ月以内に満室って、もしかしたら売主さんが売却見据えてフリーレント3カ月分くらい出して無理やり入居付けしてたんちゃうんか。それちゃんと確認してんねやろな」

過去「いや、そこまでは。。以前別の物件のレントロールを見た時、フリーレントを出したと明記されてました。この物件のレントロールには特に書いてませんでした」

今「レントロールに書いてへんからてフリーレント出してへんとは限れへんやろ!レントロールは様式決まってるわけちゃうねん!わかれよそんなもん!もしフリーレント3~4カ月分出しとったら、引き直した利回り2~3%くらい下がるんちゃうんかい」

過去「確かに。。そんな可能性も頭をよぎった気がしますが、なんとなく、それは考え過ぎだろうと自分を説得してしまったんです。でも、周辺に競合する築浅ワンルームもないですし、確かに競争力あるとも思ったんです」

今「なんとなく?そんな根拠ないもんに説得されるとか、マジ意味不明ナンデスケド笑。ヤバくない⤴?しかも新築アパートなんかいつでもいくらでもポコポコ建つねん。物件の競争力を外部環境に求めるとは、他力本願も甚だしいねん」

過去「いや、でも!賃料相場とか、周辺の競合物件について調査するのは、必要なことでしょうが!!!!」

今「誰も不要とは言うてへんねん!当然やれそんくらい。俺が言うとんのは、調査結果に対する分析と、比重の置き方がオカシイ言うとんねん。なんでその程度の要素だけで立地とか実勢価格に勝てるんですか?え?なんで?苦労してメラゾーマ覚えたらそれだけでラスボスに勝てまして?ベホマはあります?ザオリクは?しかも、この立地やねんから、普通よりもっと骨折らなあかんのちゃいますのん?周辺の不動産屋さん回って聞き取り調査くらいやれや。あと、実勢価格は調べとんかい」

過去「いえ、それってどうやって調べるのか。。でも、賃料底値なのに利回りが高いってことは、価格が安いってことなんで、利回りみれば十分でしょうに」

今「利回り高けれりゃ割安、原理的にはせや。けどな、お前が言ってる利回り高いってのは、所詮お前の数カ月の経験に基づく現時点での肌感覚でしかないねん。そのスペックの物件で利回りたった8.4%とか、2年後の俺から見たら低すぎてマジありえん。もっといい物件、最近なら9%くらいでいくらでもあるし。ちゃんと過去何年にもわたって類似物件がどんな値段で取引されてきてるんか調べるんは、そういうことや。その当時で築浅8.4%は確かに高かったかもしれん。せやけどな、それが将来も同じやとなんで思うねん。歴史を知らずして、どうやって未来を、出口を予測すんねん!

過去「ぎぎぎ、、うぎぎぎぎ、、、」

今「なあ。なんで焦って買うてしもたん?もっとゆっくりでよかったやん」

過去「だって、どんだけ不動産会社回っても利回りの高い物件は紹介してもらえない。フルローンは無理って言われる。そうこうしてるうちに、融資はどんどん厳しくなってきて、モタモタしてると永遠に買えなくなると思ったんです。。

今「・・・」

過去「そんな時、この物件を紹介されたんです。銀行評価も済んでいて、私の属性でもフルローンが出るとのこと!ああ、ついに俺にもチャンスが来た!これを逃したら後悔する!と。銀行が評価しているので、積算も出ているんだ、大丈夫な物件なんだと理解しました本当は築古がよかったのですが、築浅なら信用毀損にならないので、もう1件くらい買えるだろうとの業者の見立て。また、利回り8.4%は、よく見かける6%台後半くらいの築浅に比べて、確かに魅力的です(※2017年暮れ当時の話です)。業者の収支計算表は無視して、ちゃんと自分なりに将来の収支を試算もしたつもりです。まさかこんなことに。。」

今「ほんで?2件目の物件を買いたいて、その後その業者に言うたん?」

過去「はい。でも、融資が厳しくなったので、自己資金がないと手探り大家さんの属性ではもうローンは出ない、まずはキャッシュフローで自己資金を貯めてくださいと言われました」

今「アーハッハッハ!!いやーおもろい、傑作やわ兄ちゃん。カッコつけて、業者ノ収支ワ無視チマチタ、とか言って、結局だまされとんねやんけ!」

 

分析結果

 以上の分析から見えてきたものがあります。

 

 それは、当時の私の買いたいという「欲望」、そして、もうすぐ買えなくなるという「焦り」が強すぎて、物件の良い材料ばかりを集め、逆に不利な材料は無意識のうちに見て見ぬふりをし、自分を説得してしまっていたのです。

 

 まさか自分が。。嗚呼、これが伝説の「買いたい病」か。。

 

 中国のことわざに、「事後の諸葛亮」というのがあります。偉そうにもっともらしいことを言えるのは事後だからだ、ということです。過去の私には随分キツく言いましたが、所詮今の私は事後の諸葛亮で、当時この分析ができていないといけなかったんです

 

 初心者の皆様、ぜひ慎重に検討されてください。失敗物件を買うくらいなら、買わない方がいいのですから

 

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