特に、新築、築浅のレントロールの評価について

最近、何人か、不動産やってる比較的エントリーな方(1棟買ったよみたいな感じの人)と話したのですが、レントロールの評価が雑だなって思いました。特に、新築~築5年内ぐらいの築浅についての話題

販売広告上の利回りって、想定ですからね
想定が自分で回せるかって話なんですけど、意外としっかり精査してない人が多いんだなって

■募集をずっとやってれば痛いほどわかる

賃料設計してしっかり高稼働維持するのって実際大変
”想定レントロール”を渡されて、「はいそうですか」で回せませんよ

仲介は、「このあたりはこのくらいです」と言うかもしれません
でも誰もケツは持ってくれない

いざ、やってみて、5%賃料設計がズレるだけで、表面利回り5%の物件は4.75%の物件になります。そう、その場合、最初から4.75%の物件だったんです

■中でも新築~築5年程度の築浅が怖め

①新築で空渡し
そもそも想定レントロールで埋められるの?って話。無茶すぎるの結構ありますね。どう考えても分かるだろ、というレベルの乖離(+1割とか)も見かける。でもこれで利回りでるっていって、そのまま鵜呑みに進む人はいるんですよね

②新築だけど満室渡し
「実際にその賃料で入っているから問題ない」と言いたいのはわかります
でも、新築でかつ無理な募集の仕方をして、アゲアゲで入ってるだけでは?そういうのもよく見ます。なぜその賃料で入ったのか理解不能な物件。まず間違いなく次の回転では維持は出来ないと確信してしまう

③~築5年程度の築浅
「5年も運用できているから問題ない」と言いたいのはわかります
でも5年だと全部入れ替わった形とは限らないですよね。その意味では「②」と同じ懸念はあります

逆にこの点、築40年とかで回している物件の方が安心感はある(別の課題は沢山あるが、、、)

■「新築空渡し」は時期にも注意

12月とかの引き渡しなら繁忙期使えるので優位。ちゃんとした立地の物件で賃料設計ミスってなきゃ1-3で確実に埋められる
7月とかに引き渡されると辛いですよ、15室とか空から埋めるのはツヨツヨな物件でないと容易じゃない、うまくないと翌年1-3まで埋まらないとか、昨今の23区の弱い市況だと全然あるです

物件ありきなのでコントロールはできませんが、そういったリスクは理解して進まないとガッカリします

※余談ですが今建築PRJもやってて、繁忙期にあてられるように進んでます(ズレるかもですが)

■レントロールの評価でやってること

私が最低限やっているのは、

①ポータルサイト上の賃料条件の集計
②競合物件の募集広告(AD表記含め)※仲介さんから
③管理会社への賃料査定(1社又は不安な場合は3社)

①の平均、②から考える適正値、③の査定値、の最も小さい数値を参考しています
募集して高稼働維持するのは大変なので、本当にここは慎重にしています

買いたい時って買いたい病に掛かっているので、むしろ「このくらいでも入るっしょ」って楽観視しちゃったりもするんですよね。いやむしろそこは慎重に、ここ間違えると買値そのものが誤っているってなりかねないわけで

※「③」の賃料査定は、複数の取引ある管理会社様にご協力頂いています

ここ間違えて、買ってしまったところで、まぁ入るかもしれませんが、思ったより募集期間が長く稼働率が確保できないとか、全然ありますし。「その賃料でも入る」というのと「その賃料ですぐ決まる」の間には雲泥の差があると思っています、ここ結構重要な差だと思っています

賃料査定は購買の最も重要なプロセス、だと思っています