こんちくわ。愛知県在住で4年間不動産賃貸業をし、現在は1棟アパートを2棟、築古戸建てを12軒、その他に借地や太陽光発電所を愛知、静岡で運営しておりますHIKOです。

 

本業は愛知県でリラクゼーションサロンを15年経営しています。そんな私が不動産賃貸業に参入することになった経緯を紹介しようと思います。

 

2007年5月、他人に命令されるのが耐えられず、組織の中で働くことが苦手な私はリラクゼーションサロンを開業します。

若干27歳で一国一城の主となったわけです。

5年のセラピストとしての経験を積んだ私は個人事業主ではありますが、満を持して経営者となりました。

勉強が嫌いな私は高校卒業後、家業である静岡県の寿司屋に就職、5年ほど勤め転職しました。
(現在は長男が家業を継いでいます)お気楽次男だった私は違う世界も見てみたくなったわけです。
そこで選んだのがまだ世間的に一般的でなかったセラピストという仕事。私自身ちょくちょくサロンにお客として通っていました。
今でこそ全国チェーンが乱立し、競争の激しい業界ですが、当時はまだまだ一般的ではありませんでした。

5年間家業でサービスと経営を経験していた私は閃きました。
「このビジネスは在庫がいらないぞ、飲食店みたいに在庫の仕入れもいらないし、在庫が腐るリスクもない、飲食店なら安くても開業資金に800万は必要になるがリラクゼーションなら300万もあれば開業できそうじゃないか。それに何といっても業界自体が未だ成熟していないブルーオーシャンじゃないか、どこのサロンに行っても接客、店舗の内装、サービスのレベルがまだまだ低い。」

これはチャンスだ、血で血を洗う飲食業というレッドオーシャンで経験を積んできた私にとって、セラピストの経験さえ積めば余裕のゲームに思えたのです。

すぐにセラピストのスクールに通い、その後就職し経験を積みました。海が青いうちに早く独立するんだ。そんな気持ちでした。

まあ実際自分でサロンを開業してみて初めの2年は非常に苦戦したわけで、正直妻の貯金を切り崩して生活する日々でした。
3年目から少し余裕ができてきたわけですが、4年目になると売り上げの上昇が止まりました。
焦りました。めちゃくちゃ儲かっているわけでもないのに売り上げが横ばいになったのです。
在庫が無いし、開業資金も少なくてすむ。売掛もない現金商売。こんなにいい条件のビジネス潰れるわけが無い。そう思っていましたが、お客が来なきゃ潰れます。そりゃそうだ。
現金商売なので突然多額の負債を抱えて倒産することはありませんが、真綿で首を絞めるようにじわじわと弱っていきます。

そしてもう一つ悩みがありました。「今月は過去最高売り上げだ」と月末に喜んでも翌月からまた0から売り上げを作っていかなくてはなりません。
先月は良かったけど今月はどうなってしまうんだろうという漠然とした不安が常に付きまとっていました。

悩みました。このままじゃ多店舗展開するという目標どころではない。このころになると従業員数人も雇っていました。自分の家族だけではなくスタッフも路頭に迷わすことになる。

そこで閃きました。一度来たお客さんが半強制的に翌月も来店してくれたらいいんじゃないか。それまで来店してくれたお客さんが次に来店してくれるタイミングはお客さん任せで、せいぜい割引券付きのDMを送って来店を即す位のかなり不安定なものでした。

思い立ったらすぐ行動。ということで来店してくれたお客さんに「次回の予約を今日入れて帰ってもらったら次回〇〇%引きになりますよ」というにアナウンスすることにしました。

これが当たった!かなりの確率で翌月の予約を入れていってくれるんです。
今まで当日以外は真っ白だった予約表が翌月まで埋まり始めました。
こうなると売り上げも安定し、ある程度の未来の売り上げが確保できている安心感を得ることができました。これは精神安定上とてもよかったと思います。

ここまでで私が学んだことは
① 在庫を持つ商売はしない
② 売掛がない現金商売※できれば料金を先にもらう
③ 定期購入やストック型ビジネスという毎月ある程度決まった収入が自動的に発生するビジネス

この3つでした。これが後の大家業に参入する理由の一部になります。
何故なら大家業には収入を安定させるこの3つの要素が全てそろっているからです。

① 在庫を持つ商売はしない
土地や建物自体が在庫といえばそれはそうなのかもしれませんが、生物のように急速に腐ったりしません。アパレルのように季節ごと、シーズンごとに目まぐるしい流行り廃りもありません。焦らずじっくりと物件と向き合うことができます。

② 売掛がない現金商売※できれば料金を先にもらう
これは入金サイクルが短いので資金繰りが安定するということです。BtoBなどのビジネスになると先に納品して代金の回収が1ヶ月、2ヶ月後になることが当たり前にあります。こうなると売り上げはあるのに資金繰りが悪く倒産する可能性が出てきます。
黒字倒産というやつです。
更に入金迄のタイミングに納品先の業者が倒産し、連鎖倒産に陥るという最悪なリスクも抱えることになります。
リラクゼーション業では基本的に現金商売の為このリスクはありません。また、回数券やギフト券を販売することでサービスの提供より先に売り上げを確保できます。
賃貸業も来月の家賃の前払いになりますし、敷金礼金で先に現金を確保しておくことができるのも魅力でしょう。

③ 定期購入やストック型ビジネスという毎月ある程度決まった収入が自動的に発生するビジネス
未来の収入がある程度分かっていると精神衛生上安定します。これが一番大事。
売り上げ面だけでなくリラクゼーションサロンなら、来月のこの日は予約が多いからスタッフを多く配置して少ない日は減らそうといった人員ロスの削減や、求人のタイミングが計れるようになります。
そして新規で来店したお客様が毎月来店してくれる、これを積み重ねていけば売り上げはどんどん増えていきます。
賃貸業でいえば、“戸数”を増やして入居者を増やす。これを積み重ねていけば売り上げはどんどん増えていきます。

今回は自営業で培ってきた経験が賃貸業にどう役立ったかを書きましたが、まだまだ賃貸業にたどり着くまでに得た経験がありますので次回をお楽しみに。

次回はとうとう新しいビジネスにたどり着くよ。