今日から戸建投資(企画コラム)が開始されるとのことで、私も戸建コラムを書きます。

私の場合、賃貸用戸建を購入したのは1軒だけです。投資初期の2010年の話です。

その時の詳細な実例を紹介させていただきます。

 

本日の構成

1.中古戸建を購入

2.購入後リフォーム内容

3.シェアハウスを自主管理

4.運営実績

5.今後の予定

 

1.中古戸建を購入

借地権戸建を購入

私が1棟マンションを初めて購入したのは2011年です。その前の段階で区分マンション2戸と戸建1を購入しています。

投資物件では3戸目になる板橋区の戸建を2010年に購入しました。

 借地に建つ築20年弱の中古戸建でした。借地面積50平米、12階が35平米づつ、床面積70平米LDK戸建でした。

この戸建を1180万円で購入しました。地代は月額9千円弱でした。

借地権ですがお寺さんが地主で建て替え時の承諾料が不要というのが魅力でした。(売却時には承諾料10%が必要)

立地はターミナル駅池袋駅から私鉄で3駅の駅徒歩5分で、池袋に出やすい好立地でした。

 

2.購入後リフォーム内容 

購入後、シェアハウスにするつもりで内装および外装をリフォームをしました。

4LDKで4部屋が独立していました。個室4部屋は洋室2室(6畳、4.5畳)、和室2室(6畳、6畳)でした。

 

シェアハウスにするので個室の外からも中からも鍵がかけられようにしました。

見た感じが古かったので外壁塗装壁紙や床の張り替え等の表層リフォームを実施しました。あとは、浴室やキッチンなど水まわりの交換をしました。リフォームは全て外注です。工期1か月程度です。

その時のリフォーム総額は税込350万円でした。

参考までに個々のリフォーム項目と費用を記載します。

合い見積もりをとり、1社を選定しましたが、良心的な工務店さんでした。

今思えば使えるところはそのまま使うなど、少し項目を削れば良かったかもしれません。

戸建キッチン

(↑戸建キッチン)

畳表替え・クロス張替・CF張替・襖/障子張替 35万円

洋室(2室)・LDK・廊下 フローリング張替 26万円

建具・鍵 洋室押入れや天袋の金物交換、各部屋の鍵設置 24万円

浴室ユニットバス交換(給排水管工事含む) 40万円

洗面所工事 洗面台・洗濯パン交換(給排水管工事含む)12万円

トイレ工事 トイレ交換・ウォシュレット(給排水管工事含む)15万円

キッチン工事(ノーリツI型2100 30万円、給排水管工事含む)53万円、ガスコンロIHに変更4万円

電気工事 コンセント移設追加、コンセント器具交換 13万円

外壁塗装工事(足場含む)66万円

ハウスクリーニング 7万円

給湯器交換(追い炊き16号)13万円

撤去工事・処分費 14万円、養生費2万円

諸経費・運搬費 10万円

消費税(5%)16万円

 

3.シェアハウスを自主管理

自主管理に挑戦

シェアハウスは一般の賃貸物件より入居期間が短く、手間がかかります。家族でない複数の人間が一緒に住むので、馴染めない人もいます。

退去すれば入居募集を行いますし、退去後の清掃、内覧、契約など細かい業務があります。

家賃が安いなど引越しのハードルが低いことから、属性の微妙な方も入居されます。

一般の賃貸なら保証会社審査がありますが、この時は自身で入居者の審査をしました。勤め先や収入額、身分証(免許証)提出緊急連絡先(親族)など基本は保証会社審査の時の情報と同じです。

家賃の振込が遅れる滞納がちな人もいました。今と同じですが、電話での督促となります。

 私の場合、会社からも自宅からも30分程度で通いやすい場所にあり、なんとか自主管理することができました。おかげで高利回りを実現することができました

 

女性専用ハウス運営時の工夫

 シェアハウスの場合、賃料の2割程度の委託料を払って管理委託するケースが多いです。自主管理をするだけで2割ほど収益がアップします。

シェアハウスは普通の賃貸物件に比べて入居者とのやりとりが多くあります。人と接するのが好きな人なら良いと思います。

 シェアハウスを借りる人の7割は女性です。そのため女性専用シェアハウスの需要があり、女性が運営するのに向いています。

 

どんな物件が向いているか

 シェアハウスに向いているのは戸建住戸ファミリータイプマンションです。

 トイレと洗面所が独立していて、それぞれの部屋が独立しているなど、シェアハウスに向いている間取りがありま

戸建シェアハウス(4LDK)の間取り↓

戸建間取り

 

入居募集

 入居募集はインターネットで行いました。無料で入居募集を行なえるサイトがいくつかあります。空室が出たときには、募集サイトで問合せを受けます。普通賃貸のウチコミやジモティーでの募集と同じです。

ちなみにウチコミでもシェアハウスの募集を見かけます。

 

家賃設定

 家賃設定は近隣のワンルームマンションより2割程度安くしました。月額5万5千円で光熱費は別です。定額で徴収してあとで実費清算していました。

 光熱費は冬1人8千円、春・秋5千円ほど。一人暮らしだと1万円以上かかります。インターネットも無線LANで使い放題です。

 一人暮らしをトータルで考えれば、マンションを借りるより安くつきますこれが入居者側のメリットです。

 

契約方法

私は契約も自分で行いました今は所有物件の賃貸契約書を自分で作成します。この時も勉強がてらですが、定期借家の契約書を自分で作りました。ただ、変な人が入ってきたら大変なので、そこはリスクヘッジとして、初めは3ヶ月間の短期間の契約にしました。

 そして問題なければ、次に11ヶ月の形で契約する形をとりました。1年以上の定期借家契約を結ぶと、退去通告を半年前に行わなくてはいけないからです。おかげでトラブルになりそうな入居者には、スムーズに退去をうながせました。

遠隔運営の仕組みづくり

 自主管理で行うと考えた時に、働いている自分がまめにハウスへ行けないため、遠隔運営の仕組みづくりを行いました

 共用部の掃除は当番制にして、ゴミ出しや掃除の当番表を冷蔵庫にマグネットで貼り、誰が見てもわかるようにしました。掃除も分担し、リビングの掃除は誰、階段は誰なのか割振りします。

 それでも当番をやらない人がいて、トラブルになりました。その時の経験が今の賃貸経営に役立っています。

 

協力者を見つける 

ハウスの中で協力者を見つけ、その人に内見時の案内をお願いしたり、修繕工事の立会いをお願いしました。内見案内料や修繕業者が来たときの立会い料として、きちんと謝礼を支払いました。

 貸す側のメリットは、シェアハウスは原状回復費がほぼかからないことです。禁煙にしてペット飼育不可にしたので、退去時の掃除程度で十分でした。広告費もないですし、仲介業者さんを通さないので契約時の仲介料もいりません。

 とにかく遠隔運営をできるようにシステム化して、自分はできるところまでやりました。当時を振り返るとシェアハウスはとてもよく運営できていたので、もう少し持っていればよかったです。

 

出口戦略

 なぜ戸建物件を狙ったかといえば、もしシェアハウスがうまくいかなくなったら、マイホームを探している実需層に売却すれば良いと考えたからです。

 借地権の場合、投資家では銀行からの融資は難しいですが、自分で住むのであれば住宅ローンを組むことができます。

あとで振り返れば、しっかりと出口を考えたうえでの投資でした。

 

4.運営実績

20107月に1180万円で購入して、リフォーム工事を実施しました。8月途中から募集し、9月からシェアハウスとして運用開始しました。

その後201112月にシェアハウス運営会社1750万円で売却しました。

リフォーム費用に350万円、売却時に地主様(お寺さん)に承諾料として売却代金の1割(175万円)払っています。改装費や購入時と売却時の仲介手数料を考えると売却益はそれほどありません。

運営時の収益ですが、満室時家賃21.5万円で入居率95%以上でした。(2部屋は開始当初から売却時までずっと同じ方)

13か月として、21.5×15か月×0.95で運営時家賃収入300万円位です。

年間家賃(満室)258万円です。

購入価格は1180万円ですがリフォーム代350万円です。

購入価格だけで考えると利回り22%です(リフォーム費込みで利回り17%)、それを14.7%で売却しています。

ちなみに普通に賃貸に出すと月額家賃(共益費込で)14万円位だと思います。(都営線地下鉄駅から徒歩10分、池袋駅まで6分の私鉄駅から徒歩5分)

それをシェアハウスにすると月額21.5万円と1.5倍の家賃になる、という理屈です。

 

5.今後の予定

シェアハウスを増やすつもりが・・

 1軒目のシェアハウスの運営が軌道に乗ったので都内にシェアハウスを増やそうと動いていました。買付を入れてリフォームの見積もりをとって、買う直前までいった物件もあります。

 ここで急にターニングポイントが訪れます。金持ち父さん貧乏父さん出会い、私は「買い進めるスピード」に反応しました。

シェアハウスを11軒オープンして家賃収入を増やすより、1棟マンションをどどーんと買っていく方が、規模拡大しやすいと考えました。

実際に購入する手間を考ると戸建や区分1戸買うのも、1棟マンション(アパート)を買うのも手間はそれほど変わらないです。

2011年から1棟マンション購入に変更してからは、戸建や区分マンション購入を封印していました。

 

ただ、今のように物件価格が高騰している時期だと、1棟マンションや1棟アパート購入は高値づかみになりがちです。

そのような懸念もあり、今年に入ってから久しぶりに区分マンションや土地値アパートといった小ぶりな物件を検討している次第です。(20221027日のコラム「区分マンション・土地値アパート買付実践報告」参照ください)

今も小ぶりな物件をふくめて物件探しをしています。

今回のコラムが何かの参考になれば幸いです。

引き続きよろしくお願いいたします。