恥の多い生涯を送って来ました
こんちくわHIKOです
何とかリラクゼーション業の経営を軌道に乗せることができたHIKOさんですが、事業規模が大きくなればなっただけ新しい悩みが出てくるものです。
悩みもその時のレベルによって変わってくるわけですね。
とは言え経営者の悩みをざっくり大きく二つに分けると、売り上げともう一つは“人”です。
人、つまりスタッフですね。当時サロンを開業して10年ほど経ち、売り上げも順調、店舗も拡張し、スタッフが10人位になったころでした。
ちっぽけで吹けば飛ぶような零細企業でしたが、「スタッフにとって働きやすい職場、雇用条件のいい職場、やりがいがあって成長し続けることのできる職場」をもっとうに常にスタッフと向き合ってきたつもりです。
そのおかげか、求人を出せば結婚出産で退職した元スタッフが友人を紹介してくれたり、お客様からの紹介、お客様自身がこのサロンで働きたいと言ってスタッフになってくれました。おかげでフリーペーパーの求人情報誌や新聞の折込求人が全盛期の時代に一切そういった媒体から採用したことがありません。
結果、離職率の高いリラクゼーション業界においても長く勤めてくれる仲間に恵まれました。
スタッフ自身が商品である役務の業態において、スタッフが長く勤めてくれるのは顧客の離反を防ぐのに最も大切な要因の一つになります。
美容院やキャバクラなどでも、指名のスタッフが他の店舗に移ったらお客もお店を移ってしまうのと同じです。
お店は和気あいあいとした雰囲気で、それでもしっかり個人個人が仕事に対して向きあう私の理想とする形でした。そんな中お店のバランスが崩れる事態が起こります。
店舗立ち上げ後数年から働き、共にお店を盛り上げてきたスタッフが同時に3名、結婚出産の為に退職することとなりました。
正に同じ釜の飯を食った仲間という感じで、お客様の為にお店をどう良くしていったらよいか考え、プライベートでも親交があり、信頼できる仲間でした。
そんな仲間が結婚して子供ができ、幸せそうにしているのは私にとっても大変嬉しいことでした。
(ホントはちょっと寂しくて、ベテラン3人もいなくなって今後どうしようって不安もありました)
そしてトラブルは突然顕在化しました。
残ったスタッフのうち2名とコミュニケーションが取れなくなりました。
挨拶が返ってこない。指示をしても返事が無い。店舗のルールを守らず自分のやりたいようにやる。そんな状況なのでスタック間の連携も取れない。
全く意味が分かりません。この間まで一緒にお昼ご飯食べてたのに。
何度も話し合いもしましたが、結局分かり合うことができませんでした。店内の空気も悪くなり全くお店のコントロールが利かなくなり操縦不能です。
とにかく店内がギスギスしていて当然売り上げも下降線をたどります。
ベテランが3名も辞めたんです。彼女達に付いていた指名客がある程度来なくなるのは想定済みですが、そうでないお客様も目に見えて離れていきました。
この時は本当につらかった。毎日飲むお酒の量が増え、眠れない夜が1年半ほど続きました。もうやめてしまいたいとすら思ったほどです。
そして抜けたスタッフ3名の穴埋めもしなければなりません。が、折しも時代は超売り手市場。なかなか応募がありません。安売りのサロンでは外国籍の方を雇ったりするサロンもありましたが、私のサロンはちょっと高級志向でサービスがワンランク上を目指していたこともあり、やはり“察する”ことができてお客様が口にする前にこちらから提案や気遣いができるのは日本人が長けているという結論になりました。
ここであらたな気付きがありました。
人を雇うビジネスにはリスクがあるということです。当たり前と思うかもしれませんが、それまでの私はどんなビジネスでも規模を拡大するには人を沢山雇用する必要があると思っていました。
この先多店舗展開をしたとして、これまでより多くのスタッフを雇用したとしましょう。
毎年最低賃金は上がり続けるのにデフレ経済で(当時)サービス価格になかなか転嫁しずらい。労働者の権利は手厚く保護されているが義務を果たしてくれない。
そう、リラクゼーション業というのは労働集約型のお手本のようなビジネスモデルなのです。
※労働集約型とは事業を拡大していくうえで雇用人数を増やしたり、物理的に売り場自体を拡張していく必要があり、売り上げが上がれば上がるほど自分自身も忙しくなるビジネス。
なるほどなるほど、前回のコラムに書いた
- ①在庫を持つ商売はしない
- ②売掛がない現金商売※できれば料金を先にもらう
- ③定期購入やストック型ビジネスという毎月ある程度決まった収入が自動的に発生するビジネス
にプラスして④労働集約型ビジネスから脱却しなきゃいけないぞとなったわけです。
その後結局この問題があるスタッフ2名は退職し、補充のスタッフも決まり、平穏を取り戻しました。
2023年現在、思い返してみると逆境の時にこそ重大な気付きや発見があったと思います。
正に不動産賃貸業というのは非労働集約型なんです。何せ人を雇う必要が無いんです。
物件購入だけ自分ですれば、リフォーム、入居者募集、契約、クレーム対応、集金、全部アウトソーシングできます。自分と合わないと思えば契約業者を変更するだけです。
どれだけ物件の戸数を増やし、売り上げが増えても自分が2倍も3倍も忙しくなることはありません。
そしてこの4つの気付きに基づいて新たなビジネスを探し出します。
そしてたどり着いたのが太陽光発電事業でした。(不動産賃貸業じゃないんかい!という突っ込みが聞こえてきました)
前回言ったじゃん「新しいビジネスにたどり着くって(笑)」
すみません。次回は不動産賃貸業にたどり着く予定です。
期待しないで待っててください。
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