不動産投資は物件を買わないと始まらない

その通りです

どんどん投資して、資産を増やしたいです!

CFも手取りもどんどん増やしたいんです!!

ちょっと買いたい病の症状が出ているかもしれませんね・笑

こんな感じになってきたら少し重症かもしれません

「今どき、築浅で利回りのいい物件なんて出てこないんだから、築古で十分です。築古でも長期で20年ぐらいの融資が出れば、多少、金利が高くても問題ないです。とにかく、今は投資をしないといけないんです!!」

ちょっと、待ってくださいね

築古を長期の融資で買いたい!!

それが何を意味するか、わかっていればいいのですが、大丈夫ですか?

資産1億円の不動産投資家

こんな物件を紹介されたらあなたならどうしますか?

・木造アパート築23年
・価格1億円(建物6000万円 土地4000万円)
・利回り8%
・融資20年、金利2.5%(提携ローン)

さて、あなたならこの物件に投資しますか?

融資も提携ローンで確定しているので、この築古アパートに投資すれば、あなたも

資産1億円の不動産投資家

の仲間入りですね

なんかネットの世界では、資産1億円の投資家セミナーのようなものが流行っているようでよくそう言った広告を目にします

今回は、テリシムライトによる税引き後CF=手取りの計算はしませんが、興味のある方は、ぜひ20年間のシミュレーションをやってみてください

このコラムの本題は、税引き後CF=手取りではなく

債務超過

です

債務超過について理解していますか?

この物件に投資すれば、あなたも資産1億円の投資家の仲間入りです

しかし、それと同時に

債務超過の不動産投資家

の仲間入りにもなります

債務超過とは、BS(バランスシート:貸借対照表)の資産(左側)より負債(右側)が大きい状態をいい、その差額を債務超過額といいます

1億円の物件にフルローンで投資すれば、資産1億円、負債1億円のBSが出来上がります

問題は、2年目以降です

築古木造アパートの残耐用年数は4年です。よって、この物件の場合、毎年1500万円ずつ減価償却によって資産が減っていきます(建物価格6000万円÷4年=1500万円)

しかし、20年ローンという長期ローンを組んだので、年間の返済は500万円程度であり、負債は毎年500万円ずつしか減りません(話を簡単にするために、家賃からの手取りはとりあえず無視しました。返済額も概数です)

結果的に

減価償却費1500ー返済500=1000万円

が毎年、債務超過としてBS上で増えていきます

わかりやすく図で示しましょう

この物件に投資した

資産1億円の不動産投資家

は、5年後には

資産4000万債務超過4000万円
の不動産投資家

と呼ばれることになります・笑

何が問題なのですか?

さて、債務超過は何が問題なのでしょうか?

まず、債務超過の状態を融資を出す銀行は嫌います。しかし、不動産投資を行った場合、初期段階で債務超過になることはよくあることです。チェックすべきは、毎年の得られる収益=手取りが積み上がり、年々、債務超過が減少する方向に向かっているのか?それとも、増加す方向に向かっているか?どうかです

つまり、BSの債務超過よりも、PL(損益計算書)の収益が黒字か赤字かの方が何倍も重要だということです。特に、仮に不動産所得が赤であっても、純利益(税引き後の手取り)は黒字を確保することは非常に重要です

よって、債務超過だからといって致命的なことでないが、賃貸経営をしっかりと行い黒字を出し、年々、債務超過を解消するように心がけることが重要となります

まとめ

不動産市況が厳しい中、築古の物件が当たり前のように取引されるようになりました。CFを得るためには長期ローンを引きたい気持ちはわかりますが、それによってBSがどのように動いて、債務超過がどのように変化するをシミュレーションすることは、継続して銀行から借り入れを行って物件を増やしていくことのためには必要な知識だと思います