土地値物件への投資が増えている⁉

 

最近は金融機関の収益物件への融資が厳しくなったことで、融資を使わないボロ戸建てや比較的少額の区分所有物件への投資が人気のようです。

 

それと併せて、もう一つ多くなってきているのが、土地値物件への投資です。

 

特に収益物件の売買仲介業者さんは、最近はもっぱら土地値物件や積算が売価より大きい物件を積極的に紹介するようになってきているように感じます。

 

推測するに、ボロ戸建てや区分所有は金額が小さい為、売買仲介業者さんからすると仲介手数料が少額になり、あまり妙味が無い為、もっぱら土地値物件や積算大物件を紹介しているのではないでしょうか。

 

土地値物件や積算大物件なら今でもノンバンクなどで積極的に融資してくれるところがありますのでね。

 

 

土地値物件の落とし穴

 

さて、そういった業者さんのセールストークは融資が付きやすいということと、もう一つは出口が確保しやすいということです。

 

土地値の物件ですので、最後は戸建て業者に販売したり、土地を探しておられる実需の方に販売すれば損はしません、といったような説明で営業をかけてきます。

 

しかし、これは本当なのでしょうか。

 

私が先日実際に紹介された案件で検討してみたいと思います。

 

紹介されたのは東京都日野市の駅から徒歩18分のところにあるファミリー用物件で、価格は1700万円ほどでした。

 

業者さんの説明では、この物件はほぼ路線価の物件なので出口が確保できているし、保有中もキャッシュフローがしっかり見込める優良物件ですとのことでした。

 

実際に全国地価マップで路線価を調べてみると、ちょうど1,700万円ほどで、業者さんが嘘を言っているわけではありませんでした。

 

(今は路線価を調べるのも便利になりましたねえ。昔は税務署まで出向いて、備え付けてある路線価図の現物を見て調べないと分かりませんでした!)

 

では本当にこの物件は安心なのでしょうか。

 

心配性の私は、例えば10年間この物件を保有してその後に売却するとしたら、いくらで売れるのだろうかと考えました。

全国地価マップは5年前までしかデータを遡れないので、国土交通省の地価公示検索システムで近隣の地価の過去のデータを遡って調べてみました。

そうしたところ、10年前の地価と現在の地価を比べると約20%も下がっていました。

 

この間、アベノミクスや黒田バズーカによる資産インフレがあったにもかかわらず20%も地価が下がっているのです。

 

単純に考えても10年後に売却するときの路線価は今の価格の80%以下で見ておかないといけないということになります。

 

さらに、今後は人口減少が加速してくことや金融政策も限界に近付いていることなどを考えれば、実際にはもっと下がる可能性が高いのではないでしょうか。

 

一般に路線価は公示価格の80%程度と言われていますので、結局10年後の公示価格は現在の路線価よりも安くなっている可能性が高いということになります。

 

また、これはどの物件にも言えることですが、築古物件を土地として売却する際には、購入する側は建物の取り壊し費用を織り込んで価格を考えてきます。

 

従って、土地の価値を考える際には、建物の解体費分程度は差し引いて考える必要があると思います。

 

ということは、もし物件が購入価格と同じ価格で売却できたとしても、建物の取り壊し費用の分と購入時と販売時の諸費用分は損をすることになります。

 

そういったことを考えると、この物件については10年後売却して、損をしない可能性はむしろ低いと考えるべきではないかと思いました。

 

もっとも、保有期間中に十分なキャッシュフローが確保できるのであれば、この程度の損失で出口が確保できるのは成功といえるのかもしれません。

 

ですが、この物件については残念ながら保有中もたいして儲からない物件でしたので、結局購入は見送りました。

 

趨勢として人口の減少する日本では、土地もいつまで価値が維持できるのか不透明です。そのあたりも十分考慮に入れたうえで検討していく必要がありそうです。

 

 

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。