みなさまこんにちは!
ストレージ大家のひらです。
次のコラムも用意していたのですが、昨日急なとんでもない時事ネタが飛び込んできたので急遽割り込みます。
その時事ネタとはユービーエム株式会社の破綻です。
ユービーエムと言っても知らない人が多いでしょう。
主に都内でRCの新築を手掛けている会社です。
個人投資家が中心の会社のはずです。
つまり私達のような個人の大家さんが新築RCでよく使う会社なのです。
私がユービーエムと知り合ったのは2019年の新築お披露目会でです。
都内好立地に高い利回りで新築RCを建てられた大家さんの内覧会に誘って頂けました。
ちなみに女性大家さんです。
都内23区でしかも人気駅近くという立地の新築RCとしては立派な利回りを叩き出していました。
こんな実績を出していたからでしょう。
個人投資家にはともかく都内新築RCの建築会社としては口コミで広がっていきましたし人気のある建築会社でした。
こういう内覧会というのは内覧以上にその後の懇親会こそ価値があるもので。
その時知り合った大家さんの中には今でも良い情報やきっかけを頂いている方がいます。
その時施工主のユービーエムさんとも知り合いました。
その後私が検討していた都内RCで密にやりとりし見積もりを出してもらいましたが、正直高かったのでやめてそのままとなりました。
いろいろ交渉しに(主に地盤など)江戸川区の本社に行ったこともあります。
途中、懇親会で知り合った時にいた担当が辞めてしまい、なかなかその後引き継ぎがうまくいかなかったということもあります。
まだHPが見られる(2/2 19時時点)ので一部転載しておきます。
商号 ユービーエム株式会社
設立 1991年10月1日
資本金 4,000万円
事業内容
【建築工事一式請負】
RC造・S造・W造・2×4構造
リニューアル・改修
耐震対策・耐震補強
私の知る限りですがRCが中心で木造は見積もりとってもあまりいつもやる気なく、一応木造もやりますけどねという程度で、単価も高かったです。
最近全く縁は無かったのですが、まさかそのユービーエムが破綻とは。
私がやりとりしていた時でも個人投資家に人気がありかなりの棟数を1年で建てていました。
ちなみに2020年, 2022年も100億円の売上を超えています。
破綻はひどいもの
会社の破綻というのはとてもひどいものです。
ある日突然お金を支払ってくれなくなります。
関係する多くの個人事業主などが損害が出てお金を返してもらえなくなるのです。
会社の破綻はいつだってそうです。
債務の優先順位からもおそらくそれらお金は戻ってくることはないでしょう。
それで連鎖倒産する企業も出ます。
ただ特にその意味でひどいのがなんといっても建築途中の事業主、特に個人です。
最悪自己破産まで考えられます。
特にユービーエムは個人投資家の新築を多く手掛けていたので、被害の多くは個人の大家さんだということが一番危惧されます。
新築で一番のリスクがまさにこの施工途中で施工会社が破綻すること、建たないリスクになります。
コラムで書いてきたと思いますが私も新築を重量鉄骨で建てた建築会社はもう潰れています。
これで内覧会を開いてくれた大家さんも私と同じになってしまいました。
その大家さんは次もユービーエムで建てると言っていたので、いま建築中の建物がないか心配されます。
そしてこの通り、建てた建築会社がその後破綻というのも珍しいことではありません。
もし新築途中に施工会社が潰れてしまった場合、引き継いでくれる建築業者を探さないなりませんが、RCの場合引き継いでくれるところが見つからないと言われています。
被害額はというと、最大建築費用の3分の2になります。
一般的には新築の場合土地、着工,上棟,竣工の4回で融資が実行され、建築会社への支払いをします。
上棟直後が金額的には一番ひどいんじゃないかと思います。
建物1億の融資なら7千万を支払ったところで施工が止まることになります。
万一そのまま止まってしまったらこの7千万が完全に負債となってしまいます。
一発KOになっておかしくない額です。
実際には引き継いでくれる会社を探し余計な費用を支払い竣工まで持っていくまでの間の資金を工面し続けることができるかどうかがキモになってくると思います。
現金で数千万はないと持ちこたえられないでしょう。
もしこれが一棟目とか、現金の余裕なく建てている方であればやはり一発KOになりかねません。
土地からの新築は知る人ぞ知る超優良投資であることはコラムで私も書いてきましたが、同時に施工会社の破綻が最大のリスクであることも書いてきました。
それがまさか今起きるとは。
多くの個人投資家が巻き込まれたことはもう疑いの余地がなく心配されます。
ユービーエムの破綻は見抜きにくかった
ユービーエムの施工単価は決して最安値ではありませんでした。
私がその後見積もりをとった会社の中にはかなりユービーエムより安いところが出てきました。
ですから私の印象はそこそこお金はちゃと取っている=利益率はちゃんと確保している、という印象でした。
また財務状況も悪くなかったはずです。
ただ、中に入ってみると、その財務状況も嘘であったとか、昨年末からはもう未払いが発生していたとか、幹部が退職しているとか、兆候はあったそうです。
つまり帝国データバンクで決済を取り寄せてみるくらいではわからなかったし不十分だということですね。
私はユービーエムをやめて別の施工会社で2割は建築費を削減(見積もりの段階)したのですが、やはり建たないリスクを感じて手を打ったことがあります。
また、ある会社は、安くする変わりにともかく仕事を取りたくて仕方がない、というのを感じ、近寄らないようにしたことがあります。
こういう危機管理が投資では一番大事ということですね。
まとめ
不動産投資の中でも被害額でいうと最悪に分類されるのではないでしょうか。
新築RC建築中の施工会社の破綻です。
しかもそこそこお金もちゃととって現場数もこなして創業30年の会社がいきなりですから、本当にこの世界で生き抜く難しさを感じさせられる出来事です。
今回のことで教訓を得れるとするなら、まず最悪の時に備えて現金を確保しながら次の投資に迎えているか?
1億の建物を建てるなら最低でも3千万程度の現金はないとこういったリスクに対処できません。できれば5千万くらいは欲しいですね。
そしてこういう最悪のケースの額を抑え込みたいなら、やはり木造になるし、例えば数百万の戸建てをやるならこういった損害額は発生しないことになります。
私自身はもうこういう大きなリスクをとりたくない、というのが大家終活をはじめた一番大きな動機になっています。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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