『ていうか…大家っちは当然、宅建もっているよね?』

※宅建とは…宅地建物取引士の略称。毎年20万人前後の受験者数を誇る国内最大規模の国家資格で、今年は楽待コラムニストの妄想大家K氏が受験を予定している。不動産取引のプロフェッショナル(宅建士)を意味する。宅建士だけに許された独占業務として「重要事項の説明」や「35条書面(重要事項書面)への記名」「37条書面への記名」などがある【楽待相談室:北国の大家さん回答より抜粋】

 

オーナーチェンジで購入した物件に住んでいる

入居者さんからの想定外の質問に

思わず言葉を失う大家っち(著者)

 

言葉を失った理由は2つあった

まず1つは「なぜ入居者さんは宅建の資格の有無について訊ねるのか?」

そしてもう1つは「著者は宅建の資格を保有していなかったから」

 

動揺しているのを悟られないように

とにかく落ち着いて言葉を選び

普段よりもゆっくり喋るように心掛ける

『えぇっと…すいませんが、私は(宅建の資格を)持っていません。

不動産に関する業務全般に関しては、基本的に不動産屋さんにお任せしています。

あくまでも大家という立場ですが…何か気になりますか?』

 

入居者さんは「そっかぁ…」とひと言

短い間があって、その理由を教えてくれた

『そしたら大家っちが分かる範囲でいいから教えて欲しいんだけど…アタシの知り合いで保証会社の審査に100%通る人がいるの。

その人に申込みだけしてもらって、後からその部屋の入居者が変わったから…って、そこにアタシが住むのはアリかな?』

 

ようやく質問の意図が分かった

そういう方法は大丈夫なのかどうかを

プロ(宅建士)に聞きたかった訳か

 

部屋探ししているときに

不動産会社でそれを聞かないのは

本人も真っ当なやり方ではないと察しているからか

 

あくまでも”私が分かる範囲”という前置きで

それは善くないですと伝える

すると彼女はまた「そっかぁ…」とひと言

その後、この入居者さんとは会っていない

基本的にやりとりはスマホのメッセージ機能を利用している

オーナーチェンジ物件とはかくも難しいものだ

 

つづく