今日は、チマタを賑わせるFIREについて、築古戸建て2戸保有の私が熱く語ってみたいと思う。

 FIREとは要するに早期リタイアのことだ。

 私の結論を先に言うと、まったく働かないことがFIREだと思っているなら、それを目標にするのはやめておいたほうがいい。

 は?ザコキャラクターに何が分かんの?と思うかもしれない。

 FIRE達成してから言えよ、ダセーなと。

 

 でももし、私がFIREしたことがある人だとしたら?

(「したことがある」というのがポイント)

 

 FIREを達成した人や、目指している人の話を聞くことはできるかもしれない。

 しかし「いったんFIREしたのに、そのあと鎮火してしまった人」の話は極めてレアだと思う。

 続きを読んでみる気になってもらえただろうか。

 それではぜひ、私の反省文に最後までおつきあいください。

FIRE達成までの道のり

 今から15年ほど前、「フガッ!」とあるインターネットのサービスを思いついた。

 私はプログラマーなので、それを自分で作ってリリースしたところ、予想を超える大ヒットとなった。

 1日の労働時間5分、年収2000万円くらいになった。

 というわけでFIRE達成!

 オレって天才!人生はチョロい!

FIRE生活の顛末

 当時まだFIREという言葉は存在しなかったが、自分がリタイアしたとかいう自覚はない。
 なにもしなくてよくなったから、なにもしなかったという、ただそれだけのことだ。

 軽率な私は、めんどくさい仕事を縮小し、とにかく楽に生きていこうとした。

 

 嫁さんとふたりで11時におきてブランチをたべ、テキトーにあそんだり買い物したりして、夜中2時くらいに寝る。
 だんだん昼夜が逆転していく。

 車はマーチ(中古)だし、旅行もほとんど行かない。
 多少生活がゆるくなったが、たいした贅沢はしていない。

 そんな生活が5年くらい続いたあと、少しずつ売上が下がっていき、自宅を買ったり税務調査で大ダメージを受けたり(!)して、だんだん状況が苦しくなってきた。

 長男が1才を過ぎたころ、このままじゃいかんとようやく気づき、下界(受注開発プログラマー)に舞いもどったというわけ。

 私は、7年つづいたFIRE生活を返上した。

FIREの問題点

 私は下界に戻った後すぐ、あることに気づかされた。

 7年におよぶだらだら生活のおかげで、とんでもなく自分がナマクラ化していたのだ。

 プログラマーとしても、完全に時代において行かれた。
 新しい技術がぜんぜんわからない。

 「FIREしても努力しつづけてればよかったんでは?

 ぐうたらしていたのが悪かっただけなんでは?」

 確かに、その通り。反論できない。

 でも、私にも言い訳くらいさせてほしい。

 

 厚生労働省の調査によると、だいたい40%の人が、自分を肥満または太り気味であると思っている。

 では、その人たちは、やせる方法を知らないのだろうか。

 そうではない。

 知っているけど実行・継続できないのだ。

 

 私の場合も、ある日とつぜん売上が下がったわけではなく、何年かかけて、じわじわと下がった。

 ダイエットと同じで、ちょっとずつ体重が増えてきたけど、明日がんばろう、明日はじめようの連続である。

 これを乗り越えられる人もいると思うが、私にはできなかった。

 その後、自分が元に戻ったかなーと思えるまで、2年くらいのリハビリ期間を要した。
 嫁さんにも、えらく苦労をかけてしまった。

もし目指すのならば・・

 ビギナーの私が言うのも何だが、特別な才能なくしてFIREを達成できる、たぶん唯一の方法が不動産投資だと思う。

 どんなに成功しても、親が聞いたら卒倒するくらいの借金を背負っているだろうだから、なんだかんだで「大家業」をやめるわけにはいかない。

 でも、買うのをやめたり、全部丸投げしたりして、ほんとうに何もしなくてよくなったとしよう。

 5年、10年とその生活を続けていると、おそらく誰でも、気づかない間に使い物にならなくなっていくと思う。

 

 いろんな考え方があるのはよく分かっているのだけど、それでも私としては、とくに若い人に向けて言いたい。

 

 はたらくことをやめるべきじゃない。

 そうではなく、プロの大家さんを目指せばいい

 

 洗練されたプロの大家さんならば、自分の力ではどうしようもない変化に見舞われたとしても、柔軟に機敏に対応できる。

まとめ

 私も、雇われることがイヤで自営業者になったクチなので、サラリーマンをやめたいという気持ちはよく分かる。

 だからといって「はたらかない生活」を目指すのは行き過ぎというか、あんまりオススメしないよ、というのが私の意見だ。

 最後に立ちはだかるラスボスは「じぶんの弱さ」である。

 こいつは本当にてごわい。

 

 ところで、私はこの経験を通して、得がたいものを手に入れることができた。長くなったので、それはまた別の機会にお話します。