こんばんは、aloeです。

 

前々回は5棟目マンションの販売価格が6,000万円→4,000万円程度まで下がってきたことをコラムにしました。

そして、市況やエリアを考慮するとここまで下がることはある程度想定の範囲内ともいえ、ここからが本当の勝負だと思っていたことを前回コラムにしました。

 

今回は、詳細資料検討編です。

 

詳細資料を請求しよう・・・としたら。

販売価格が現実的に交渉可能な範囲まで下がってきたことを受け、詳細に検討したい旨伝え、詳細資料をお願いします。

すると、、、

 

「詳細検討していただく前に、1点補足がございます。

実は今回の案件の成約時に頂きます仲介手数料について、元付業者様(先方不動産業者様)が買主様にご請求する権利がございます。

したがって弊社は、買主様に不動産コンサルティング料として

別途ご請求させて頂くことにご承諾を頂きたく前もってお知らせいたします。売買手数料の1.5%(+消費税)となります。」

との連絡が、Sさんよりありました。

 

うーん、そうきたか。

元付業者さん(Mさん、東京の業者さん)が両手条件での特約をどうやら結んでいるようです。

確かにそうするとSさんはコンサルティング料をもらわないとただ働きになってしまいますから、Sさんがそう言うのは尤もとも言えます。

 

これをみて、みなさんはどう思われますでしょうか。

「手数料が普段の1.5倍で嫌だな」

と思うでしょうか。

 

 

私も一瞬そう思ったのですが実は「ラッキーなんじゃないか」とすぐに思い直しました。

なんででしょう!?

 

手数料が通常より高いのに、ラッキーだって!?

今回の物件は任意売却の物件となっていること、元付業者さん(Mさん)の意図から、下記のように状況が整理されます。

 

・売主さんは一応物件所有者ですが、実質の支配権は債権者(債権回収会社、後述)にあり、「売れなければ保有し続ける」という選択肢がほぼないこと。

→近日中に売ることが必須

・Mさんはなんとしても両手を狙っていて、情報を広く広める(ポータルサイト等)気はないこと。(任意売却の特性上、所有者の「他の人に知られたくない」という心情も働いているかもしれません。)

→購入検討者の数が限られる

・Mさんは東京の不動産会社さんであり、購入検討物件のエリアの顧客が多いとは言えないこと。

→前コラムでの分析の通り、購入検討者、購入可能者の数はさらに減る

 

これって言うなれば、真夏の出店で、焼き鳥屋の看板掲げてるのに、店の奥にアイスクリームおいておいて、焼き鳥買いに来た人に「アイスどうです?」って聞いているようなものじゃないかと思います。

焼き鳥屋さんの看板見て店に来た人はもちろん焼き鳥が欲しいからきているのであって(東京の物件が欲しいから東京の不動産屋さんに声をかけているのであって)、そんな人にアイスを欲しいか聞いても(郊外の物件を欲しいか聞いても)、「あ、買います」となる可能性はあんまり高くないですよね。なおかつ真夏のアイスですから、1秒1秒時間が経てばたつほど溶けていって悲惨なことになります。

 

せめて隣のアイスクリーム屋さんに一緒に並べてもらうか、アイスでなく缶ジュースだったら溶けるまでの時間が稼げますが・・・。

 

なので、

「顧客ターゲットがずれているのに、早期売りきりが必須」

という、売主側にとって極めて難しい状況になっているのです。

確かに手数料が通常の1.5倍なのはいいことではないですが、物件価格が1割下がれば、買い手(私)としては十分お得です。

 

というわけで、

「わかりました。問題ありません。」

という返事を私はしたのでした。

 

詳細資料を検討しよう

物件資料の検討の仕方はほぼルーチンです。

#68 3棟目アパート契約までの道のり④:詳細資料請求

#107 4棟目アパート契約までの道のり②:詳細資料検討

もご参照ください。

 

・販売図面

・レントロール(初回契約日入り)

・土地建物謄本

・公課証明書

・公図

 

のうち、

・販売図面

・レントロール

・公図

については初回資料でいただいていたので、追加で

・土地建物謄本

・公課証明書

をいただくこととします。

なお、レントロールはいただいた時点では初回契約日は記入なしでしたが、どうせたいして信頼していなかった(全空の覚悟)のと、諸事情であとで聞けると思っていたので、あえて請求はしませんでした

 

<土地建物謄本>

今回一番気になるのは当然ですが

「所有権・抵当権」

の欄ですよね。

まず所有権を見ると、新築からしばらくは地主さんが所有されていて、途中で1回相続を経ています。

抵当権はこの地主さんの時代にはなしですから、建物も現金購入のようです汗。当時の建築費はわかりませんが、重鉄3階建15部屋、1部屋500万円でも1億円近いですから、すごいですね。羨ましい・・・。

 

さて、ここからが大事なところです。

数年前に売買がされており、それが現所有者さんのようです。

 

債権額は6,500万円。スルガ4.5%です。

 

オーバーで融資を受けているか、それともこれとは別途フリーローン等で諸経費分をだしているか、そのあたりはわかりませんが、時期的にほぼ手出しなしで目一杯融資を引いている可能性は高そうです。

おそらく30年融資でしょうから、現在の残債は約6,000万円

一番最初の売り出し価格が6,000万円であったのはここからきているのかもしれませんね。

 

現所有者さんの購入時の物件価格6,500万円だったとして、

「築30年、表面利回り約10%、金利4.5%、融資期間30年、地方物件」

シミュレーションに入れるまでもなく厳しいと思われます・・・汗。路線価の評価は伸びるのとぎりぎり耐用年数は少し残っていたとすると、積算はある程度物件価格に近いぐらい出てしまうのですが。

 

現所有者さんの住所を見ると都心3区、調べると分譲マンションでしょうか。いかにも数年前の不動産投資ブームに乗って、ある程度高属性の方がスルガスキームで購入した、という感じですね。

 

そして、2019年12月末に債権回収会社(サービサー)に債権譲渡されています。そこから年明けすぐに売りに出した感じですね。

その時点で残債は約6,000万円、スルガが損失を被っていることは間違い無いでしょう。

 

サービサーがいくらで債権譲渡をされているか、謄本上はわかりませんが、

超高値:4,100万円(固定資産税評価額)

高値:3,000万円(残債の5割)

安値:1,800万円(残債の3割)

超安値:600万円(残債の1割)

程度でしょうか・・・。

さすがに担保評価のある程度出る不動産(告知事項等なし)を残債1割の値段で債権譲渡されるとはちょっと考えにくい気がするので、現実的にはサービサーの債権譲渡価格は2,000万円前後ぐらいかなー、と妄想しています。サービサーが万一高値掴みしているとすると3,000万円台もありうるかもしれませんね。サービサーの相場感がいかほどかがわかりません汗。

 

<補足:債権回収会社(サービサー)について>

rin5さんからリクエストいただきましたが、残念ながらリクエストにお応えできるほどの深いネタはないので、一応一般的なことを・・・。

(本当は今後も継続的に物件紹介いただけないかと仲良くなりたかったのですが、元付さんのブロック(?)もあり、引き渡し日も全然お話しできませんでした汗。)

 

債権回収会社(サービサー)とは、金融機関等から委託を受けまたは譲り受けて、特定金銭債権の管理回収を行う法務大臣の許可を得た民間の債権管理回収専門業者のことだそうです。

背景としてはバブル崩壊以降、大量の不良債権が出現したため、その効率的な処理を目的として設立されたそうです。

債権回収会社の母体としては銀行、不動産業、投資ファンド等様々なものがあります。

(余談ですが、私の好きなドラマ(映画)に「◯ゲタカ」というものがあります。不良債権を思いっきり安く買いたたき、整理(or再生)して転売益を得るファンドに焦点を当てたドラマです。)

上記のような役割(債権の回収、処理が主目的)から、当然「不動産経営」する気は全くなく、転売益のみが収入の源泉と思われます。

 

<公課証明書>

私自身はエリアの問題もあって固定資産税評価額を売買の基準にしてはいないことは以前からコラムにしていますが、一応シミュレーションに税額が必要なのもあって軽く見ておきます。

土地建物合わせて4,100万円程度が評価額ですね。

納税義務者の住所を見ると、都心3区から移動して別の区のアパートになっています。分譲マンションは差し押さえられたのでしょうか・・・。

 

さて、資料も揃ったので、いよいよ空室のお部屋を内見させていただくことにします。

 

本日のまとめ

売買の実質的な支配権を握るのがサービサーであること、Mさんが東京の不動産会社さんであること、等の条件が重なり、(買い手としての)競合相手は少なそう

・追加資料は大きな問題なし、典型的なスルガ案件という印象でした

 

続く。

 

aloe