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都内で専業大家をしております、都心部目指す大家です。

前回は繁忙期のコラムを書いてみました。

早く満室に復帰したいな、、ということでしたが、今回はその”満室”にまつわる実際にあった”満室詐欺”の話をしたいと思います。

満室で購入もすぐ全空に

12,3年前、私が不動産投資を始めて10年が経とうとしていた頃でしょうか、突然友人から連絡がありました。

その友人は、私が大家業をしていることを知っている数少ない人間でして、彼の海外の友人が少し前に日本の不動産を買って、今大変困った状態になっているので、相談をしたいということでした。

話は以下のような感じでした。

 

その海外の方が投資先を探して、日本の不動産売買のサイトで物件を探していたところ、気に入る物件を見つけ、外国人対応可能ということで、どんどん話が進んだそうです。

東京23区西の私鉄駅徒歩15分、利回り8%くらいの1.5億円程の物件で、木造2階建、築20年弱、といったスペックだったと思います。

一度物件を見に来日もし、満室だということで外見だけチェックして安心し、順調に契約。現金で購入し、登記も終えたとのことでしたが、

たった数ヶ月で、突然入居者が次々と退去し、今はほとんどが空室になってしまったということでした。

空室の募集を依頼しようとしましたが、購入時の管理会社が管理契約はしないといい、売買時の仲介会社にも頼んでみたものの、売買契約は成立したので仕事は終わり、といった姿勢で何もしてくれないと。

そんな話を友人に相談してきたそうです。

友人は私が不動産をやっていると知っていたため、

「よかったら満室を維持できる管理会社を紹介してほしい」という頼みでした。

 

完全な満室詐欺でした。

実際は空室であるのに、サクラなどを入居させたり、実態のない契約をしたりすることで満室を装い、物件を高く売り飛ばそうとする手法です。(詐欺、が正しい言葉か分かりませんが。)

当時から噂は聞いていましたが、本当に存在するんだ、という驚きと共に恐怖を感じたのを覚えています。

また、単に満室を装っているだけならまだマシなのですが、その部屋の賃料を相場よりだいぶ高く設定していることもあり、その場合かなりのダメージとなるでしょう。

 

この物件も例に漏れず、その場所・スペックでは、まずこの家賃は高すぎてあり得ない、という水準でした。

 

友人には、

「満室じゃないのは管理会社のせいではない、残念だけど騙されていると思うよ。申し訳ないが私の手には負えないので、諦めるか、専門家に相談するなりした方がいい」

と伝えました。

その後どうなったのかは分かりませんが、裕福な方だったそうで現金買いでもありますし、一発アウト、とはなっていないと思います。

ですが、もしこれが一般の方で、多額のローンを抱えていたとしたら、、考えただけでゾッとしますよね。

 

この件はあまりにも大胆で分かりやすかったですが、もしもっと巧妙な手口だったら自分もカモになっていたかも…と改めて不動産投資の怖さを認識するきっかけとなりました。

もちろん騙す側が悪いのですが、適正賃料を把握せず、満室という情報を鵜呑みにしてしまったことに大きな問題がありました。

基本のキですが、与えられた情報を盲信するのはダメですね。今回の例で言えば、レントロール等をもらって満足するのではなく、現状の家賃が相場と比べてどうなのか、そのエリアの賃貸需要はどんなものか、といったその物件の客付け力・市場環境などを自分で判断したうえで購入の可否を決めなければいけなかったでしょう。

おわりに

ご覧いただきありがとうございました。

今回は実際にあった満室詐欺について書いてみました。

こういった”騙し”は多かれ少なかれこの不動産の世界にはありますので、常に注意して進めていきたいですね。

今後ともよろしくお願いします!