先日、某ポータルサイトに掲載されている築古アパートが気になったので、不動産会社に話を聞きに行ってみました。

まだ売れていないと思われるため詳細なスペックは控えますが、ざっくりと以下のような感じでした。

・福岡県のどこか
・築40年以上

・木造アパート
・売値1,000万円未満

・表面利回り40%以上

この不動産会社の社長がなかなか面白かったので、ちょっと書いてみたいと思います。

 

 

 

資料ナシ・営業トークのみ

まず面白かったのが、物件資料などが1枚もなく、社長が営業トークのみで勝負してきたことです。

僕は事前に、電話予約していました。しかも予約時に「物件に興味があるので、資料をいただきたい」と伝えていました。まあ、このときの社長の反応も「大した資料はありませんけど、お待ちしています」みたいな感じだったんですけどね。笑

で、トークなんですけど、以下のような感じで押してきました。

・売値は土地値だ
・だからアパート自体はタダである
・売主が放置してたから今は全空だけど
・生活保護受給者で満室にできる
・しかも生活保護受給者の家賃は32,000円まで出る
・ということは32,000円で満室にできるので表面利回りは40%超だ
・結論、表面利回り40%超のアパートが実質タダで手に入るようなものなんだ

…こんな感じで、グイグイきました。笑

ポータルサイトでは分からなかったのですが、社長の営業トーク時に初めて全空だという事実が判明し、なかなか衝撃的でした。

このときはまだ部屋を見ていなかったのですが、社長と色々話しているうちに、部屋のレベルがどんなものなのか、何となく想像できてきました。

そして僕は、このように結論付けます。

・これは生活保護受給者に選んでいただけないレベルの物件(他にもっと良い物件がある)
・生活保護受給者に選んでいただけるレベルに再生するためには、多額の費用がかかる(1,000万円どころではない)
・僕にはお金をかけずにDIYで再生することなんてできない
・家賃20,000円以下に設定しても決まらないだろう
・もはや収益物件ではなく負動産

よって、僕は社長に「自分には運用できない」と、正直に伝えたのでした。

 

 

 

火事になったらぼろ儲けですよ!

ここから社長が、営業のギアをさらに上げてきます。
本当にあった嘘みたいな営業トークは、ここから始まるのです。

社長「アパート購入したら火災保険に入りますよね?こんなタダみたいなアパートでも、もし火事にでもなったらぼろ儲けですよ!

「いえいえ、そんなこと考えて購入しないですよ。笑」

社長「でも、価値のない築古でも、火災保険での建物評価は新築同然になるのご存じですよね?これ、もし火事にでもなったらぼろ儲けですよ!

「いえいえ、火事になる前提で購入しませんから。笑」

ここからさらに社長は切り口を変えながら、火事になったらぼろ儲けトークを計5~6回ほど繰り出してきました。笑

この火事になったらぼろ儲けトークを聞いていると、まるで「自分で火を付けたら儲かりますやん!」と言われてるような気分になるんですよね…。※あくまで僕がそう感じただけであって、実際にそう言われたわけではありません。

 

 

 

いざ内見

社長との会話は、気付けば1時間半以上が経過していました。僕が「購入は見送りたい」と伝え、不動産会社をあとにしようとした、そのときです。

社長「部屋、見てみます?」

ここでまさかの内見のススメです。

社長「たしか鍵が開いてる部屋があるはずなので、見てもらって構いませんよ。」

「そうなんですね。では、見させてもらいます。」

僕は、物件に寄ってみることにしました。

 

…物件に到着しました。

 

…廃墟です。

 

これはあかんと思いました…。

 

念のため、鍵がかかっていない部屋を見つけ、中を覗いてみたのですが…

 

これは酷い…酷すぎる…

 

もう気味が悪すぎて、僕はアパートをあとにしたのでした…。

 

 

 

世の中には色んな人がいる

まあ、こんな感じの社長ではありましたが、僕は変わった人や、人と違う人に興味が湧くタイプの人間ですので、社長との会話自体は面白くもあり楽しくもありました。

世の中には、本当に色んな人がいるものです。特に不動産業界は、濃いキャラの人がものすごく多い業界だと思います。そんな業界ですので、人に惑わされず冷静に判断するということが本当に大切になってきます。

今後も、濃いキャラの業界人に出会うこともあるかと思いますが、楽しみつつも自分の軸はしっかり持ち続けなければならないなぁ…と感じさせられた、社長の営業トークだったのでした。

 

あっ、話が少し逸れましたが、今回のこの物件…

もちろん購入しておりません!笑