買ってすぐ転売して儲かってヤッホー!
みたいな話
「買って2-3年で売って凄い儲かった」
そんな話を人づてに聞いてはちょっとうらやましいなって思うわけです
私は以前から書いている通り、原則生涯持ちきりを前提として、土地の領地を広げていくような地道なやり方をしておりますので、キャピタルゲインがどうっていう発想で購買判断をすることはありません
※もちろん、持っていれば売れば儲かるっていうような、値上がり期待できる立地は選好しております
■どの位儲かるのか?
1億円の物件を買って、1.2倍になるとしますよ
ただ、往復諸経費手数料で9%程度は掛かるとしたら、11%しか儲かりませんね
3か年で取り組んだら(一旦CFや残債減少は無視して)、このPRJの利回りって3.6%です
意外と儲からない。1年で仕上げれば11%ですが、慌ただしすぎて個人投資家に出来んのか?って気はします
そんで、値上がり期待が強く堅い物件ほど、エントリーの利回りも低いです、だから、保有期間中のCFが薄い事は当然のこととして、そもそも自己資金が2割で済むかっていうと、そうでもない、3割あるいはそれ以上を要するケースもあります
だから、短期の転売益一本狙いって考えるなら、正直1.2倍じゃリスクに対して見合わないし、一言で言えば割に合わない。ちゃんとCF作って保有していく方が安全だし、確実性高く投資が出来ると思っています
1.4倍になるって期待出来れば、その限りではなさそうですが…
■これって個人投資家が取り組む価値があるのか?
色んな物件や事例を見るに成り立ちうるとすれば
①手堅い場所に手堅い物件を買って普通に相場で上がる
②再開発エリア周辺等の値上がり期待が高い所で上手く買う
③単にスペシャルディールで仕入れ値が安かったから当然に高く売れる
④バリューアップ
こういう事ですかね
ただ、「①」についてはアンコントローラブルですし、急騰するという具合の場所ほど、読みが難しいです。「②」については、入るタイミングにもよりますが、都心でこれをやろうとすれば、利回り3-4%の中での選別になると思います、結構チャレンジャーですね。「③」については、運と縁とタイミングですから、買取再販事業者に勝てると思えませんし、再現性があるとも思えません。「④」についてはハマるケースがありそうだと思いつつ、短期を前提にするとかなり難易度が高いと思います、たまたま周期の近い定借の店舗ビルで上手く回転させて賃上げとか出来る目途があれば別ですが、そんなめぐりあわせは中々ないし、レントのギャップが大きいと、それが分かっていれば購入価格もそこまで安くはない
というわけで、
そういった難易度の高さ、不確実性がある中で、前述の通り、1.2倍程度では割に合わない、というぐらいのハードル感で取り組むには、個人投資家には向かないと思うのです
■業法や融資を考えるとやや微妙である
短期転売を繰り返せば、業法違反になるリスクもあります、宅建業者でないと本来は業として買取再販することはしてはいけない。実際に指摘されるかという確率は低いと思いつつも、そういった配慮をする事自体、気持ちの良いものではありません
次に銀行融資も懸念する所があります
そもそも銀行は、長期賃貸経営を行う事を前提とした融資で稟議をしています、だから35年融資が出ます。やる時から転売を目的として行うなら、業者向けのローン(例えば3年で返済等)であるべき、と考えられるところです。要は、転売が繰り返されれば、稟議内容と異なり、心象は悪くなり、以降の融資がSTOPになるリスクが十分あると考えています(実際、そういう事は聞いたことがありますが、やはり余り宜しくないようです。そもそも売って返済してしまうから、銀行が返済を迫るとか、具体的になんかできるわけではないのですが、次以降に差し支える、そういうこと)
■結論としては戦略じゃなくて結果ですよね
「短い間で高値で売れた儲かった!」
よろしいことです
ただ「転売に成功しなければ意味ない」という買い方、それは我々にはちょっと違うと思うんです。我々が使える時間、事業でやってる仕入れ業者との時間とノウハウの差、色んな事を考えれば、「転売しても儲かるような物件を買って保有する」の目線であって、それ以上でもそれ以下でもないかと思います
で、そういう話を聞くところ
やはり結果論だと思うのです
個人投資家には個人投資家らしい闘い方かなと思っています
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