皆様お元気ですか?

二代目大家かずみです。

今日も、私のコラムにお越しいただき、ありがとうございます。

 

スマホのせいで、めっきりと読書する習慣が減ってしまったのですが、それでも最近読んだのが、この本

実録 脱税の手口

 

この本に登場するのは、まだまだ記憶に新しい「青汁王子」や「チュートリアルの徳井」を初め、不動産業界では、一時期、繁華街に必ずと言ってもいいほど、ビルがあった丸源など・・・
他にも、AV女優や元巨人軍投手・・・
さまざまな例が出てきますが、私にとって、参考になったのは、

日本の税制の基本的な考え方

税金の支払いを減らすには、売り上げを減らし、経費を増やすこと。
そのために、ありとあらゆることをするのですが、タワマン節税でも推察できるように、法律は後手後手になりやすいです。

それは、日本の税法上の抜け穴は、国内に存在する各種の利害関係を税法にパッチワーク的に反映させたことから生じている。これらを利用して節税を試みる企業経営者や富裕層と、躍起になってこの抜け穴をふさごうとする国税当局との「イタチごっこ」は、日本という国家が存続している限り終わりそうにない。

これは、この本の一文なのですが、一番大切なことかと思います。医師の優遇税制ってご存じですか?実は私の故主人は歯科医だったので、このシステムを利用していたのですが、それはそれは有利なシステムでした。いかにも、医師会からの突き上げ?って思ってしまいます。明確な利害関係があるのでしょうねぇ~~という感じ。しかも、医師は保険請求を国に対し行うから、金融機関からも高評価をえられます。

前回コラムで取り上げた、「インボイス制度」でも思うのですが、本来の目的を果たすために、シンプルな法律を制定すればいいものを、下手な下心をのぞかせて、ごちゃごちゃとした法律を制定する、とても悪い習慣があると思います。

わかりにくい、摘発しにくい、現金取引や帳簿未記載の業者を取り締まるために、インボイス制度を制定したいのなら、きちんと、インボイスを発行させるための制度を発足させ、それに従わない人々を罰則の対象にすべき。
そこに、消費税の免税業者を絡ませるから、法律の実行が複雑となり、どうしても、そこから、また抜け道を見つけようとする人々が生まれるのではないかと思うのです。
確かに免税業者が、消費税分を収入として得ているのに、申告しなくて済むという現状はよくないでしょうし、きっと免税業者に現金取引や不備な帳簿が多いという理由もあるのでしょうけど・・・

さらに、こんな記載もありました。

国税通知法が11年度に改正され、13年度1月から税務調査手続きが厳格化されたため、調査現場の担当者は事務作業量が激増し、調査方法などの研究になかなか時間をさけなくなった。(中略)現役の国税職員は国税OB税理士との会食を禁じられた、ところがこうした会食の席は、現役とOBが一杯やりながら、税務調査のテクニックが伝授される貴重な場になっていたという。(中略)帳簿上に明らかな不正があるのに気付いた。実に初歩的なレベルの不正だったが、会社に来た若い調査官はそれに全く気付かずにスルーした。

という状況ですから、イタチごっこはまだまだ続くでしょう。

上にあげた、丸源の社長が用いたスキームは、会社の移動。
本店地を移せば、管轄する税務署が変わります。そのタイムラグを利用していたようです。

均一でない税制は、そのヴァリエーションの多さに、対応が難しく、悪知恵を絞る人々はあとを絶たない、しかし、それに対応する税務署員は、サラリーマン。
自分で申告したことのある署員はどれだけいるのでしょうか?と思います。

納税は、国民の義務ですから、無駄にブラックリストに載ってしまうようなことはせず、きちんと納税すべきですが、可能なレベルでの節税はすべきです。
そのバランスを美しく保つために、正確な税金の知識を得ることは、必要なことかと思います。

私は、わからないことがあると、直接税務署に相談に行きます。ある時は、大規模修繕に関することでした。正確に帳簿へ記載するのなら、個別に分けるべきでしょうが、対応してくださった職員いわく、「個別にわけなくていい」と・・・ どういうことかお判りになりますか? 徳だ!ラッキーと思ったら、その時対応してくれた職員の名前を教えてもらいましょう。申告の際に、指摘されたら、職員の名前を言えばいいのです。(笑)

今日も、私のコラムをお読みいただきありがとうございました。