みなさまこんにちは!

ストレージ大家のひらです。

先月末に書いた今の時期に(今の時期の物件を)購入するのはハンデがあると書いたコラム、今も実践コラム1位で(2/1時点)思った以上の反響を頂いております。今も昔もここ楽待コラムでは購入した後のことには興味がなく購入する前のことに関心が一点集中しているという傾向を改めて思い知らされました。
反響が大きかったことには掘り下げていくのもコラムニストの役割かなと私は思っているので(掘り下げられることがたくさんあれば)、いくつか掘り下げていきたいと思います。

まずハンデのところをもっとわかりやすく(乱暴に)ハンデの金額として計算したいと思います。

それにあたって、築22年地方RCファミリータイプを、これはありえないことなのでお叱りを受けるかもしれませんが、全くの同物件を時期だけ変えて購入した場合として計算します。そうすることによって今回利回りの差が具体的にいくらの差になるのか?を露わにすることが目的です。

10年前 12%
今年 10%
3年後 11%

上記を仮として想定します。
あくまで相対的なものなので築古木造や人気地方都市などの場合はこの数値をいじってもらえれば出てくるようにはできると思います。
本来ここに入ってくる地価、家賃、金利、電気代、保険代、リフォーム代などについては一旦無視します。
ちなみに特殊なエリアで地価と家賃が上がっているところはあるかも知れませんが、他は基本すべて悪くなっています。手取り利回りは年々悪化していく一方です。

こういった見比べ方は不動産投資ではまずやらないことですが、THE投資である株式やFXではむしろ当たり前にまずやることです。チャートを見て今がどんな相場か確認して投資するのです。例え優良な投資でも高値づかみしては勝てません。本来不動産も同じのはずです。まあ株やFXには経年劣化もないですし不動産のように1つとして同じものがない訳ではないのですが。

ではこのハンデが具体的にどのくらいか計算していきましょう。
まず12%の買値をわかりやすく1億円にします。
つまり家賃は1,200万です。ここは変わりません。
すると買値は次のように決まってきます。

10年前 12% 1億
今年 10% 1.2億
3年後 11% 1.09億

純粋な購入時の相場の違いによる損害額は、10年前の条件で購入できた人と2%差がつくとして純粋に2,000万今買う人はハンデを背負うことになります。
この2,000万の差は一体何なのか?というと不動産投資では返済の多さ、総額で支払う利息の高さ、残債が減る速度の遅さ、ということに具体的にはなります。
現金買いの人がもしいたらその場合は利回りの低さ(1万円で稼げる金額の多寡)、拘束される現金の多さですね。

ただ、実は過去の相場で買えた人のことは本来意識しなくてよいはずです。別に今の利回りで購入しても運営できればいいだけですよね?
実は問題は今後もっと相場がよくなった場合(今より高い利回りで買えるようになった時)にあります。
こればかりはいくら考えてもわかりません。(予測できるという人がいますがそれは不可能です。できるなら全財産かけていけば世界一の大金持ちです)

ただ従来投資というものには必ず波があって必ずといっていいほど今より高くなることもあれば低くなることもあります。
それは不動産投資でも同じです。
ですから危険なのは例えば3年後に暴落した時だということになります。その時にその時の相場で購入した人と大きなハンデをつけられてしまうからです。

このハンデには2つのハンデがあります。
1つは3年後の方は今買った人より良い条件で運用できること。
2つは3年後に売却しようとした場合キャピタルロスが出ること。

1つ目はあまり気にする必要はないでしょう。うちはまだまだ家賃下げられるよ、なんて話には普通なりません。
問題はやはり2つ目の物件価値が下がっていることです。
よく私は売るつもりはないから関係ないという方がいますがそれは間違った考え方だというのは私のコラムでは書いてきています。今回その議論には触りませんが、少し計算だけしておきます。

売却は3年後購入できる金額と同値、そのままとします。
ですから3年後購入した方は当然そのまま売れば諸経費や往復の仲介手数料が損害となります。標準的にはおおよそ10%強でしょう。このハンデ(リスクを負わない人に支払う費用,ゲーム参加費)が不動産投資の場合大変大きいです。1億なら1千万のハンデですね。金額的には青天井でひどい体質です。
さらに今の相場で購入してしまった人は、先に計算した1,100万(0.11億)のハンデがそっくりプラスされます。
ただ諸経費は110万程度の差(あくまでありえなくてもハンデの額を計算するために同じ物件を購入したらで計算しています)なので、大きな差はやはり相場の差である1,100万となります。
合計すると 1,210万のハンデですね。
これが2%差で購入した場合の純粋なハンデの金額です。

ここに運用による手残りや融資の違いが入ってきますが十分文字数が多くなってしまってるし何よりちゃんと切り分けたいのでそれらは別途コラムを分けたいと思います。

まとめ

物件の価値、収益物件の価値というのは10年前も今も3年後も基本は変わりません。
12%なのか10%なのか11%なのかはその時の相場やコストや融資に左右されているだけです。
そしてこの差とは実は売却した時の金額の差になります。過去に遡及することに意味はなく、つまり実は未来の価格がどうなるかにこのハンデの正体はなってきます。

売らない限り顕在化はしないといえばしません。(金融機関にとって信用の毀損という形で影響が現れるとは思います)
ただキャピタルロスが出ている物件は時限爆弾を抱えて運用しているということですしどこまでいってもこの1,210万の差は付きまとうだけです。
当然ながら今でも以前と同じ利回りで取得するか、もっと良い条件になるまで待つかすればこのハンデはもっと緩和されていきます。ただ後者は誰にも結局のところわからないことが問題です。
この辺の結論は全体の条件が揃うまで持ち越したいと思います。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!