北国の大家です。
いつもコラムをお読み頂き、ありがとうございます。
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本当にありがとうございます!
<紫陽花>
紫陽花は妻の実家から頂きました。雑貨は妻の趣味です(汗)。
私たちの物件で、ある入居者の認知機能が明らかに低下しました。
素人目に見ても「健常」「軽度認知障害(MCI)」「認知症」の3段階に分けた時、MCIっぽい感じです。
医師の診断が出て無いのでMCIや認知症とは言えませんが、明らかに認知機能が低下している状態でした。
<アジェンダ>
1.入居者の認知機能が低下したら?
2.売主の認知機能が低下したら?
3.まとめ
今回は認知症をテーマに全2回でお届けします。
是非、皆さんからもご意見を頂きたいテーマです!
1.入居者の認知機能が低下したら?
私たちの物件で、高齢入居者のおばあちゃんが、突然意味不明なことを言い出しました。
「うちは息子が黒い大きなコンロを買ったからガスは一切使っていない。お風呂も黒いコンロがあるからガスは使っていない。ガスは使っていないので1円も払わない」
この物件は、暖房器具のストーブが灯油、調理用コンロ・給湯器がプロパンガスです。
給湯器がガスなので、お風呂を沸かすにはガスを使います。
(謎の?)黒いコンロを買っても、風呂に入るならガスを使う訳です。
入居時は前期高齢者の方でしたが、入居期間は12年間になります。
前期高齢者(65歳)でも10年経てば後期高齢者(75歳)です。
自宅併設物件は私たちがガスの集金をしています。
これはガス集金時の一幕のお話で、私が対応したのですが「むむむ・・困った」となりました(汗)。
後期高齢者のおばあちゃんは、最近になり私と同年代の息子さんと同居しています。
母親が心配なのでアパートに同居したようです。
早速、息子さんに連絡を取ると、息子さんは言いました。
「プロパンガスは使っているので支払いもします。母は認知なので今後は私が支払いします。」
息子さんの「母は認知なので」とは、診断は出てないが認知機能が低下しているのは理解していると言う意味です。
このおばあちゃん、以前は認知もしっかりしていましたし、10年以上に渡り普通にガス料金も支払って頂いていました。
私はごみ捨てなど週に2~3回はおばあちゃんとお会いしていましたし、月1回はガスの集金でお話もしていました。
認知機能の低下は外から見ているだけでは気づけないです(汗)。
認知機能の低下が突然訪れる事を体験して、残念と言うより怖い感じがしました。
今回は息子さんが同居してくれたから良いものの、認知機能が低下すると頼りになるのは家族だけです。
最近はこの物件、家賃を上げたので高齢者が入居しなくなっていました。
仮に入居させるとしても、昔に比べて家族関係が希薄になっている現代では、大家から見た時に家族(ご子息)に逃げられないためには、前期高齢者(65歳以上)を入居させる場合は、子供名義で契約して親が入居する形がベターかなと思います。
管理委託なら放置の選択肢もありますが、入居者トラブルや徘徊など事故も考慮が必要かもしれません。
皆さんはどうしていますか、どう思いましたでしょうか?
2.売主の認知機能が低下したら?
昨年アパートを購入したおばあちゃん、今では認知機能が低下してお話ができなくなりました・・。
除雪や駐車場の件などで、購入後でもお話しする場面があったのですが、最近急におばあちゃんの認知機能が低下しました。
お話が出来なくなり、私と同年齢の娘さん達とお話(交渉など)をしています。
やはり家族は重要です!
このおばあちゃんには、もう一棟買売って欲しいと思っています。
購入した2棟が豪雪地帯で購入希望のライバルが少なく、冬の費用を考慮しても良く稼いでくれているからです(汗)。
今回は購入後なので良いですが、売買時点(引渡前)で認知機能が怪しいと少し問題です。
医師に認知症と診断されると、判断能力がないとして売買が出来なくなる可能性があります。
この件を数人の売買仲介(宅建士)に聞いてみました。
多かったのは、本人確認は司法書士に任せているので(司法書士の)先生が本人確認できて認知が問題ないと言うなら、売買を進めるという事でした(汗)。
診断書まで出ると売買が白紙に戻ることもあり、途中まで進んだ売買を壊したくないとは誰もが思うでしょう。
仲介業者もまとめたいし、買主も強烈に買いたい場合も多いかと思います。
責任を司法書士に押し付ける件は、ホンネで話してくれたのだと思います(汗)。
認知に問題がありそうな高齢者の物件を買う場合、名前が書けた・印鑑が押せたというだけで本人確認できたと認知症の確認をしないのか?
仮に認知症なら、家族信託されているか確認したり、成年後見人制度を使ったりするのか?
ここも皆様の事例や感想などをお伺いしたいです!
3.まとめ
立て続けに不動産で認知症っぽくなる方が出たことで、認知症を身近なものに感じました。
加えるなら親戚の伯父さんも認知症になりました・・。
25年前、私たちに1億円のRCを建てろと建築会社・不動産会社・銀行などを連れてきた方です。
今の私たちがあるのは、この伯父さんのおかげで、心から感謝をしていました。
その伯父さんも認知症になりました。
最近は、風呂も入らず、髭を切らず、山奥の仙人のような風貌で、歩道に椅子を置いて遠くを眺めています。
逆に90歳を過ぎても元気な伯父・叔父もいます。
皆が年で認知症になるわけではありません。
人間は老いるものですが、認知症を肌で実感する時が来て、少しビビっています(汗)。
そこはそれです。
考えるのは、賃貸業・売買で、法律・倫理・実際問題として、しっかりと方針を決めたいなと思いました。
管理会社からは、家族信託の提案も受けています。
私の母親も後期高齢者で、私たちの相続地は母親との共有名義です。
次回は家族信託について書きたいと思います。
今回のコラムは如何だったでしょうか?
私達夫婦はコラムを通じて初心者の方に、不動産投資に取り組む際の「情報」と「勇気」を届ける事をテーマとしています。
我々の実践行動が、少しでも皆様のお役に立つ事を願っています。
―以上です―
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