北国の大家です。
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本当にありがとうございます!
<函館の地酒 五稜>
キャンペーン(CHOICE! HOKKAIDO)で当選しました。
前回は日本政策金融公庫のバックファイナンスについて、私たちの実践例を交えたお話でした。
入稿後に気付いたのですが、埼玉サラリーマン大家さんも2か月前にバックファイナンスの記事を書いていたのですね。
私の方は公庫版なので、また違った情報を提供できていれば嬉しいなと思いました。
今回は公庫シリーズの第2弾です!
公庫利用時の注意点や、一般の金融機関に比べメリットがある点を取り上げます。
<アジェンダ>
1.一般貸付と特別貸付
2.無担保枠は2千万円
3.担保提供はお得かも!?
4.分散(法人化など)のメリットは限定的
5.コロナ融資は無担保・別枠
6.攻めのリスケ
7.まとめ
私は公庫のコラムを書くことが多いですが、今回は情報がアップデートされています。
是非、最後までお読みください。
1.一般貸付/特別貸付
公庫の制度は色々ありますよね。
①創業系の融資
②女性・シニア・若者の支援金
③被災者への融資
④セーフティネット融資
⑤コロナ融資
などが有名ですよね。
コラムを読む限りジュニアさんは①を利用していますし、私たちは②⑤を利用しています。
この制度たち、実は全て特別貸付だという事をご存じでしょうか(汗)!?
最初に知っておきたいのは、公庫の融資制度は、まず一般貸付、特別貸付の大きく2つに分かれると言う事です。
特別貸付は毎年国会で予算化されて実行されます。予算なので上限もあります。
SNS、ブログ、コラム、地元大家さんなど築古を購入する取得費の借入に成功・失敗した話を聞く限り、一般貸付でふわっと申し込むよりも、要件が規定されている特別貸付の方が、申し込む側の購入目的・運営方針が明確化され制度に合った説明ができるせいか、成功率が高いように感じます。
一般貸付でも取得費を借入している方はいます。サンプルが少ないので私の肌感覚程度の話です。
公庫の職員さんも「皆さんがご存じの特別貸付は政策として予算化され、政府の腰の入れ方も影響します」と仰っていました。
ここからは私の言葉で説明しますが、予算化で言えば、制度の開始時は(補助金と同じで)融資が出やすく、予算の進捗が良い(予算の残りが少ない)と出にくい場合もあります。
腰の入れ方で言えば、コロナ融資では政府の大号令が掛かり、今では考えられない緩い基準で審査が行われ、休日対応までして融資をして下さいました。
政府の姿勢(号令)で、公庫の融資姿勢が大きく変わるということです。
そう考えると、この区別なしに「最近の公庫は○○だ」という話は、使っている制度や政府のスタンスが違うと言う意味では、誤解を招く場合がある気がしています。
公庫は政府の政策を実現する具体的な機関でもあるので、利用者から見ると方針変更が早いように見えることもあり、「方針が変わったのか!?」と不安になり「最近は○○らしい」と流布されるって面があるのかもしれません。
最近掲載された楽待の公庫特集でも、公庫から取得費の借入に成功されている方が紹介されていました。
この公庫特有の特別貸付を意識するのが公庫利用時のポイントの一つかなと思います。
マル経融資も特別貸付です。
その他で重要になるのは、事業計画(融資の5原則を少し意識する)の中身です。
最近感じるのは、資料の見やすさ・網羅性より、中身(建前より言霊)が重要なことです。
以前、面談時に一切の事業計画「書」を持ち込まず、白紙に手書きで説明(プレゼンっぽく)したことがありました。
見積書の種類、運転・設備ごとの借入額など、A4の白紙にその場で手書き(硬筆一級の達筆、ギリギリ読める程度の文字で)して渡した事があります。
言霊でこちらの計画や思いが伝わったと感じました。
その後、担当者が運転・設備などの振り分け、返済額希望額から逆算した期間・金利設定などローンを組み立てて下さいました。
本当にありがたいことで感謝しかないです。
公庫はいつ行っても居心地が良いとさえ感じます。
2.無担保枠は2千円
公庫には無担保枠が2千万円あると言われます。
物件の取得費(設備資金)、リフォーム費(設備資金)、運転資金など、全てトータルして2千万円です。
物件の取得費でこの枠を全て使うと、リフォーム使う無担保枠がなく、借入には担保提供が必要となるかもしれません。
この辺は考慮が必要な部分です。
3.担保提供の嬉しい点
公庫特有の話です。
公庫の担保評価は、積算(路線価x1倍)です。
添え担保も積算(路線価x1倍)として評価します。
例えば3千万円/1筆の土地を3筆持っているとします。
A銀行の担保評価は路線価x0.7だとします。
この場合、3筆の担保評価は63百万円です。
公庫では路線価x1で評価するので、3筆の担保評価が9千万円になります。
この時、A銀行から63百万円借入れている(残債がある)と、A銀行から見た担保の余剰はゼロです。
しかしながら、公庫から見ると27百万円の担保余剰があります。
私の実践例では、この27百万円(担保余剰)は、他行が抵当権を付けた物件を公庫へ添え担保として提供することで、普通に全額借入できました(涙)。
この時、公庫さんは2番目の抵当権を付けました。
繰り上げ返済、抵当権の抹消費用も極僅かです。
この辺を知らない方も多いと思うので、抵当権がバッチリ付いているが自宅や投資物件など不動産は幾つかあるよ!と言う方は試す価値があるかもしれません。
4.法人化の注意点
公庫の無担保枠は個人、法人で通算されます。
法人を作っても無担保枠が2千万円追加されない事に注意が必要です。
5.コロナ融資は無担保・別枠
公庫のコロナ融資は9月末まで延長されました。
従来の無担保枠2千万円とは別枠で、無担保:最大8千万円、運転・設備20年以内(うち据置期間5年以内)で借入できます。
既存のコロナ融資のほか新たなコロナ融資を起こして、新たなコロナ融資として一本化(おまとめ)するのは、通常の借り入れより敷居が低いです。
但し当初3年間実質無利息の事業は終了しました。
それでも当初3年間は基準金利ー0.9%なので、私の場合だと0.3%程度で借入できました。
一昨年から売上が5%ダウンする月が一か月でもあると要件に該当します。
空室が出たタイミングで申し込むと、意外にクリアできる場合が多いです。
私は法人を含めて4人で不動産を所有している(分散)ので、一人当たりの売上高が小さいため、5%ダウンの要件に該当しやすかったのです。
6.攻めのリスケ
リスケなど返済方法の相談は、困ったときに行こうと考えている方が多いと思います。
今は順調だから行く必要がないし、何なら一生行かないって感じかと思います。
しかし、私の知人の大家さんは困っていない時にこそ、返済相談窓口へ行くべきだと言いました。
私の知人の中では、最短で10億円の不動産を購入したサラリーマンの方です。
言ってみれば・・攻めのリスケです(汗)!
私の実践例で言うと、今現在、無料で中小企業診断士を呼べるのは業績不振の法人だけですが、コロナ禍では北海道が自動的に2回ほど中小企業診断士を派遣していた時期がありました。
この中小企業診断士の勧めで、私も相談窓口で攻めのリスケの相談に乗って頂き、条件変更に応じて頂きました。
本当に困っている時は別ですが、公庫の場合は事業の実態が悪くなければ、条件変更しても信用ランクは下がりません。
サラリーマンなどの持たざる者の不動産投資は、多くの方に協力して頂くのか重要だと思います。
攻めのリスケも利用して、柔軟に方針を変えて攻めるのも悪くないと思います。
ちなみに私の場合は、攻めのリスケ後、公庫以外の数行の合計で何億か借入を起こしましたが、公庫の取引云々が問題になった事はありません。聞かれもしない場合がほとんどでした。
7.まとめ
脱サラ後、私達を苦境から救ってくれたのが公庫でした。
公庫に足を運ぶときには原点に戻った感じさえします。
「好きこそ物の上手なれ」という言葉もありますよね。
公庫の制度やメリットを調べたり発信したりするのが好きなのは、そんな背景事情があるかもしれません。
今でも公庫はプロパン会社と同じ程度に重要なパートナーだと感じています(変な例えでしょうか汗)。
これからも公庫関連で有用だと感じる情報があれば、発信していきたいと思います!
今回のコラムは如何だったでしょうか?
私達夫婦はコラムを通じて初心者の方に、不動産投資に取り組む際の「情報」と「勇気」を届ける事をテーマとしています。
我々の実践行動が、少しでも皆様のお役に立つ事を願っています。
―以上です―
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