こんちくわHIKOです。
家賃滞納からひとまず安否確認に向かうもどうやら夜逃げしたらしい戸建て物件。 あとは保証会社にお任せしようかと考えていると保証会社から電話がありました。
入居者の緊急連絡先に指定されている九州の父親が物件を見に来るというではありませんか。
そこで父親と直接話ができることになりました。
聞くところによると娘とはもう何年も会っておらず、どこにいるかも分からない状態だったそう。
そんな娘から「今迄育ててくれてありがとう」などと意味深なLINEが来たもんだから焦って警察に捜索願を出したそうです。
そこに保証会社から連絡があり静岡県にいることがわかった為、手がかりと滞納夜逃げの有様を確認する為にわざわざ九州から駆け付けるとのことでした。
これはひょっとして残置物撤去と原状回復費用を親が払ってくれるパターンかもしれないと思った私は快くお会いして物件にご案内する約束をしました。
娘のことなんか知らん!!と一蹴してしまうような父と子の関係性だと原状回復費用なんて出してもらえないでしょうが、わざわざ現地を確認しに来る親です。これはなんとかしてくれそうな気がします。
駅まで車で迎えに行き丁重に物件までご案内し、入居から現在までの流れを説明しました。
それに合わせて工務店の友人に原状回復のざっくりした見積もりを出してもらいました。そしてここでその工務店の友人から衝撃的な情報を得ることができました。
この物件ですが台風で瓦が数枚飛んだ箇所があったのでこの工務店に修理の依頼をしており、その依頼を受けた瓦屋さんが数日前に瓦の修理に来ていました。
そして瓦屋さんが修理の日、30代くらいの男女が軽自動車のレンタカー(わナンバーだった)に荷物をパンパンに詰めて犬を数匹連れて急いで出て行ったのを目撃したらしいのです!!
夜逃げじゃなくて昼逃げだった!!
ん~多分修理した屋根を大家が見に来る前に逃げようと思ったんですかね。
とりあえず生きていることが分かりほっとしたような、複雑な心境が見て取れました。
一通り物件の惨状も見て唖然とした感じの父親、なにか行方の手がかりになるものは無いかと手紙や請求書、督促状の束を仕分けていると、一緒に住んでいて逃げたと思われる男への督促状も沢山出てきました。
その中に、今回の物件で私が利用した保証会社からの物件明け渡し請求の用紙や、残置物の所有権放棄の了承を得る用紙が入っていました。
あれ?この物件まだ3ヶ月滞納してないからそこまで保証会社が動いていないはずだぞ・・・・・よく見ると男宛に保証会社から発送された郵便物でした。
そして発送先の住所を見ると、女性の入居審査時の住所と一致しました。
何ということでしょう。前に住んでいた借家を家賃滞納で夜逃げして私の物件に引っ越しし、同じ名義だとと保証会社の審査に通らないので女の名義で審査を突破したのでした。
やられたぜ
憔悴した顔の父親に原状回復費用を請求するのは心苦しいですが(保証人になっているわけではないので父親に支払い義務はありません)心を鬼にして費用の建て替えを打診しました。
すると、父親も年金暮らしで生活が苦しく、今回九州から新幹線で静岡まで来る資金も借りてきたそう。
そこで分割払いを提案したのですが、父親は持ち帰って検討させてくださいと言って帰っていきました。
帰りも駅まで車で送ったのですが、終始平謝りでした。きっと分割で少しずつお支払いしてくれそうな感じはしますが非常に気の毒で、後味が悪かったです。
まだこの物件は現状放置したままになっていて、これから法的な手続きを踏んで明け渡してもらうことになります。
勝手に鍵を変えて、中の残置物をててしまうと、自力救済と言って違法行為になってしまいます。
下手すると夜逃げした入居者に逆に勝手に自分の所有物を捨てられたなどと訴えられかねません。
保証会社が保証してくれているのならドンと構えて粛々とやれることをやっていきましょう。
進展があればまたコラムに書いていこうと思います。

※当コラムの執筆報酬は全国の児童養護施設や乳児院など、子供たちの為に全額使わせていただきます。
プロフィール画像を登録