2023年8月29日、6年間に及ぶ、私の民事訴訟の判決が東京地方裁判所でくだされました

勝訴

です

相続案件です

原告:父の後妻
被告:私

私は父が亡くなった後、父の後妻から突然、東京地方裁判所にて訴えを起こされました

生前、私の父は遺言公正証書を作成しました

・金融資産のうち〇〇円は後妻
・不動産と金融資産の残りは私

というざっくりとしたものです

訴えられた理由

後妻が私をいきなり訴えたのは、遺言でもらえる資産が父の銀行口座に残っていないので、不足分を私に払えというものです

これ以外にもいくつかの法律的内容が含まれますが、ここでは割愛します

裁判の展開

確かに父が死亡したときの預貯金は、後妻が遺言で相続できる金額より少なかったです

そこで私は、父の死亡する前数年間の預貯金の動きを調べました

すると、父が死亡する2年前ぐらいから、生活費とは思えないぐらいの多額のお金がATMから引き出されていることがわかりました

父は、難病を患い、自宅で寝たきりの生活をしていましたが、原告である後妻は、銀行のATMの引き出しは父が行ったと主張し、議論は平行線になりました

反訴

銀行の引き出しを合計すると、その金額は、後妻が遺言でもらえる額を大幅に超えていることがわかり、今度は

原告:私
被告:後妻

で訴訟(反訴)を起こしました

私は、父の介護記録や医師へのヒアリングで証拠を集めましたが、決定的な証拠が集まらず、裁判は苦戦します

後妻も、自分は銀行のATMに行ったことは一度もない!との一点張りです

要するに、後妻が無断着服したことがどうしても証明できないのです

決定的証拠の入手

5年目に入り、判決直前に、裁判官から和解の提案がされました

『後妻が銀行のATMからのお金の引き出しを行った直接的な証拠がない以上、着服も証明できない、〇〇円の不足はテリーさんが払う形で和解するのがいい』

という提案でした

私としては納得がいきませんが、裁判とは、決定的証拠がなければ、状況的にそうであっても、なかなか自分の主張は信じてもらえないということです。裁判長もそろそろ結審したい感じでした

銀行のATMからの引き出しはすでに8年以上も前のことなので防犯カメラの映像が残っているとは思えません

しかし、イチかバチか、複数の金融機関に対して、裁判所経由でATMの防犯カメラの映像を請求しました

ただ、やはり、防犯カメラの映像は1つもありませんでしたが、ATMが自動撮影した8年前の写真がATMのメモリーに残されていることがわかり、その画像を入手すると、後妻の顔がバッチリ写っているではありませんか!

私も知りませんでしたが、ATMを利用すると、ATMがこっそり3枚の写真をとるようです。写真はビデオに比べてデータ量も少ないので長期に保管ができるようです

その銀行からは、プリントアウトされた写真(データ付き)をもらいました。日本のATMの製造メーカーは数社で、仕様も大差ないはずです。「ない」と言った銀行には少し不信感が湧きました

裁判官の心証開示

民事事件は、刑事事件と違い、ほぼ100%の証明ができる証拠がなくとも、裁判官は、心証で判決を決めることができます

要するに、決定定期証拠がなければ、裁判官の常識に照らして判決は白とも黒とも自由に出していいと法律に規定されています

「疑わしきは罰せず」という刑事裁判に対して、民事裁判はもう少し柔軟に判決を下すことになっています

今回、ATMの写真が出てきたこと、そのことについて後妻が嘘をついていたことによって、裁判官の心証は大きく変わったことがわかりました

しかし、ATMの写真は、父の銀行口座のうちのたった1行のもので、他の銀行の口座からの引き出しの直接証拠がありません。依然として、後妻が相続できる〇〇円にはまだ、数千万円の不足がありました

だいぶ形勢を戻しましたが、このままでは私が敗訴する可能性は濃厚です

不足の数千万円は私が払うことになるのでしょうか?

そうなったら、私の虎の子の1棟目を売却しないといけないかもしれません

ちなみに、テレビドラマとかで、民事訴訟において、原告・被告が法廷で議論することがありますが、あれは全くの嘘です

日本の民事訴訟の場合、裁判の期日(1ヶ月に1回ぐらいのペースで開かれる、お互いの主張をぶつける場)は裁判官と双方の代理人の3者で裁判所の普通の会議室で行われます

それも、代理人弁護士が議論をするのではなく、主張の書かれた書面(準備書面といいます)を交換するだけなので、10分ぐらいで終わります

原告・被告・承認が法廷に出廷するのは、判決をもらう直前の最終尋問のとき、1回だけです。もちろん、私も、6年に及ぶ裁判の最後に、東京地裁の法廷で裁判官、相手の弁護士から1日に渡って尋問を受けました

ちなみに、日本の民事訴訟の40%ぐらいは和解で終わるので、最終尋問が行われない裁判の割合は多いです。最終尋問も受けたくないので和解する人も多いと思います

引用:東京地方裁判所

ちなみに、

6年間で提出した証拠の数

後妻:22
私:88

と私の必死さがわかると思います・笑

判決

法廷での最終尋問から約2ヶ月、固唾をのむように判決を待ちました

判決の当日、私は東京地方裁判所の法廷に行きましたが、後妻は欠席でした(出席は任意で、細かい判決の理由書は後から紙でもらうことができます)

判決文が東京地裁の法廷で読み上げられました。

裁判長「判決!」

後妻から私への訴えを棄却(私勝訴)

私から後妻への訴えは一部認める(私部分勝訴)

となりました

後妻の悪事が認められ、後妻の訴えは棄却、私の反訴は一部勝訴で、裁判は終わりました。証拠の証明力から考えれば、逆転の大勝利かもしれません。いい判決をもらいました

ただし、6年間で裁判官は転勤などで3度変わりましたから、結果がどうなったかは運次第だったかもしれません

6年間、一緒に戦ってくれたいい弁護士さんに巡り会えたのも幸運だったと思います

まとめ

今回、裁判所の法廷で長時間の尋問を受けるなど人生経験が深まりました。同時に、法律的な知識や裁判というものメリット・デメリットも理解できました

後妻は遺言書以上の金品を獲得しています。これは客観的には見れば明らかです

しかし、最後に私が逆転勝訴できたのは、ATMの写真を入手して後妻の嘘を暴いたことにより、裁判官の心証が大きく変化し、画期的な判決を得られたからだと考えます

裁判とは、最後の最後まで頑張らないといけないことを学びました

6年間という長い戦いでしたが、勝訴に終わってホッとしています。しかし、後妻から返してもらえた金額はわずかです。でも仕方ないと思って諦めますが、とりあえず勝訴の味を噛み締めています

ただ、今回の裁判を通して、私は500万円ぐらい、後妻は1000万円ぐらいを弁護士費用としてそれぞれの弁護士に支払っています。無駄なお金を使いました

日本では裁判に勝っても
自分の弁護士費用を
相手に請求することはできません

よく、勝訴すると裁判費用は相手が支払うと言うのは、数万円の裁判所に支払った印紙代を請求できるというだけのことです

ちなみに、お互いに控訴する権利はありましたが、父の後妻から判決に従ってお金を払うから控訴してないでほしいとの申し出があり、裁判は終了しました。後妻ももう80歳に近い年齢になっており、私も矛を収めることとしました

読者のみなさんが同じようなことに合わないことを祈るばかりです