北国の大家です。
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<切り花>
今回は少しカラフルな花を選んでみました。
社長の不動産投資として3本連続で書き進めましたが、前回は特に投資から離れたテーマとなりました。
若干、脱線気味なのでこのシリーズを小休止します(今月中に再開します)。
今回は初心者にも敷居が低い日本政策金融公庫を取り上げて、バックファイナンスについて触れてみます。
<アジェンダ>
1.バックファイナンスとは?
2.なぜ・いつ使う?
3.私の実践例
4.まとめ
今回は初心者向けの内容です。
ベテラン大家さんや銀行の信用ランクが高い方には伝えるものが無いかもしれません(涙)。
1.バックファイナンスとは?
GoogleBard(AI)に「バックファイナンスとは?」と聞いてみました。
以下、AIの回答です。
バックファイナンスとは、不動産投資において、自己資金で不動産を購入した後、その不動産を担保に融資を受ける方法です。一般的に、不動産投資では、融資を受けて不動産を購入しますが、バックファイナンスでは、自己資金で不動産を購入した後、融資を受けるため、手元にキャッシュを残しておくことができます。また、不動産購入後に急に資金が必要となった場合にも、融資を受けることができるため、資金繰りが安定します。
付け加えるなら、バックファイナンスは考え方としては手元資金を厚くする目的で、運転資金として融資されます。
取り扱いは私の感覚ではこんな感じです。
(認識違いがあれば、コメントでご指摘頂けると幸いです)
銀 行 ✕(信用ランクが高ければ可)
信 金 △
公 庫 〇
ノンバンク 〇(不動産投資ローンなど)
私はノンバンク以外ではバックファイナンスの経験がありますが、今回は公庫を前提に書いてみます。
2.なぜ・いつ使う?
公庫利用での代表例を3点ほど紹介します。
①物件購入費
以前の公庫では、融資の条件にこんなのがありました。
購入する物件の所有権が移転されている事(大汗)
つまり立て替え払いするか、売主と協議~着手金を増やすなどして、一部・全部の支払いを済ませておくことが前提でした。
ってことは、必ずバックファイナンスになるのです。
私たちが3年前に公庫の融資でアパートを購入した時は、この条件は緩和されていました。
売主の抵当権抹消と融資実行が同日に行えるようになったのです。
これを同日決済と言っていました。
売買契約・決済を同日に行うことも同日決済と言う場合もあり、公庫と縁のない方には、ワケワカメかもしれません(汗)。
②リフォーム費
例えば、立て続けに退去があり、短期間に数百万円などのキャッシュアウトがあったとします。
1戸あたり数十万円のリフォームの度に借り入れを起こすのも面倒ですし、リフォームが繁忙期の場合は、悠長に借入の審査をしている時間的余裕もないかもしれません。
私のようにヴァリューアップをして60万円~100万円/戸程度を掛ける場合もあるかもしれません。
これでもその都度借り入れを起こす人は少数派でしょう(この辺は私の感覚です)。
但し、半年で数百万円のキャッシュアウトとなるとボディーブローのように効いてくる方も多いと思います。
ここからは公庫特有の事情です。
そんな時、半年間の修繕費をまとめてバックファイナンスして手元資金を回復すると言った使い方もできます。
※この半年間と言うのは案件ごとの交渉結果です。一般的なバックファイナンスは私が知る限り2か月間程度です。
本来バックファイナンスとは手元資金を厚くするため運転資金です。
但し、不動産賃貸業は基本的には運転資金が不要な業種とされます。
公庫の特徴はリフォーム費用を設備資金としてバックファイナンスできることです。
設備資金のおまとめローンも比較的容易です。
一般の銀行では運転資金をまとめる事は出来ても、設備資金はまとめられない場合が多いです。
公庫だと設備資金をまとめることも難しくなく、更に信用を落とさずにリスケもできます。
言い方を変えると、既存のローンとまとめた上で(どさくさ紛れに)新たに返済据え置きを設定することもできます(信用ランクは落ちません)。
③事故対応時
漏水事故が起きて原因が解らず、外壁や屋上と言った大規模修繕をするしかないような突発的な事故で5百万円近いカネが吹っ飛ぶことがあります(ないですか?汗)。
一旦キャッシュで対応したが、ローンにすればよかった!などと私のように後から後悔する方もいると思います(いないでしょうか汗?)。
そんな場合にもバックファイナンスは使えます。
3.私の実践例
半年間のリフォーム費用が計算すると500万円程度になっていました。
少しキャッシュアウトが痛いなと感じて、手元資金を厚くするため公庫に相談に行きました。
結果はこの通りです。
✕ 設備資金(時期未定のリフォーム費用の借り入れ)
いつ実施するかわからない工事なので、設備資金としては認められない。
△ 運転資金
基本ゼロベースで、粘って交渉しても200万円程度の雰囲気でした。
ちょっと額が足りないって感じです。
〇 設備資金のバックファイナンス
やりやすいようでした(汗)。
最近の公庫は知人の話、SNSを見ても少し柔軟になった感じがします。
今回は見積書や支払い記録(通帳)も一部見ただけで全部は確認しません。
最後は申込額以上に借り入れを起こしましょう!と逆提案を受けました。
既存のローンとまとめて期間を2年間延長した結果、500万円の借り入れを起こして既存のローンとまとめた結果、月々の返済額は2万円減りました。
細かい事情を割愛すると、あと4年間延長できました。
この4年間は今後の借り入れに温存することにしたって感じです。
おまとめローンの期間を最大4年間延長することで、今後新たに返済額の増加無しで1千万円の借り入れ余地を残したのです。
返済が減らないとも言います(汗)。
4.まとめ
公庫はリフォーム費には柔軟で知られている金融機関です。
言って良いのか解りませんが、物件取得費が100万円程度など極少額の場合は、(取得だと審査が厳しくなるので)リフォーム費で取得+リフォームしてくださいと言った事例もあるとかないとか(汗)。
初心者の方がバックファイナンスでノンバンクに走る前に、特にリフォーム関連なら、金利も低いですし日本政策金融公庫を使う事を検討されてはと思います!
私の知人で、私が知る限り最速で10億円購入したサラリーマンがいますが、彼も公庫のお得意様です。
念のため、私は公庫との付き合いが長く借入本数も多いです。
私と同じことをしても、減額されたり、担保提供を要求される場合もあるかもしれません。
そのためにも、きっちりと事業計画を作り、早い段階でリフォーム費用を公庫から借り入れるのが賃貸経営には有利かなと思います!
一般の金融機関で根抵当を付けた物件で同じことをするより楽な印象があります。
今回のコラムは如何だったでしょうか?
私達夫婦はコラムを通じて初心者の方に、不動産投資に取り組む際の「情報」と「勇気」を届ける事をテーマとしています。
我々の実践行動が、少しでも皆様のお役に立つ事を願っています。
―以上です―
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