皆様お元気ですか?

二代目大家かずみです。

今日も、私のコラムにお越しいただき、ありがとうございます。

少し前ですが、何気に行った本屋さんで見つけた漫画です。

最近はめっきり本屋さんに行くことも減ってしまいましたが、やはり行くと、様々な視点の本を発見できますね。

その中の一冊が、この漫画。

世田谷イチ古い洋館の家主になる

時々コラムでも書いてますが、私は美しい建物大好きです。それらが、壊されることには悲しみを感じます。去年も、東京・芝にある「クレセントハウス」が取り壊され、オフィスビルになるのを阻止したいという活動に協力をしました。古い話ですが、昔、(ですねぇ~~)、萩原健一さんがいしだあゆみさんと結婚された時の会場で、バルコニーに出た写真が週刊誌に一斉に掲載されたのをよく覚えています。とても美しい建物でした。

という、私でも、これはひどいのではないか?と思うのが、この漫画・・・

このフランス人の愛人というのは、デマのようですが、由緒ある建物。

持ち主もそれはきちんと理解しているだろうし、それなのに、売る決意をしたからには、それなりの事情がある訳で・・・ 

それを、「洋館を残したい」という気持ちだけで、金銭のめどもなく、反対運動を起こすのは、疑問が浮かびます。建築者である尾崎行雄には、尾崎行雄記念団体という団体があるけれど、手放しています。それを、SNSで解体の阻止を訴えるのは、なんとなく違うのではないかな・・・と。

反対側の妨害策は、土地の開発を行い、建売住宅を建設するのに必要な開発道路の設置に反対すること。
開発道路を設置するには、接道する私道の所有者の同意が必要だが、その所有者たちを説得して、とりあえず同意を保留してもらい、その間に対策を立てる彼ら。

建物は曳家を行い、奥へ移動し、手前に建売住宅を建設して販売しようとする対策。

この過程で、出てくる不動産業者。可哀そうに、いかにも!というような、悪人面。彼はただ単に彼の仕事を行っているだけなのに・・・ 業界の宿命なのでしょうか?

三億!

というセリフがありますが、

残したい!

という気持ちだけで、お金のめどもなく、反対をするのはいいことなのでしょうか?
漫画を読んでいると、作者やその周囲の登場人物は、全くの善意で書かれています。
しかしねぇ~~~ 売却したい所有者にすれば、そこで、何か月も経過すると、予算繰りにも影響が出るでしょうに・・・ その金額はおいくら? それは、善意だからと言って、邪魔していいことなの?と思ってしまいます。

また、漫画の途中には、日比谷の三信ビル、現日比谷ミッドタウンの開発に触れています。昔の美しい形のオフィスビルとして、価値が認められ、日本建築学会・日本建築家協会からも保存要望書が提出されたにも関わらず、解体されたとも。

とても、残念な話とは思いますが、所有者がその価値を認めていなければ、そして、所有者がその価値を維持できなければ、消える運命でしかないと思います。

この一巻は、邪魔してどうしよう?というところで終わります。

滅多にないことでしょうが、あなたが所有する建物を第三者に「壊すな!」と言われたらどうしますか?

じゃあ、買ってよ!

いや、そんなお金はない

それなのに、反対する・・・

残したい気持ちは、本当にわかるんです。だって美しいもの。でも、それを入手するお金もないのに、反対してもいいものなのか? なんとも、もやもやした気持ちになる、漫画の第一巻でした。

第二巻まで現在発刊されているので、次は、二巻について書こうと思います。

今日も、私のコラムをお読みいただきありがとうございました。