皆さんこんばんは。

本日、某地元信用金庫に融資打合せに伺いました。

倉敷の美観地区という観光地があるのですが、そのすぐ近くの4階建てRCマンション 築38年 を購入するためです。なかなかこのエリアは物件が出ないんです。

購入価格は土地代相当額だったため、金融機関から「条件が良すぎて審査部から物件に何か問題があるのか追及されそうだ」と変な心配をされました。

結果、融資期間15年 金利2% フルローン内諾でした。

金利はちょっと高いですが、耐用年数オーバーの融資期間、フルローンは及第点かなと思い、その金融機関で進めることにしました。

 

ところで、先日収益物件を購入される方から、「融資特約ってあった方が絶対有利ですよね!」って話がありました。

 

「融資特約」とはこちらの楽待ブログを読んでいらっしゃる方々はほぼご存じとは思いますが、もし融資が通らなかったら売買契約を白紙撤回できるといった条件です。融資特約が無いと、融資不合格だと契約内容が履行できないわけで、手付金没収(もしくは違約金支払い)となってしまいます。

 

しかし、「あ~、この条件があると契約後にもし融資が通らなくても安心だなぁ」と思うのは短絡的です。

 

今回はその融資特約について関係者それぞれの立場から功罪を考察していきたいと思います。

 

 

しばしばここでお昼からお酒を飲みながらパソコン作業してます。

 

 

目次

①買主の立場

②売主の立場

③仲介業者の立場

④プラスのスパイラルとは

⑤まとめ

 

こんな流れでスタートしたいと思います。

 

 

①買主の立場

融資が通るかどうかわからないのに一か八か契約するって怖いですよね?

そこで、契約書に「融資特約」をつけることで、安心して取得に向けて話を進めていくことが出来ます。

マイホームを建てた経験のある方は契約書を読むと「融資特約」と書いてあるはずです。

その条件があることで「もし銀行融資が通らなくても白紙解約出来ますので安心して下さい」って契約時に営業マンから説明を受けたのではないでしょうか。

 

 

②売主の立場

該当物件の売却資金で借金を返したり、今後購入する物件の自己資金にしたり色々と計画しているわけです。それを購入者の融資がなかなか通らず、何カ月も引っ張られた挙句「すみません、結局融資が通らなかったので今回の話は白紙で・・・」などと言われると大変困ります。

したがって、売主の立場に立つと、同じ金額で売るのであれば「融資特約」という白紙撤回できる買主有利の条件がある契約より「融資が通らなくても現金で買うか違約金を払います」って人を優先したいのは当然です。

人気の収益物件は取り合いです。しかも、近年融資が非常に厳しくなっております。

最近は不動産屋さんから「融資特約無しの人を優先しますよ」って言われることも増えてきました。(懇意な不動産屋さんだと見逃してくれる可能性もあり)

 

 

③仲介業者の立場

 

先程述べたように、昨今数年前より融資が厳しくなっているのは周知の事実です。

そのような状況から融資特約の利用で何度もキャンセルになることに懲りてしまう不動産屋さんが続出しておりまして(売主からの信用失墜や、書類準備等の労力による時間的損失など)、当初から「融資特約利用の方お断り」のスタンスだったりすることも増えてきました。

その対策として買主側としては、欲しい物件が見つかると契約する前に事前審査をすることとなります。

「なるほど、その方法があるのなら安心じゃないか」と思ったら甘いです。

 

現実はあなたが銀行に事前相談している間に、潤沢な資金力のあるプロがその物件を奪っていきます。

 

これまでそれぞれの立場について述べさせていただきましたが、この厳しい現実はこのブログを読んでいただいている不動産関係者の方々はご理解いただけるのではないでしょうか。

 

そしてどの世界でも同じことが言えますが、一旦勝ち組に入るとプラスのスパイラルで勝つ人はさらに勝ちます。

 

 

④プラスのスパイラルとは

 

私が17年間収益物件の投資の世界にいて実感するイメージですが、不動産屋さんから物件の購入力があると実力を認められると・・・

 

 

  • 優良物件を優先的に紹介される

  • 優良物件は、エリアが良かったり利回りが高かったりする為、売却もしやすい

  • 売却となれば仲介ビジネスに貢献でき、さらに不動産屋さん人脈が増える。また、購入できた(融資を通せた)実績から不動産屋さんからも一目を置かれる。

  • 最初に戻る

 

 

先ほど、「売却となると不動産屋さん人脈が増える」と述べましたが、不動産屋さんは物件を長期で持ち続ける人より繰り返し売買してくれる人を好みます。なぜなら、売買取引がないと仲介手数料を得られないからです。その事情もあり、プラスのスパイラルモードに入っている人と付き合おうとします。

※手形貸付を除き、繰り返し売買する人を銀行は嫌がります(笑)

 

「そんなのあんまりだー!」と思われるかもしれませんが、サラリーマンの世界も一緒でしょう。

 

私が以前在籍していた住宅会社も、一旦売れているグループに入ると、フォローが追い付かないほど優良な情報が入り、売れてないグループに入るとひたすら薄い情報が入っておりました。厳しい言い方をすると、ワーキングプア状態です。

薄い情報を掴んで、忙しいだけでなかなか成果に結びつかないという負のスパイラルに陥っている営業マンを沢山見てきました。

 

私は入社時に売れてないグループから抜け出すのは相当ハードルが高いと見えた為、「この世界では勝ち続けるしかない」と自分に言い聞かせていたものです。

 

 

 ⑤まとめ

 

少し話が脱線しましたが、今回のテーマを統括します。

人気物件は売主も強気で、買主側有利の条件は嫌われるものです。

したがって、自ら融資特約を求めるということは、、、

 

「自分を守るとともに、チャンスも逃す」

 

ちょっと極端な表現だったかもしれませんが、優良物件を手に入れる為には自分のことだけを考えずに相手の立場に立って考えることが肝要です。

 

次回は、これまでのコメントでいただいたご質問をテーマに取り上げたいと思います。

 

ではでは。