~このコラムはサラリーマン兼業大家が58歳で退職後、専業大家として法人化9期目をもうすぐ迎える、私の今を綴ったコラムです。~

 

 

 こんにちは、kazu21599です。

 R5年5月より施行された相続財産清算人制度(旧法では相続財産管理人制度)を使う事になり、相続人清算制度についてシェアしようと思います。

 旧法で使いにくかった部分を民法改正でスムーズに使えるようになったようです。(とは言え、それなりにとってもめんどくさいです。)
⇒おひとり様で相続人のいない方は必ず終活で、少なくともご自身の葬儀の手配、遺言書の手続きは済ませておきましょう。

 

 

構成は
1、平成30年1月突然警察から電話が
2、誰かがやらなければならない
3、気がかりなのは借地と相続
4、誰かがやらなければみんな迷惑
5、さて、1年後どう清算されるのだろう?

となります。

 

 

1、平成30年1月突然警察から電話が

 平成30年4月〇〇警察署より電話があり、「もしもしkazu21599さんのお宅ですか?〇〇警察署交通課のNと申します」「はいそうですが、何の御用でしょう?」
 「〇〇市〇〇町にお住まいのKTさんご存じですか?」「あっはい私のおじさんになります、母の弟です」

 実はKTさんを△△市で交通違反で捕まえたが、どうも認知症の様である。息子さんと一緒に住んでいるということであるが、家に送り届けた際、同居しているという息子さんの存在が確認できない、家探しするわけにも行かないので一度見に行って欲しいとの連絡でした。

 

 ひいおばあちゃんのお葬式以来20年以上も交流も連絡も無かったけれど、一度見に行くことにしました。
⇒1階のシャッターには鍵がかかっていて下から何度呼んでも返答はないし、電話は使われていませんとのメッセージだし、仕方がないので、〇〇警察署に依頼し安否確認で一緒に行く。裏のもう使っていない錆て壊れそうな階段を上り2階のドアから(台所に繋がっている)声をかけると返事があった。

 

 

 ドアを開けてもらうと、2人とも確認できたが、おじさんのKTは認知症が進み、息子TTは筋ジストロフィ―症が進行し、一人では外出もできない状況で、2年間分くらい郵便物が溜まっていた。

 TTのお姉さんはその1-2年前に亡くなり、TTのお母さんは40歳台の時に亡くなっていた。母方の親族とは交流もなく、私もTTの結婚式以来であったが彼は離婚をしており、このまま放っておくわけにも行かず、また母におじさんKTの面倒を見てくれと頼まれたので、KT家の経済の立て直しをすることにした。

 

 

2、誰かがやらなければならない

 結局のところ、認知症の父と難病で室内以外は動けない息子、誰かの介助がなければ生活することもできない状況、親族は私とおじさんが死別した奥さんの親族、もちろんもう交流はしていないので、探し出して、この2人の面倒を見てくれと言っても、私以上に困惑するだろうことは(まあ断られるだろう)容易に想像できる。

 消去法ではあるが、不動産にもある程度詳しい・相続にも詳しい・生活保護や福祉制度にもそれなりに関係がある、年金や預貯金管理、会計にも詳しい。様々な問題を解決するスキルもある。時間もある。
⇒総合的に考えた結果、僕が関与して、KT家の生活の立て直しをすることが妥当だ、という結論になった。

 

 郵便物の整理をすると、借金の催促、地代の催促、税金の催促、駐車場代の催促、貸している1階家賃の滞納などがわかり、通帳には数十万しかお金がなかったので郵便局の積立保険(息子TTの為におじさんKTがまとまったお金をかけていた)を解約し、税金、借入金、地代の債務を返済し、滞納家賃の交渉、地代の交渉をし、一旦家計を正常な状態にした、

 次に従兄弟のTTの筋ジストロフィーの診断、障碍者手帳の申請等の手続き、当年6月にはおじさんのTKが脳梗塞で倒れ病院に入院、それらの手続き
TTの筋ジストロフィー診断のための病院への入院等の世話、その後、R5年4月に亡くなるまでの5年間、家計の立て直しと病院などの入退院の世話、退院後の介護の手配など

 当初の3年間は月2回TTの買物、それ以外に家の修理手配、財産、生活費、各種手続きの管理など、TTの依頼に応じて、財産、収支、建物の維持管理、各種支払い、賃貸契約の管理、おじさんKTの葬儀、死後の処理・相続の手続き、すべて私が(後見人以上の仕事内容で)手配し、処理し財産の管理をした。

 

 

 平成30年4月におじさんKTから通帳を預かった時は残高約68万⇒郵便局保険解約で5月末は約361万であった。
 そこから、従兄弟のTTの障碍者年金の申請や、火災保険をかけ、翌年凍結漏水があり、その保険給付金などの請求、TTの散財を止め(お金があるとスペックの高い製品が欲しくなる)、
⇒本来はTTの介護資金として無駄遣いせず貯蓄したが、突然の死亡時には約700万の貯蓄になっていた。

 

※KT家への5年間の人的援助

平成30年6月には、おじさん脳内出血で倒れる、従兄弟の介護人が見つけていなければ、その場で亡くなっていたと思う

1月の寒波で水道凍結破裂、前年に火災保険に入っていて本当に良かったと思います、我ながら危機管理スゲーと思いました

本人にも貸主の高齢女性にも、何度も伝えていたのですが、僕が自分の利益のために借地は解消した方がいいと言っているとしか思わなかったのかもしれませんね

 

 

3、気がかりなのは借地と相続

 家計の立て直しが完了後、残るのは地代の再交渉とTT死亡後の相続でした。

 地代は平成30年の時、滞納していた地代を払った際(バブル時に月30万で店舗貸しができていた頃の月額3.7万のままだったので)今の相場だと(店舗貸しの家賃は5万になっている)
⇒バブル当時は土地も公示価格で坪100-120万、現在は35-38万⇒交渉して当初は調停・裁判で決着しようと思ったが、当事者の貸主、借主ともに調停も裁判もしたくないということで2,000円減額の月額3.5万となった。

 しかしどう考えてもおじさんKTの年金がなくなってから、従兄弟TTの障碍者年金だけでは貯蓄が減っていくので、せめて月額2万くらいに減額してもらえれば、

 収支が合うので、再度減額交渉をしたいと思っていた。

 

 相続は、本人が亡くなると、貯金を私が勝手に使うわけにもいかず、土地建物の売却も出来ず、宙に浮いたまま(私には権利がない)⇒土地を貸している人も、1階を借りている人も管理者がいなくなって迷惑をかけることになる。

 ということで、とにかく土地(借地)の整理ができたら処理が簡単になるので、土地の所有者に何度も買取や売却、地代の減額、共同での他者への売却を提案したり、
 本人にはとにかく誰に相続したいか決めて欲しい⇒そのとおりに手続できるようにするからと何度も伝えたが、かたや難病で可哀そうとは思うが、自分のTVの買い替えとかエアコンの交換とかお金を使うことには興味はあるが、(多分家計に関することはほとんどおじさんのKTが面倒みていたのではないかと思う)

⇒一向に相続について考える様子はないので(まあ先のことを考えられる状況ではないことも解るし、自分が死んだ後のことなんかどうなっても構わないというのも理解はできるけど、と思いながら)

 

 また土地の貸主も高齢女性で、毎月地代さえ振り込んでくれればいい、亡くなると言っても今日明日じゃないし、地代払えなくなったら建物壊して土地返してくれればいいなんて現実的でない話しするし、

 ⇒司法書士の先生に相談すると、土地の地代の問題も相続の問題も所有者本人が決めることで、貴方がどうこういう事ではない、亡くなったらその時は法律に従って関係のある方が手続する事だと思うよと⇒まあその通りなんだけど、近い将来障碍が進行し、自宅療養は無理になって障碍者施設入居となると思うので、その時にきちんと詰めようと放っておいたら突然の脳梗塞、そして死去、

 

 

 おいおい土地も建物もまあ知るかと投げ出しておいてもいいが、預かっている700万の通帳はどうしたらいいの???(つづく)

 

 人生、長く生きていればいろんな事に出くわします。27歳の時父と祖父がもう亡くなるかもしれないと実家に戻り、最後を看取り、相続を済ませそろそろ古希、後は母を看取れば、私の長男としての役目は完了だと思っていたら

 親族の家の最後も看取ることになりました。そういう星の巡りあわせなのかもしれません。

 

 

それでは、実践コラム読者様
いつもコラム読んで頂きありがとうございます。

 

 不動産5棟購入と並行して、親族の生活再建の支援もできたのは、不動産を一緒にやっている長男と三男、そしてバックアップしてくれる配偶者のおかげです。感謝です。