こんばんは!地主の婿養子大家です!
仲介会社で修行
私は婿養子になると決めた時に元勤めていた商社を辞める事を決意し、半年後に退職し、仲介会社で修行する道を選択しました。
業界未経験で中途採用での営業職を選択したのですが、年収は半減するし、何もわからないのに数字をあげないと上司から毎日のように詰められるし、かなり苦い経験をしました。笑
文字通り泣きながら仕事をしていた時代です。商社時代は体力的にはしんどかったですが、成績も良く、充実していましたが、仲介会社では全然成績があがらない時期は続いても毎日遅くまで働いていました。ただコツを掴んだり、それまでの努力が実り始めた二年目からは月例表彰常連になることが出来ました。
その経験が今では宝物となり、
あの時頑張って本当に良かったと感じています。
今日は、
私が大手仲介会社で経験して良かったと思った点を紹介し、もし子供が私の後を継ぐ意志があったら、きっと私は子に一度は大手仲介会社に勤める事を進めるだろう理由についてコラムにしてみたいと思います。
構成は
1.何故仲介会社なのか?
2.仲介時代の仲間たちが今
3.いつ勤めるべきか?
以上で書いて参ります。
1.何故仲介会社なのか?
以前に何度かコラムにしていますが、
一括りに不動産業界と言っても
・不動産賃貸業者
・不動産賃貸仲介業者
・不動産賃貸管理業者
・不動産売買仲介業者
・宅地分譲業者
・開発業者
・建売業者
・建築請負業者
・宅地造成業者
・再販業者
・転売業者
様々な種類の業者が存在します。
そんな中に、不動産力を比較してヒエラルキーを設けたとすると大雑把に以下のようになると考えています。
1位:大手開発業者
2位:開発業者
3位:総合不動産会社
4位:再販業者・転売業者
5位:不動産売買仲介業者
このヒエラルキーはあくまでも経営者視点で見ているものです。
こうやって見ると、仲介業者の担当者レベルは知識や経験値はどうしても不動産会社の経営者レベルよりも劣るわけですが、私は修行先に仲介会社を選択しました。
それには私なりに理由があります。
それは、
上位の開発業者で首脳陣に流れる情報は雲を掴むような話になり平社員で若いうちは全体の流れを任される事はないであろう点。
また、仲介業者よりも上位に位置するいわゆる業者で働くとしても、
仕入担当
売却担当
など、取引の小さな一つの窓口担当でしかなく、
取引全体を把握したり
不動産関連法規に触れたり
する機会が限られてしまいます。
もっと言えば、不動産を生業とするためには
重要事項説明書
を自分で作成できるだけの知識レベルになるのがスタートラインだと思うからでした。
今では大手仲介会社では分業化が進みつつありますが、それでも売買担当者としては、売りも買いも仲介する事が求められるので、他の業種の一担当者レベルよりは早い段階で
調査能力
重説能力
が求められる事になります。これらは仲介には必須なので契約をするためには必然的に備わっていく能力なわけです。
もちろん営業職なので売る力いわゆる交渉力を身につける必要もありましたが、私は在職中は意識的に難しい案件に手を出しながら不動産により詳しくなる事を心掛けていました。自慢ではありませんが、私は仲介経験はたったの3年しかしておりません。我ながら経験3年だけにしては知識は豊富な方だと思います。最初の一年目は契約を取る事自体が難しかった事から実質は2年半くらいの経験値とも言えます。(勿論、最初の半年は寝る時間を惜しんで働いていました。)
また、仲介といっても、
収益不動産
と
実需不動産
に分かれますが、個人的にはまずは実需仲介から経験する事をお勧めします。
理由は、実需仲介のクライアントのメインはエンドユーザーになるのですが、彼らを相手に不動産仲介を経験する事で、後の不動産投資に活きてくる
消費者思考
や
大衆的思考
を学ぶことができます。
私は不動産は心理学だと思う事が多々ありますが、それらの心理を読む力を養う機会があるのが実需仲介だったりします。
また、
仲介を経験していると、必然的に建売業者や再販業者などに物件を下す機会があったり、逆に彼らの商品に客付けをする機会がありますが、
そこでは、
彼らの利益構造を知る
ことができます。
最後に、
不動産を学ぶ上で私が最重要事項だと思っているのが、
土地(不動産)について長ける事
だと思っています。
ここを突き詰めると景気が良かろうが悪かろうが、
利の源泉は土地にあり
と私が思う部分に行きつくわけですが、ここは話すと長くなるので今日は割愛しますが、
その土地について学ぶにあたり、実需仲介を経験する事で、
・謄本を読む力
・公図を読む力
・道路を読む力
など不動産の基礎体力的な知識を広く浅く学ぶ事に繋がっていき、いつの日か、不動産投資での経験とその広く浅かった知識が上手く結びつきより正確な知識へと深まってきました。(実体験)
2.仲介時代の仲間たちが今
仲介時代は文字通り仲間たちと泣きながら頑張っていました。
前提として、
出来る店舗(所属長)の下で働く事が重要だと思っていますが、
そんな仲間たちの多くは
30代で管理職
になっています。
私はネットサーフィンとかしないのですが、物件の問合せをする時に該当する仲介の店舗のHPを確認したりしますが、その時には当時の同僚や先輩社員が所属長になっていたりします。
物件ありきなので、
元働いていたから必ず好条件で購入できるなんてことは全く関係ありませんが、ここ最近、物件の高騰時期が続いていますが、そんな中でなんとか購入出来ている物件の多くは元いた仲介会社が偶然仲介している物件です。
この偶然には理由があって
出来る仲介は、
売主に対して
着地を見据えた売れる金額を査定した上で預かる
ので私が問合せする金額が絶妙だったりするわけです。(勿論、しっかりと情報に触れておかないと高めに受け付けてから値下げで着地点に持っていく場合もよくある)
一方で、買主に対しても基本的にはこちらの味方として売主泣かせな契約を最初から目論んでいるわけではないので、某大手仲介会社のように最初から安くで購入できる出来れレースとはなりませんが、それでも上手く交渉してくれる感じがします。
これは仲介心理の一つですが、【交渉】して成約に至るという事はそれが相場である事の証左でもあるからです。
※もちろん、中には出来レース案件を流してくれるような仲を目指す人もいると思います。その方が圧倒的に簡単に安く仕入れられるのは間違いありませんよね。私は個人的にそのやり方を意図的に仕組みとしてやるのがなんか悪い事をしている気がして好きではないだけの話なので。
先日も、1件、楽待で問合せした一見安くは見えないけど良い物件に問合せしたら元同僚が担当で、彼は副長になっていました。問合せ後、携帯に電話がかかってきて20分くらい世間話しました。物件はもう決まってしまったようでしたが。。。私の元上司が彼の部下になっており、実力主義の世界の残酷さも合わせて感じたのでした。汗
我々、
一般投資家としてはこのような実需仲介店舗で扱う情報が購入先になるケースが多いと思います。私の場合、どこに問合せしても、誰かしらが店舗責任者や上司になっているケースが非常に多く、担当者との距離やヒアリングや交渉やすべてがスムーズに進めやすく感じるのでした。
戸建11号はまさにそんなケースで、すでに業者買取満額で決まりかけていた案件をひっくり返してくれましたし。笑
3.いつ勤めるべきか?
新卒ならば10年を目標に、中途ならば30前半までを目標に勤める感じがベターかなと個人的には思っています。その頃までに切磋琢磨した仲間が10年以内にいろんなところで活躍するからです。
私は家の事情があり、早めにやめる事になってしまいましたが、本来は3年という期間では不動産を理解できないまま逃げてやめていくパターンになってしまうので、せめて5年は頑張るつもりでやった方が良いかと自身の経験上思います。
他のお仕事でもそうですが、石の上にも三年とは言いますが、3年で一人前になるには相当な覚悟と努力が必要だと思うので。
尚、
大手仲介は大手の看板があって楽な商売で勘違いしている営業マンが多いという声を時々聞きますが、それも一部ではあてはまるかもしれませんが、私の例ですとペーペーには大手だからと言ってやってくるお客さんを担当なんてめったに出来ません。自分で反響のはいりそうな物件をHPに乗せたり、チラシを投げたり、売却広告を投げ込みして自力で集客しなければいけません。しかも毎月3件から契約するので、常に種まきを自分でやり続けなければいけませんでした。従って、この時期の営業経験は大家になってからもいろんな場面で役に立ちます。
また仲介で養える大きな不動産力の一つに、
案件の着地点を見極める力
があります。
勿論、物件の良し悪しを判断する力もつきますが、
仲介はある意味で物件を選べない
ので、目の前にある案件を数字化しなければいけません。
その能力は、我々大家にも通じるものがあって、目の前の物件の適正な価値を判断する能力とその着地点の予測能力が身に付きます。
また、仲介時代に出来た業者とのコネクションはそのまま購入活動に活きる場合もありますね。
決して楽な仕事なんてものはこの世の中にはないとは思いますが、
仲介という仕事は決して楽ではない仕事である
と思っていて、かわいい子には旅をさせよではありませんが、若いうちに苦労をする事は大事だという思いの中、子にそんな風に考えらる人間に育って欲しいなあと思いながら本コラムを記しました。
専業大家でもなく、投資として不動産をされている兼業大家さんにとっては、仲介ってどんな仕事?的な疑問もあるかと思い、あくまでも私の偏った経験からの一例ではありますが参考になる部分が少しでもあれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。m(__)m
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