北国の大家です。
いつもコラムをお読み頂き、ありがとうございます。
皆様から頂いた「コメント」「いいね」が執筆の励みになっています。
本当にありがとうございます!
<札幌ライラック祭り>
先月開催されたライラック祭り。札幌の木に選定されているライラックは、北海道銀行のシンボルフラワーでもあります。
特に先月は10本のコラムを早い時期に書き上げたので、今回までしばらく空きました。
・ネタ切れか?と心配して頂いた読者の方から、ネタの提供を頂きました(感謝)。
・カナダの娘から心配するLINEも貰いました(感謝)。
・地元の方からはコラムは再開するのですか?と心配の声を頂きました(感謝)。
多くの方に関心を持って頂いている事をとても嬉しく思っています。
本当にありがとうございますm(_)m
コラムの執筆がない間、以前のコラムで宣言した通り経営者大学や、節税のための不動産投資セミナー(社長向け)、文化人のセミナーなどに参加していました。
多くの社長さんとお話する中で、社長目線の不動産投資に大きな発見がありました。
今回はその辺を書いてみようと思います。
<アジェンダ>
1.社長との人脈構築
2.個人の不動産投資
3.地主の不動産投資
4.社長の不動産投資
5.まとめ
例外も多いですが、投資手法を一般化してみました。
1.社長との人脈構築
セミナー会場に入って感じたのは、
場違いだったかな(汗)!?
一瞬大きな劣等感が湧いて気後れしましたが、なんとか立ち直りました。
セミナー会場への入場は、結婚式の新郎新婦のような感じです。
支店長と生徒のペアで入場します。
セミナーが始まると、講師の前に(私を含む)生徒が数十人並びます。
後ろには支店長が数十人最後までセミナーに同席されていました。
場違いだと感じたのは、生徒の8割方が
二代目社長
中には創業90年の三代目社長もいました。
サラブレッドの中に駄馬が放り込まれた感じです。
生徒(社長)の年齢はリストを一瞥した限り、27歳~57歳、平均年齢35歳、私は上から3番目でした。
この場では、社員ナシ中年社長(言ってしまえば、ただの自営業のオッサンじゃねーか!?)としての参加となりました(汗)。
そこはそれ、社員一人の年間売上が1千万円として、4人の社員を抱えていると信じて臨むことにしました。
講師の話を聞き、懇親会で二代目社長さんと話す中で、副業で不動産投資をされている方が多いことが解りました。
私たちのような不動産投資家とは、目的も手段も違う事が解ってきました。
違いを浮き上がらせてみます。
2.個人の不動産投資
我々のような不動産投資家です。
専業大家は主たる収入(フロー)を不動産から得るため、兼業大家(サラリーマンなど)は規模拡大の種銭を不動産から得るために、キャッシュフロー投資(P/L改善)をベースにする場合が多い。
元々資産が少ない方が取り組むため、所得(P/L)、資産(B/S)改善として規模拡大を目指す場合が多く「投資家は攻める」といった表現がしっくりきます。
3.地主の不動産投資
地主が不動産投資する目的は、土地から所得を生み出す(P/L改善)、土地を減らさない(相続税対策)が活動のテーマになります。
「地主は守る」と言った感じですが、中には例外的に「攻める地主」もいました。
キャッシュフロー投資(P/L改善)で所得を得て、相続税対策では封じられた感のあるタワマン投資など、時価と評価額の乖離が大きな物件などで対策する場合が多いようです。
4.社長の不動産投資
本題です。
本業として一般の事業(実業)をお持ちです。
一般の事業では利益が重視されます。
四半期、半期、決算期ごとにより大きな利益を出すことが要求されます。
P/L改善は本業で取り組みます。
不動産投資をする理由は、普通に剰余金(繰越利益)の運用です。
金融商品、不動産と分散させてポートフォリオを組んだ中の一つです。
利益として残ったお金を増やすことが目的なので、資産投資(B/S改善、キャピタルゲイン狙い)を目的とする場合が多いようです。
事業会社の本業で好決算の時に物件を購入して、事業会社が不調の時などに立て直しの為に売却するのが一つの想定らしく、あくまでも事業会社の下支えや経営基盤の強化を目的としています。
ここで投資家の手法と比べてみます。
違い1)フルローンはあり得ない
投資家ならフルローンは嬉しい所ですが、社長さんたちの資産運用では事情が違います。
例えば、剰余金3千万円をより大きくする!というのが目的なので、頭金ゼロはあり得ません。
違い2)大きいローンが単純に嬉しいわけではない
我々投資家なら5億借り入れて5億の資産を持ったと歓迎するところですが、事業会社から見ると負債は少ない方が良いです。
レバレッジを効かせた不動産投資の仕組みなどは一般の方は知りません。
「あの会社売り上げの割に借金が多いよね、ヤバくね!?」となる場合があるからです。
これを嫌いホールディングス化して、不動産投資をホールディングスで実施して、事業会社から切り離すことで、事業会社の負債を大きく見せない場合もあるようです。
上場企業でもこの仕組みを取り入れている所は多いようです(聞いただけで未確認です汗)。
違い3)キャッシュフローはゼロ!
P/L改善は本業で取り組むので、不動産投資でキャッシュフローは必要ありません。
不動産投資に期待するのは投資信託などの金融商品と同じで、キャピタルゲイン(B/S改善)です。
違い4)価値が下がりにくい好立地物件を選ぶ
キャピタルゲインだけに期待するので、物件の価値が下がりにくい、僅かでも上昇が期待できる物件を選びます。
土地勘のある札幌市の中心部や、東京都心の物件をコレクションしている方もいました。
投資家はP/L改善に期待するので利回りが高いと嬉しいですが、キャピタルゲイン(B/S改善)に期待する場合は利回りの影響が違った形で現れます。
レバレッジが下がる(=運用資産で購入する物件のロットが小さくなる)だけです。
投資家なら、相場(利回り)が下がったから買えないとなりそうですが、直結するわけではないようです。
金融資産などと比べて大きなレバレッジが掛けられれば、キャピタルゲイン(B/S改善)が狙えるからです。
今のような高値相場で利回りが下がっても、投資家とは全く感度が異なる感じでした。
違い5)丸投げ・ノーオペレーション
トラブルがあると管理会社から連絡が来るので、基本的に新築・築浅を選択されるようです。
築古は目的に照らしてアンマッチ。
違い6)金融商品にもレバレッジが掛けられる
楽待相談室などで投資信託・債権・個別株などの「金融商品の購入にローンは使えないと回答される(私も回答した)」件です。
本業がしっかりしている会社は、金融商品の購入でレバレッジを掛ける(ローンを組む)ことができる場合もあるようです。
マジデスカと思い、駄馬の私も同じ相談をしてみました。
なんと!OKでした。
投資信託などにレバレッジを掛けるための融資は可能です!と銀行から回答を頂きました(勉強不足なので、個人ベースの積立NISA、iDeco、法人のノンレバ投資信託以外は当面やりません)。
5.まとめ
個人、地主、社長の投資目的や手法を一般化してみましたが、実際にはハイブリッドな方も多かったです。
投資家でも社長目線で物件を買われている方もいれば、社長でも個人(投資家)目線で買われる方もいました。
投資家がスタート・拡大・相続フェーズで手法が異なる様に、会社における手法も実際には様々でした。
但し、比較的はっきりと今回カテゴライズした傾向を感じ取りました。
以前のコラムで作図して分類した不動産の投資手法ですが、今回でやっと全貌が見えた気がします。
不動産投資には、個人投資家に多いフロー(P/L改善)、剰余金などの資産運用(B/S改善)がある。
目的がフローとストックで違うため、見ている物件や見える風景が違う。
相場が上がったときに感じるポイントや選択肢も違う。
無知の知でしょうか・・、解っていなかったことが解りました(汗)!
今回の執筆でいつもコメントを下さるrin5さんの難しいご指摘が、少しは意味を取れるようになった気がします。
※気のせいでしょうか(汗)
次回はこの整理・理解を前提としたうえで、私のサラリーマン兼業大家時代、今の専業時代の考え方などを振り返ってみようと思います。
今回のコラムは如何だったでしょうか?
私達夫婦はコラムを通じて初心者の方に、不動産投資に取り組む際の「情報」と「勇気」を届ける事をテーマとしています。
我々の実践行動が、少しでも皆様のお役に立つ事を願っています。
―以上です―
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