私の不動産事業とは直接関係のない話なのですが、現在、実家を売却中です。
原因は父の借りていた(実家とは別の)部屋の火災による賠償が発生し、年金頼りのCFが立ち行かなくなる状態に追い込まれた為なのですが、学ぶことが多かったので、記事にしていければと思います。
今後、司法の場で争うことになりそうなので、内容には若干フェイクも入れます。
《経緯》
昨年、父が50年継続して賃借していたRCマンションの1DKで火災発生。本人は外出中で無傷。
居室は60%程度焼失。風呂・トイレにまでは火は回らなかった様子。
近隣、階下に放水による被害あり。
原因:煙草の火種が見えず、布団の上に落としたまま押し入れへ収納したこと。
白内障と緑内障の手術をして2週間程度経過時に起こっており、注意をしていたつもりだが、目の焦点が上手く合っておらず見逃してしまい失火。
一報があって、直ぐに保険加入の有無を確認するも、保険には入っていなかったとのこと。
おいおい、こりゃあヤバいなと思いつつ、実家の方の保険や生命保険、カードの付帯などで使えそうな特約が何か付いていないか確認(主に個人賠償特約)。
結果的には全滅でしたが、個人賠償責任保険は日常生活の事故により、他人にケガをさせたり他人のモノを壊してしまい、法律上の損害賠償責任を負った場合に補償します。というものなので、近隣の方や共用部等の賠償に使える可能性がありました。
であれば、次は失火責任法上の過失に当たるのか、重過失に当たるのかで、取るべき対応が変わってきますが、こちらは訴訟とかにならないとはっきりしないんですね。。。
とりあえず、近隣住人には謝罪と消防から罹災証明を出してもらい、役所で手続きをすれば災害見舞金が受け取れることを説明し、父自身にも見舞金は出ました。こちらは重過失だと出ない制度なので、少なくとも役所は重過失という扱いにはしていないようです。
ただ、市のHPに掲載されているというのに、そんな制度ないと2回追い帰されて、たらい回された挙句、3回目でやっと手続きができるという有様で、このへんで父は私と役所の板挟みや残置物の撤去。管理会社とのやり取りで疲弊していきます。
見舞金MAX貰えても4万円なんですけど、消防にしろ役所にしろ、電話で担当者を確認してから動けと行っているのに、、、しかも父は車に乗れないので、行って帰って半日潰れて何もかもが恐ろしいほど進まない。
残置物の撤去についても業者入れてるのですが、燃え残った物をサルベージしたいようで、毎日のように焼け跡に行ってました。
最終的には残置物は若干残ったまま、管理会社に頭を下げて、退去となりましたが、管理会社からは、かかった費用は賠償請求すると言われ、次は資金繰りです。
当時の両親の資産状況
現金:200万
負債:▲1500万
資産
実家:2400万程度
保険:200万※数年後満期時
キャッシュ200しか無いのね。。これで500ぐらい賠償来たら、どうすんの?
私は400ぐらいかなと思っておりましたが、多めに見ておかないと賠償金は基本的に一括払いの為、来てから無いでは済みません。
事前にどのように資金調達をするか話し合いをしたいのですが、融資を引けない属性の両親では、どう考えても実家を手放すしかありません。
私が足りない分を貸すことは可能と言えば可能なのですが、私はこの実家、25年程前の購入時から購入に大反対で、購入後もこの家のことを認めたくなく、暫く家出をしていたほど、実家のことが嫌いなので、今回の件で手放さざるを得なくなったことは良い機会で、即売ってしまえという方向で話しを進めておりました。早く売れば売却益で身綺麗にしたうえで破産という選択肢も出てきますし。
私が何故、実家が嫌いかと言うと、思い切りサブプライムにハメ込まれた融資で購入している物件だからです。
購入当時、私は高校生でしたが、定年まで3年そこらの父が35年の93歳までのローンが組めてしまうことが、まず異常だと思ったのと、段階的に金利が上がる仕組み。そりゃあ若いこれからの方がローンを組むには、一理あるかもしれないですが、父は退職間近で、これから収入が上がる見込みもないのに、ヤバいんじゃないか?というのが当時の反対の理由。不動産の知識が付いてくるにつれて、その感覚が確信に変わってきます。
今の金利4%台後半とかですよ!もう年齢的に借り換えもできないし。
何度か市況の良い時に売却を勧めておりましたが、そのたびに一旦は売却活動を少し進めてちゃぶ台ひっくり返すというタチの悪いことを繰り返した結果、こうなります。
年金収入:30万/月
パート等:6万/月
返済:23万/月
管理費・固定資産等:3万/月
返済比率72%ですね。アホか!っていう話ですよ。大体、生保の2人世帯と可処分所得変わらないか、保険代や医療費もかかりますので、実質はそれよりも低いのではないかと思います。返済比率は不動産投資の指標なので、適正家賃は3割程度に収めるという考えに則ると、高齢な分消費が少ないことを加味してもどう考えても余裕がない。
ここから後10年。もう団体信用も効かないですし、父が死んだら年金はおそらく17万程度まで落ちます。パートも年齢的にいつまで続けられるか。。そんな綱渡りの、完済まで何も無く父が生き続けるという条件が、火災で崩れたというのが今回でした。どうあっても実家を手放したくない母が病気や事故はしない。私がガンバるという根拠のない主張が崩れたんです。もう、観念しろと。この物件はそもそも分不相応やったんやと。何度も諭し、自ら売るか相手に売られるかしか選択肢がないと何度も伝えたはずなのですが。。。
父はこの売る売らないの間に立って、気が付いたら酒を飲みすぎて大分の良く分からない真冬の公園で寝ていたそうです。
あぁ、もう精神的に限界やな。。。てか、死なんで良かった。
もう、これ以上詰めると本当に死んでしまいそうなので、とりあえず、管理会社との交渉は私が、父は売却をやるということで、一旦、面倒な方を引き取りました。
また、ここから色々とあるのですが、長いので、また後編書きます。というか現在進行形でもあるので、完結はまだできないです!
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