北国の大家です。

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<北海道江別市の日時計>

私の影(日時計)は何時を指していると思いますか?

 

不動産を売却すると売却益(損)が出ますよね。

売却益が出た場合、個人だと譲渡益課税(キャピタルゲイン課税)が発生します。

所有期間に応じて2種類の税率があります。

短期譲渡所得:不動産の所有期間が5年以内の場合、税率39%

長期譲渡所得:不動産の所有期間が5年を超える場合、税率20%

※今回は税務を掘り下げたい訳ではないので、5年の数え方、納税額の算出などには踏み込みません(汗)。

これは総合課税ではなく申告分離課税のため、年1回の確定申告の際に、その他の所得とは別に納税額を算出します。

分離課税は、申告分離課税源泉分離課税の2種類があります。

不動産を売却した際は申告分離課税として、売ったその時に課税されるのではなく、年1回の確定申告で納税します。

対して利子所得は、源泉分離課税としてその場で課税・納税され、確定申告する事は出来ません。

不動産を売却した時の納税は、その場ではなく、年一回の確定申告の時にまとめてですよ!という事です。

ここまでが、個人の場合です。

次は法人の場合です。

年1回の決算時に、売却時の利益に応じて納税します。

法人は不動産の売却益も分離課税ではなく、家賃などの事業所得と合算した、営業利益→(税引前)純利益に対して課税されます。

個人・法人共ともに、決算・確定申告で納税した場合、翌期の途中(確定申告の半年後)で税金の前払いをする必要があります。幾ら以上だったらという基準(閾値)があり、法人税・所得税・消費税により異なります。

予定納税(税金の前払い)

です。個人事業は分離課税のため、売却時の・・・

譲渡益課税の予定納税(税金の前払い)がありません!

その他所得と分離されているので、確定申告で一回支払うと終わりです!

対して法人は、売却益の高額な納税は、決算の1回だけでは終わりません。

たとえばこんな感じです。

例)法人:5月決算

令和3年5月 決算月

令和3年7月 納税(締切)

令和4年1月 予定納税(納税の締切6か月後)

税を集める側から見ると、税の平準化のためです。

集めた税の支出を考慮すると、年に1回ドカンと貰うより、中間で半分だけ納税させて、税の平準化を図るといった趣旨だと思います。

支払う消費税の額により、消費税を毎月支払う事業者もいます。

我々事業者から見ると、決算の半年後に、半年前の納税額の半額を納税する。更にその半年後に、実際の決算をする。

これでやっと、実際の納税額との差額を精算する!

そんな感じになります。

数字を入れて具体的に見てみしょう。

令和3年5月 決算(5期)

令和3年7月 納税(法人税100万円、消費税200万円)

令和4年1月 予定納税(法人税50万円、消費税100万円)

令和4年5月 決算(6期)

令和4年7月 納税(法人税5万円、消費税10万円)

この場合は、

(予定納税)法人税50万円(決算)法人税5万円 → 税還付45万円

(予定納税)法人税100万円(決算)法人税10万円 → 税還付90万円

の合計で※135万円が確定申告提出後に、税還付されます。

この時!6カ月間に渡り、政府(税務署)に資金を預けていたので、少しばかりの利息が付いて戻ってきます!これを

還付加算金

といいます。早い話が受取利息のような物です(汗)

還付加算金の利率は毎年変わり、

令和4年の利率は0.9%

135万円x0.9%→1万2千円(12か月分)

1万2千円(12か月分)x0.5(6か月分)→ 6千円

令和4年7月に事務処理される還付加算金は、6千円となります。

北海道だと確定申告後の3週間後、この場合だと令和4年8月下旬に入金になる場合が多いです。

私も昨年は1棟売却したので、最近ですが還付加算金を頂きました。

年利0.9%は喜んで良いのでしょうか(汗)!?

今のご時世、1年定期が最高で0.3%(メガバンクは1/100程度)、10年物国債が0.25%なので、強制的に集められる予定納税とは言え、利率を見ると印象は悪くないかと思いました(汗)。

不動産の売却時は、課税法人だと消費税の納税額が大きくなりがちですし、不動産(建物)は、2020年10月から仕入れ税額控除が認められなくなりました。

その結果、法人税より消費税の節税が難しく、結果として課税法人で不動産を売却した場合、決算期と(半年後の)予定納税の2回分、つまり

納税する消費税の1.5倍を用意する

必要があると思っても良いほどです!

※実際には仮決算することで回避することが出来ます。

※私は仮決算しないタイプなので、こうなりました(汗)。

売却の際は予定納税を意識して、資金計画を立てるのも重要かと思います!

楽待新聞・初めての不動産投資をしっかり読むとわかる事かもしれません(私は読みましたが、すっかりと忘れていました(汗))。

 

今回のコラムは如何だったでしょうか?

私達夫婦はコラムを通じて初心者の方に、不動産投資に取り組む際の「情報」と「勇気」を届ける事をテーマとしています。

我々の実践行動が、少しでも皆様のお役に立つ事を願っています。

―以上です―