ドーモ、投資侍です。

皆さんにはどうしても肌に合わない人はいますか。ワタクシはどちらかというと趣味は人間観察と言えるほど結構他者には寛容なのですが、やはり人間ですから肌に合わない嫌いな人間は当然います。そして嫌いな人間の95%くらいが不動産業界に集中(ry

さてキラキラ大家と言えば先日コラムにも書かせていただいたFake it till you make it!がとてもお上手な方々です。

 

フィクションのお話で人の注目を集める(Fake it till you make it!)

注目してセミナー、情報商材やネットワークビジネスで集金

集金したお金をリスクフリーで投資して本当にお金持ちになる

更に注目を集めてセミナー、情報商材やネットワークビジネス(ry

一定の規模を超えて巡航運転で資産拡大

 

さて本日ワタクシの嫌いなキラキラ大家は皆さん大絶賛のこの方、、、

 

 ロバート・キヨサキですわ(*´ω`*)

 

 1.キラキラ大家も悪ではない

 

ロバキヨの著書の中では奥さんとキャンピングカーで生活して貧乏生活を送りながら色々な投資を行っていたことを触れていますが、個人的には存外怪しい話ばかりだなと思いながら著書を拝読しました。案の定、有名税として色々な指摘がなされているところです。当時はネットがないから捲られなかっただけだと思う点多数

 この点、ロバキヨ自身も金持ち父さんの話はフィクションであるとインタビュー認めているようであり、金持ち父さんとマイクは実際には存在しなかったという説が濃厚のようです。一応「濃厚」というに留めますw

 

他方、ロバキヨの貢献についてはワタクシも素直に認めるところです。

特に重要なのは人が裕福になるためには収入(フロー)よりも資産(ストック)が重要であると説いたことです。

 

他方、キャッシュフロークワドランドはキャッシュフローゲームから自己のネットワークビジネスに誘導するための養分ホイホイ理論だと思ってますwww

 

投資に慣れ親しんだ人間からすればフローをストックに充当して純資産を増やしていくのは当たり前の話ですし、有名な投資本を読めばどこでも書いてある話です。

ただ、ロバート・キヨサキの上手いところはフィクションの話を用いてリテラシーにない人にも分かりやすく伝えたことだと思います。

本人がFake it till you make itであろうが、その本人の話に共感を覚えて本当にお金持ちになった人はいます。

日本でも有名大家の中にはロバキヨを称賛する人は大勢いるでしょう。

そういう意味ではキラキラ大家のすべてが悪という訳ではないと理解はしています。

2.『自宅は負債』という理論

 

 ロバキヨの格言で有名なものとすれば『自宅は負債』です。

 

さて、皆さん冒頭の右側のイラストって何かおかしいと思いませんか???

 

そう、負債を返済しているのに純資産が増えていないんです。

 

この点、ロバキヨはキャッシュフローに着目して、キャッシュフローが出る投資が資産で、キャッシュフローが出ない投資が負債だ、という切り口とも考えられますが、実際は違います。

仮にキャッシュフローが出るか否かで資産か負債かを判断していたら完全に詐欺師サンタメよろしくですわwww

 

結論から言えばロバキヨのイラストは間違っていません。

 

ただ間違っているのは現代の日本の読者の理解です。

 

ロバキヨのイラストの意味を理解するには、著書が発刊された1990年代の米国の金融理論にまで遡らなければなりません。

 

<米国金融理論>

1990年代当時の米国金融は住宅ローンについて元金の返済を求めないノンリコースローンが多く用いられていました。つまり、住宅を取得した入居者は金利のみを支払い自宅に住み続けます。

 

要は元金返済がないため住宅ローンを返済しても純資産は一切増えません。だからロバキヨの『自宅は負債』の右側のイラストは正しいのです。

 

上記の住宅ローンの仕組みからすると、銀行は元金の返済を受けないため、金利を高め(7~10%強)に取り、その住宅ローンを投資家に販売することで利益を得る所謂「金融仲介業」としての性格を持っていました。これが伝統的な米国の銀行金融論です。

 

そして、自宅の所有者は最終的には自宅の売却によって住宅ローンを返済します。

 

上記のような米国金融理論とノンリコースローンは、不動産価格が上昇し続ける限り、銀行は金利により収益を上げ、所有者はキャピタルゲインを得ることができるというWIN-WINの繁栄を続けてきました。

 

だから当時の米国では自宅の売却を続けてグレードの高い家に乗り換えるのが一般的であり、中古市場が活発なのです。

ロバキヨの本を読んでいると上記のような伝統的な米国金融論の理解を前提とした記述が随所に出てきます。

 

なお、これを極限まで突き詰めて辿り着いたのがサブプライム・ローンであり、上記WIN-WINの神話が崩れたのがリーマンショックです。

そのため、米国金融理論も現在では大幅に規制され、実務も変化し、大きく変わってきています。

3.議論の射程と領域

さて伝統的な米国における住宅ローンの仕組みと米国金融理論について説明したところで命題が出てきます。

 

『1990年代』の『米国』における不動産市場における結論を、『2020年』の『日本』における不動産市場においてそのまま結論付けることは本当に正しいのでしょうか。

 

日本における住宅ローンは元本が返済される債務返済型であり、日本の金融理論は『商用銀行業』としての性格が伝統的に強いです。

 

住宅ローンの元金が返済されることにより時間の経過とともに純資産が増加します。つまり、賃貸不動産を購入し、自分に賃貸しているのと同様の状態と言うことも可能です。

 

そのため、日本の銀行審査においては自宅の純資産増加相当額は投資不動産の融資審査でプラスに判断されうるし、逆に賃貸において支払っている賃料の相当額はキャッシュフローの返済力の面でマイナスに見られうるものです。

 

言ってしまえば自宅を先に購入しても純資産が増加し担保評価される物件を購入すれば将来の投資用不動産においてプラスに判断されうるし、投資用不動産を先に購入しても純資産が増加せず担保評価されない物件を購入すれば意味がない、ということです。

 

実際に某都銀や某地銀では『自宅を保有していること』が融資においてプラス審査に働いたり、そもそも自宅を保有していることが融資の定性条件になっていたりする銀行もあります。

なぜなら、賃貸でキャッシュを垂れ流すよりも自宅を保有して住宅ローンを返済していた方が債務者の将来における資産担保評価が切り上がっていくからです。

 

さて命題に戻りましょう。

 

『1990年代』の『米国』における不動産市場における結論を、『2020年』の『日本』における不動産市場においてそのまま結論付けることは本当に正しいのでしょうか。

 

答えは「正しくない」、です。

 

昔の米国における考え方も一部については現代の日本においても当て嵌まるでしょう。しかしながら、『1990年台』の『米国』における不動産市場における結論を、『2020年』の『日本』における不動産市場においてそのまま結論付けることはできません。

 

物事について考える時には常に

 

『何が同じで』

 

『何が違って』

 

『その違いが結論にどう影響するか』

 

を考えなければなりません。

 

今回は『不動産市場』という点は同じでしたが、『1990年台』という過去の『米国』における考え方と、『2020年』という現代の『日本』という違いが、最終的な結論に大きな影響を及ぼします。

 

ワタクシはこの考え方を

 

『議論の射程と領域』

 

と捉えて常に忘れないように心掛けています。

 

なぜなら、『議論の射程と領域』を意識することで物事の本質を正確に捉え、投資における打率が飛躍的に向上するからです。

4.何故ロバキヨは妄信されるのか

日本の不動産投資家は本当にロバキヨを手放しに称賛する人が多いです。それは何故でしょうか。

 

色々な人を見てきましたが理由は2つあると思います。

 

1つは、信頼できるかどうかを他人の判断に委ねていること

 

もう1つは、本質を理解できていないこと

 

1つ目は明確でしょう。某有名コラムニストAさんがロバキヨを称賛して自宅は負債と言いました。そうするとAさんの話を聞いて某有名コラムニストBさんもロバキヨを称賛して自宅は負債と言いました。そうするとAさんとBさんの話を聞いたCさんは2人が言うなら間違いがないとロバキヨを称賛して自宅は負債と言いました、という連鎖理論です。

 

2つ目は言葉の表面だけ捉えて本質を学んでいないことが原因です。ロバキヨの本だけを読んで『自宅は負債』という言葉を覚えたことを、まるで自分が学んだように『自宅は負債』と使い続けていることです。しかしながら、ロバキヨにおける『自宅は負債』の言葉の本質は米国金融理論を理解し学ばなければ、本当の意味で理解することはできません。

 

表面だけ知り知識を得たつもりが、本質を学ばず他人の評価に依存する。

 

このような大規模連鎖は不動産投資に限らず投資の世界全般で起こっていることだと思っています。

皆様の周りにおいても、これまで当然の地動説だと思っていたことが実は天動説であった、ということが存在しうるかもしれません、いや間違いなく存在しうるでしょう。

5.感情の揺らぎ

さてワタクシは前回のコラムとTwitterで「次回はキラキラ大家を斬る」と告知させていただきました。

この告知により読者の中で自分のことではないかと感情が揺れた方はいらっしゃらないでしょうか、本日のコラムを読んで対象者がロバキヨだと知って安心した方はいらっしゃらないでしょうか。

 

告知においては『元祖』キラキラ大家と敢えて付けました。今回はお遊び程度でいらずらに感情を揺らす対象を増やしたくなかったため、枕詞を付けて意図的に少し絞りをかけたものです。仮に『元祖』と記載していなければ感情が揺れる方はもう少しいらっしゃっかもしれません。

 

悪徳不動産業者・キラキラ大家は様々な手法で感情を揺らしてきます。しかしながら、感情を揺らす側の人間でさえ立場が変われば感情を揺らされる側に回るのです。

 

騙していると思っていたら騙され、上級者きどりが下級者に成り下がり、ホンモノの輝きがニセモノに劣り、見透かしていると思っていたら見透かされ、感情を揺らすつもりが揺らされることとなり、そして最後は捕食するつもりが捕食される。

 

誰もが常に逆の立場に回り得ることを覚えておいてください。

 

これってワタクシへの大ブーメランなんですけどね (*゜∀゜)=3

 

さて皆さんの大好きなロバキヨを通じて今までのコラムの小括ができたのではないかと思います。

 

本日の『議論の射程と領域』の考え方は必ず覚えてくださいね。

 

過去コラムでの『数字』が感情を制御するATフィールドとすれば『議論の射程と領域』は全てを貫くロンギヌスの槍です。

 

ワタクシが不動産投資における唯一の重要な考え方を挙げるとしたら、迷わず『議論の射程と領域』を挙げます。

 

今後は『議論の射程と領域』の実例を踏まえたコラムも書いていこうと思います。

 

投資侍より