TAKAさんが自宅の修繕で、資金繰りに苦しい工務店に先払いした話をコラムされていました。倒産リスクにも気を付けるようにという警鐘コラムでした。

 

今回のコラボコラムは、あまりにも切実な話のため少しボカシながら書きます。

 

あるときAさんが自宅を建てた時の話です。

大手ハウスメーカーも検討したようですが、信頼している設計士に設計をお願いして注文住宅を作りたいという希望もあったため、地元の工務店に工事を依頼するといいます。

 

工務店は地元である程度実績もあり、大手の下請けの仕事もしていたため、あまり倒産リスクなど考えなくても大丈夫だとも思えました。

ただ、慎重なAさんは信頼のおける設計士からも業界のうわさや倒産した場合どうなるかということを聞いていました。

 

設計士は、

「倒産した業者も見てきたが、倒産前にはいろいろな兆候がある。この業者はそんな兆候はない。また、できるだけ出来高に合わせて支払いをしていけば、リスクを減らせる」

 

と言います。

 

現在は国交省の対策も進んで、工事が終了して瑕疵担保期間であれば、契約時に業者が入る義務がある「住宅瑕疵担保責任保険」で対応できます。たとえ、業者が瑕疵担保期間に倒産したとしても、この保険から別の業者に修繕工事を発注できる仕組みになっています。

 

ただし、この保険は建物の引き渡しが終了した後が対象です。工事期間中に業者が倒産してしまった場合は、この保険は使えず、自己解決が基本になります。

(注:ケースによっては、他の保険もあります)

 

 

そうなると注文住宅の建設途中に、工事代金支払い済みの業者が倒産してしまうと、施主は大変なことになってしまいます。お金は払ったけど、業者が倒産すれば家は完成しません。建設途中で、工事がストップしホッタラカシなどという大問題になってしまうわけです。

 

そのため、大きな工事は契約時に〇〇%、着工時に〇〇%、上棟時〇〇%、竣工時に残金決済など分割で支払っていくのが一般的です。

 

設計士からアドバイスを受けたAさん。この支払の分割契約はもちろんのこと、途中途中で支払いをするときにも慎重に設計士の検査や判断状況を確認して、振り込みを行っていきました。

 

 

ただ、注文住宅を建てる場合は、想定通りに工事が進みません。

Aさんの土地は、地盤が軟弱だったことと、擁壁リスクもあったため、設計士と相談して通常の表層での地盤改良だけでなく、杭を入れたり深基礎にしたり、一般の工務店が自社だけで完結しないような工事も含まれていました。

 

かねてより、戸建やアパート建設が増加していた時期とも重なったため、工事は遅れに遅れました。当初、ゴールデンウィークの引き渡し予定が、結局、秋のシルバーウィーク引き渡しになってしまいました。6か月遅れです。

 

この間、施主側としては、銀行への土地代金の金利支払いが増える構図です。施主としては、単に遅れるだけではないのです。

一方、納期が延びることで施主から支払が無いと、工務店側も材料の支払が厳しくなります。資金繰りに響きますよね。

 

 

結局、Aさんの自宅は11月の引っ越し時にも完成していませんでした。

住宅ローンを受けるための手続き的なことは何とか終了しましたが、2個ある内のトイレが1個しか付いていません。部屋の壁紙も間違っていたり・・・

そもそも玄関に上がる2段程度の階段が付いていません。

 

設計士もあきれてしまいました。これでは、引き渡しを受けられませんが、住宅ローンの規定で、工事の支払いは済ませないといけません。

そこで、設計士が工務店をしっかり指導しました。住宅ローンの工事支払いは済ませた後、未完成部分の〇〇万円を、施主の口座に資金を戻すよう要求してくれたのです。

 

施主に残代金を戻したため、なんとか工務店も残工事をしっかり仕上げてくれました。

ただ、最後の支払をしたのは、引っ越しの3か月後の2月でした。

 

引っ越し後の家で、落ち着いた生活を始めた半年後の5月でした。Aさんは、ネットで建設系の検索をしていると、唖然とする記事が目に留まりました。

 

Aさんの自宅を建設した工務店が倒産だというのです。

完成後だったので、実害はほとんどないです。

 

ただ、こうなると、引っ越し時に、未完成部分の〇〇万円を戻すよう要求してくれた設計士のファインプレーが光ります。

 

まあ、工務店の倒産リスクは、割とあります。工事代金の支払いは十分過ぎるほど保守的になるのが必要だというコラムでした。

 

※コメントでご指摘があり、下記に読み替えてください。

設計士→建築士