~最初に行っておきます~

 

今回のコラムは私の過去のコラムの中で、

皆さんにとって「1番」参考になるコラムだと思います。

 

「1番」です。

 

前回、前々回と同じく、コメンテーターであるMさんからいただいた火災時の保険対応についてのコラムです。

 

過去2回のコラムは2分割にしたからでしょうか、

最初のコラムのいいねが「50」に対して、

2回目のコラムは「27」。。。

 

せっかく提供いただいた貴重な情報に基づいたコラムなのに、残念と言うか、書き手として申し訳ないというか、、、そんな気持ちです。

 

今回は、火災現場でMさんが保険会社の担当者と立ち合いをしたときのやり取りです。

私はこのような内容を、他の媒体では見たことがありません。

有事の際には、絶対に役に立ちます。

 

是非、情報を提供いただいたMさんへの感謝を持ってんでくださいますよう、お願いします。

<(_ _)>

 

 

今回の構成は、以下のとおりです。

 

1.事故現場で立ち会うことの意味

2.借家賠について

3.保険の適用範囲は

4.保険の協定金額は

5.最後に

 

 

それでは本題に入ります。

 

 

1.事故現場で立ち会うことの意味

Mさんからのメールでは、以下のように言っていただきました。

 

「私の保険会社(代理店と鑑定人様)と3名で現地確認を実施しました。
今後の対応についてもジュニアさんにご教授いただいた内容を頭に入れつつ色々質問してみました。(話がすごくスムーズに出来て良かったです)」

 

気を遣っていただいていることもあると思いますが、少しでも役に立てたならうれしく思います。

 

保険会社との立ち合いですが、やらないより立ち会った方が「絶対に」良いと思います。

立会の日時も勝手に指定されるわけではないので、土日でも受け入れてくれる可能性はあります。

 

保険会社の立場で言うと、立会に同席されることをこんな風に見ています。

 

①契約者、変な人じゃ無いだろうな?

 契約者の中には詐欺まがいの人もいますし、パワハラチックな人もいます。
直接会って、まともな大家であることが分かれば担当者としても安心しますし、交渉の中で「情」が出てくるかもしれません。
最後は「人対人」だと思います。

 

②保険金支払いの流れを直接説明できるな

電話で説明するのって、難しいんですよね。
同じ話でも、電話で説明をするのと直接会って説明をするのでは、理解度は全然違うのではないでしょうか。
双方の理解をベースに話を進められることは、担当者にとっても有難いことです。

 

③今後の説明の際に、ラク

「あの時に見たあの部分ですが」とうように、イメージを共有しながら話ができるので、非常に助かります。

 

こんな感じで思っています。

よく「素人だから言い負かされるんではないか」と警戒する人がいますが、そうであれば懇意のリフォーム会社なり、管理会社なりに同席してもらいましょう。

 

 

2.入居者の火災保険(借家賠)について

前提として、今回は入居者の火災保険(借家賠)と、大家であるMさんの火災保険が同じ保険会社でした。

 

以下、Mさんが送ってくれたメールから抜粋します。

私=Mさんです。

 

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保険会社からの説明では、今回の対応について

 ・A社ではまずは賃借人様の持ち物の保証
   (注⇒これは家財のことですね)
 ・建物については一部対応

との事でした。

 

一部対応との事で何の事か理解出来なかったで深掘りしてみたました。

 

私:一部という事は全てのリフォーム代金が支払われないのでしょうか?

保険鑑定人(以下 保):減価償却等の発生するものについては減額された金額になります。

私:賃借人が原因なのに?私に費用負担が発生するのでしょうか?

保:厳密に言うとそうなります。その差額を埋めるのがMさんの入っている火災保険なので、心配しないで下さい。

私:もしかして大家が火災保険に入っていないと結構、辛い事になる事もあるんですね。

保:少なからず・・・・
  賃借人様の重過失による物でない場合は他の部屋や近隣住宅等も補償されませんので相当、もめる事が多いです。
  多くの人が火災保険には入っているのでお金は入ってきますが、多くの方が自分の保険を使うことに抵抗や憤りを感じられ、補償はされるが、気持ちの整理がつかないようです。

私:なるほど、では先ずはその損害費用の確定が大切なのですね?

保:その通りでございます。

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A社の担当者の説明も、当り前ですが的確で分かりやすいですし、現場で上手くコミュニケーションが取れている様子がうかがえます。

 

ここで、非常に重要なことが説明されています。

 

入居者の借家賠は「時価」払いである、ということです。

 

民法上の損害賠償は基本的に「時価」に換算した金銭で行われます。

自動車事故で追突(自分は過失ゼロ)されても、相手に新車を請求することはできません。

1日でも、極端な話をすれば新車の納車日に追突されても法律上は時価での賠償となるため、新車価格からは減価された金額での賠償となります。

 

話を戻すと、借家賠では時価での補償ですから「修理費が全て支払われない」となります。

具体的には修理見積を①部材費、②工賃に分けてみます。

時価であれば火災時点の経年劣化した状態に戻すまでが賠償義務ですから、部材を新品にする必要はありません。

しかし、実務上は中古部材を集めて修理などしませんから、新品の部材の費用から減価償却分を除いて支払います。

 

時価での損害額=「部材費×(1-減価率)」+「工賃」

(減価率は築年数によって変わってきます)

 

例えば部材費50万円、工賃50万円の工事を築30年(≒減価率50%)だとすると、

見積額100万円に対して、

「部材50万円×50%+工賃50万円=75万円

となります。

 

これを新旧交換控除といいますが、詳しくはグーグル先生に聞いてください。
これを理解できない方は、クレームを言ってきます。
「これじゃ直せない」、保険会社が「払い渋っている」と。

このような経験を受けて鑑定人が「多くの人が火災保険には入っているのでお金は入ってきますが、多くの方が自分の保険を使うことに抵抗や憤りを感じられ、補償はされるが、気持ちの整理がつかないようです。」と言う風に表現をしています。

 

今回は減額された部分=「部材費×減価率」については、Mさんの火災保険から支払われるので、担当者は「心配しないでください」と言っています。

 

今の火災保険のほとんどは「新価=再調達価格」で契約をするため、減価分を控除する必要がありません。

上手く説明できてますかね??

 

 

3.保険適用範囲について

次に保険の適用範囲についてのやり取りです。

 

*****************************

 ・全てのリフォーム費用
 ・見積りが全てではなくリフォーム途中で追加費用が発生する場合は追加請求も可能

 

私:今回リフォームの依頼をしておりますが、火事で全体に水も撒かれており、剥がさないと中のリフォーム内容がわかりませんので、その辺りはどの程度、見積りに反映すればいいのでしょうか?

保:基本的に中の部分も見積りに上げていただければ結構です。ただ、やりすぎの場合は私どもから見積りから削除させていただく場合もあります。
 そして、開けて見たら見積り以外の部分もリフォームの必要が出てくれば写真にとっていただき追加申請していただければ対応可能です。
 ただし、写真に写らない匂いについてはなかなか難しい部分もありますのでご了承ください。 

私:外壁にあるサイディングについてはどうでしょうか?一部分のみ替える場合、廃盤になっていた場合はどのような対応になりますか?

保:今回の場合、一部分のみになり判定が難しいところではありますが、今回の内容で全てを交換は難しく協議し、近いデザインの物を納めていただくことになる可能性が高いです。(申し訳なさそうに・・・)

 

******************************

 

ここも極めて重要なやり取りがされています。

 

「工事中に判明した損傷について」は追加で請求ができます。

もちろん、それが適正がどうかは査定をしますが、必要な費用については払ってくれますので、必要以上に警戒をする必要はありません。

 

「匂いについてはなかなか難しい部分」について

一定の手法、コストで完全に直せないものについては、どこかで妥協点を見出します。
本当に匂いを完全に取るとなると建替えとなってしまいますが、流石にそれは保険で対応できません。

 

「サイディングのデザイン」について

ここも、同じデザインで統一するためには全面的に張替える必要が出てきますが、そこまでは認められません。

 

 

4.保険協定金額について

最後に協定金額についてです。

協定金額とは、損害額(≒見積金額)から保険で支払う金額を、契約者、保険会社双方で確定することです。

以下、メールからの抜粋です。

 

**************************

 ・当事者である。私と賃借人からり災証明書をそれぞれ提出
 ・協定金額が確定したらそれぞれと協定締結

 

実際はリフォーム業者様へのヒアリングを行うこともあるとは思いますが、私の方で理解と納得をいただいた上で確定になるとの事

 

また、リフォームするしないは保険会社から見ると関係なく、何にどんな使い方をするかは気にしていませんとの事でリフォーム代金をローンを使おうが、追加費用を入れてグレードアップしようがおまかせしますとの事でした。

 

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保険の本質部分です。

 

保険は「受けた損害」に対して金銭に換算して保険金が支払われます。

「直した費用」に対して、支払われるものではありません。

 

また、どのような費用が支払われるかも決まっています。

修理見積の項目のすべてが支払われるわけではありません。

よって協定し、受け取った保険金をどの様に使うかは自由なんです。

 

皆さんには是非、この点をご理解いただきたいと思います。

 

 

5.最後に

現在Mさんは、複数社から修理見積を取りながら、今後の対応について検討をされています。

 

次回のコラムでは、具体的な数字を出しながらの検討状況について、書かせていただきます。

 

自分の物件が火事になった後、

皆さんならどうされますか?

 

全焼なら、立て替えるか更地にして売るかの2択でしょう。

今回は全焼ではありません。

直して貸すことが出来る状態です。

 

現場の写真も見ていただきながら、有事の際の対応について考えることで、「備え」になると思います。

 

明日、公開予定ですので、一連のコラムと合わせて是非ご覧ください。